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橋場英男の場合 18

 第十三節


 かなり長い沈黙が流れた。

 お姉さんは笑うでもなく怒るでもない、無表情に橋場を見つめている。

「あの…」

「冗談でもそういうことは言うべきじゃないわね」

「いや…その…信じられないとは思いますが本当なんです」

 てのひらで、パン!とテーブルを叩くお姉さん。

 そこに含まれていた怒気に気付かない橋場ではない。

「この話はここまでよ。そういう冗談はクラスメートの男の子と修学旅行の明け方にでもするといいわ」

 お姉さんがすっくと立ち上がった。

 ほぼ同じタイミングだった。

 部屋の外で何やら騒がしい音がする。野太い怒鳴り声、絹を裂く様な…でなはくて妙にこちらも野太い黄色い悲鳴。

 ドタンバタンと何かを引き倒したり叩きつけたりする音。

 その音はすぐそこまで迫ってきた。

 考える暇もなく、お姉さんの控室のドアが開き、顔に包帯を巻いた男が怒鳴り込んできた。

「おらーあ!!!!」

「あっ!!」

 そいつは、ついさっき橋場が叩きのめして退散させた高利貸しのゴリラ男だった。

「おう、ミリよお!」

 お姉さんの源氏名は「ミリ」というらしかった。

「…タカさん…」

 そして高利貸しのゴリラ男はタカと呼ばれているらしい。



(続く)


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