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ゲーデ

作者: 染井めそ

まえガキ


この作品はヴードゥー教の設定を一部借りて制作しましたが、個人的な解釈が多々含まれますので噛み合わない部分が多く含まれると思います。(勉強不足)

なので、もしそんな部分を見つけた場合は、質の悪い二次創作だと思って割り切って下さいお願いします。



彼は自らをゲーデと名乗った。




「ゲーテ? 詩人の?」


『いやいや、ゲーデ。げ え で』


一文字一文字を区切って名前を発音すると、口の端をギュッと吊り上げ、歯の隙間から息を漏らすように笑った。


「それで、そのゲー……デ、さんが、一体全体どうしてよしあきくんに乗り移ったのですか?」


休日の昼下がり。私はよしあきくんとダラダラゴロゴロしていた。

すると突然、よしあきくんが大きく痙攣したかと思うと、むくりと起き上がりゲーデと名乗りだしたのだ。


『そりゃお前、田辺義明が死ぬから迎えに来たんだよ。こう見えて俺は死神だからな』


こう見えて……って、外見はよしあきくんだから普段どう見えるかなんて知らないんですけども。


「って、え? よしあきくん死んじゃうんですか!?」


私がびっくりして声をあげると、よしあきくんの姿をしたゲーデはゲッゲッゲッと笑った。


『俺が直々に迎えに来るのは珍しいんだぜ? 俺は寛大だから質問があったら答えてやろうじゃないか』


私は自分の頭の中がぐるぐると波打ち、うねり、重くなっていくのを感じた。

よしあきくんが死ぬ?

そんな、よしあきくんの人生はまだまだこれからなのに。

進学して、社会人になって、結婚して、出世したりして、それからそれから……


とにかく、まだまだいっぱい未来があるはずなのに。それなのに意味の分からないやつに意味の分からない内に殺されてしまうなんて悲しすぎる。


「ど、どうしてよしあきくんなんですか? 言っちゃあ何ですけど、他に適任っていうか、適役っていうか……相応しい人っていないんですか?」


すると、ゲーデは腕を組み、眉間にシワを寄せて、う~んとわざとらしく唸った後、


『居ないな!』


無駄に大きな声で否定した。


「そ、そんな……」


私はうな垂れた。が、すぐに顔を上げ、焦りながらゲーデに言った。


「じゃ、じゃあ、せめて理由を……よしあきくんが死ななきゃならない理由を教えて下さい!」


私の必死さが伝わったのか、ゲーデは面倒臭そうに首を掻くと、床にあぐらをかいて座り込んだ。


『そもそもだな、この義明っつー奴は2年前の今日、ある呪いで死んでるはずだった。しかし、その呪いは完成せず、失敗に終わった』


2年前の今日……。それは奇しくも、私とよしあきくんが出会った日だ。


『あの日、何事も無く電車に乗っていれば……しかし何でだろうなあ?』


ゲーデは楽しそうに私の同意を求めた。

恐らくこの人は知っている。知っているからこそ、遠回しに言ってるのだ。


私が原因なのだと。


『じゃ、そろそろ俺戻るわ。いつの時代も死者の管理は忙しいな全く』


「待って! 一つ、一つだけお願いがあるの!」


私は慌てて彼を引き留める。何もしないまま、よしあきくんを連れて行かれるなんて嫌だ。


「私が、私が……」


そこまで言って、一瞬だけ躊躇ってしまう。

もし、私の提案が通ってしまえば、もうよしあきくんとは……。


『馬鹿かお前? 途中で躊躇うような中途半端な覚悟で命をかけるな。この男にとっても、俺にとっても迷惑だ』


まるで話にならないとせせら笑いながら、しかし目だけは笑わずにゲーデは私を見下しながら吐き捨てた。


違う、中途半端なんかじゃない。

私は、

私は本気だ。


「お願いします。よしあきくんの代わりに、私を連れて行って下さい」


真っ直ぐにゲーデの目を見た。


そこで気付いた。

彼の目は、泥沼のように底が知れず、背筋が凍りつく程に恐ろしい。


『ああ、そうだな。お前にも責任はあるからな。だが、お前に田辺義明と同じ価値があるのか?』


ゲーデの言葉に私は自らの身体を見下ろす。


「大きさは関係無いです!」


その言葉に、一瞬だけキョトンとしていたゲーデだったが、私をマジマジと見て噴き出す。


「な、何が可笑しいんですか!」


自分の身体と笑い転げるゲーデを交互に見ながら叫ぶと、彼は多少むせつつ笑いつつ訂正した。


『いや、ゲホッ……俺の説明が足りなかった。すまんすまん。身体は関係無い。お前はスレンダー美人だ……ブフッ! 俺が言いたいのは、この世界に与える影響についてだ。お前の命が失われる事とこいつの命が失われる事は世界に同等の影響を与えるか、それ以下かって事だ……ウヒャッヒャッヒャッヒャッ!』


笑い過ぎだ。ちょっと褒められたはずなのに全く褒められていないように感じる。


『だから、確かめてやろう。お前がこいつと同等以上かどうかをな』


そう言って再びウヒャヒャヒャ、と下品に笑った。





お昼時を少し過ぎた日差しは高く、少しだけ暖かい。

私とゲーデは隣町にある住宅街を歩いていた。


「……あの、ゲーデさん」


つかつかと迷い無くガニ股で前を闊歩するゲーデに声をかけると、『ん~?』と、鼻歌を交えた生返事をする。その態度に少しむっとしながらも、質問を続けた。


「よしあきくんの身体から出て行ってくれませんか? 凄く……何て言うか、複雑です」


正直、よしあきくんの顔なのに全然違う人の仕草とか、雰囲気とか、頭がおかしくなりそうだった。

すると、彼はよしあきくんの顔でニヤリと笑う。


『出て行ってもいいが、一緒にこいつの魂も持って行っちまうぜ? まあ、その方が俺がさっさと帰れるからいいかもなあ……』


「駄目! そのままでお願いします!」


慌てて引き止めると、ゲーデは肩を揺らしながらゲッゲッゲッと笑った。完全にからかわれている。

仕方ない、なんせ人質がいるのだから。


『着いたぜ。ここの親父にお前の価値を鑑定してもらう』


そう言って彼が指差したのは、何ともまあ古い一軒家だった。よく見ると“たばこ”や“酒”などの看板が玄関に貼り付けてあるのが見える。おまけに手作りの看板に“喫茶店”と書かれており、一体何がメインの建物なのか分からないようになっていた。


『ほら早く来い。じゃないと俺帰っちまうぞ』


私が細かい事に頭を悩ませていると、ゲーデはその怪しげな建物へと向かう。


「あ、ま、待って!」


私は彼の後を追い、敷地内へと足を踏み入れた。その瞬間、塀の陰に隠れていた犬が私に向かって激しく吠え出す。


「ひゃあ!」


私は驚きのあまり素っ頓狂な声をあげて身を強張らせ、立ち竦んでしまう。犬はとても苦手なのだ。

ゲーデは玄関の前に立ち、私を指差してゲラゲラと笑っている。とても嫌な奴だ。

幸い、犬はしっかりと繋がれているらしく、私に向かって突進をしては仰け反ってひっくりかえっている。

私は思わぬハプニングにドキドキしながらも玄関に向かった。

玄関の前でゲーデを睨みつけると、笑いを我慢しているつもりなのか、しばらく口を抑えて小刻みに震えていた。


「……絶対に許しませんからね」


彼は私の恨み言を聞き流し、玄関の扉を開ける。扉につけてあるベルがチリリンと鳴った。


『お先にどうぞ、お姫様。いやお坊っちゃま?』


ひょうきんな声色を使って一礼するゲーデ。少しイラっとしながらも、目立った危険は無さそうなので室内へと足を踏み入れた。

室内は全面フローリングで、左側に長いカウンター、中央と右側には2~4人用の丸いテーブルと椅子が等間隔で並んでいる。カウンターの奥には棚があり、ワインや日本酒などのお酒や、何種類もの煙草が陳列していた。

どうやら、看板に偽りは無かったようだ。


『いやー、いいお尻してるねえお嬢様』


店の内装に気を取られていると、真後ろからよしあきくんの声でゲーデが気持ち悪い事を言いだした。

振り返れば、屈んでニヤニヤと私のお尻を凝視している。

はっきり言って不愉快極まりない。


「……それ以上ふざけるなら、引っ掻き回しますよ」


身体がよしあきくんだろうと関係無い。

多分、よしあきくんなら分かってくれるだろう。

と、その時。


「すみませんお客様。当店では……って、あんたか」


カウンターの奥から萎びた小さな老人が一人、ひょっこりと顔を出した。


『よう親父。今日もよく萎びてんな!』


ゲーデが大変失礼な事を言って私を追い越し、カウンター席に座った。とりあえず私もその隣の席に座る。


「今回はその青年か? なんとまあ、まだ若いのに……」


どうやらこの老人、彼が死神である事を知っているようだ。


『まあ、本来はそうなんだが、こいつが身代わりになりたいって言い始めてよ……』


そう言って私の耳に当たるようにわざと指差すゲーデ。無論、その手を全力で払ってやった。


「なるほど、だから店まで来たと」


老人は話をしながらコーヒーミルで豆を挽き始める。


「あなたは……ホットミルクで良かったですか?」


老人は優しく微笑みながら私に聞いてきた。


「えっ、あ、あの、はい……」


突然質問され、しどろもどろになりながらも返事をすると、回していたミルをゲーデに押し付け、慣れた手つきで瓶に入った牛乳を空の鍋に入れて加熱し始める。ミルを渡されたゲーデは、渋々ながらハンドルを回し始めた。

老人は胸ポケットにしまっていた老眼鏡をかけると、レンズ越しに私を観察する。動いたらいけないのかと思いじっとしていると、数分後にブツブツと呟き始めた。


「ふむ、中々頭の良い方ですな。それに顔立ちも整っている。リーダーシップをとるのが得意で、仲間達からは頼りにされている。しかしプライドが高いのでゲーデのような下品な者にからかわれるのが許せない……なるほどなるほど」


そのような事を他に幾つか言いながら老眼鏡を外すと、沸騰しない程度に温まったホットミルクをティーカップに注ぐ。そして「これはおごりですから、気にせず飲んでいって下さい」と、私の前に甘い香りの湯気がたつホットミルクを置いた。

その甘い匂いにそそられ口をつけてみたが、あまりの熱さに一瞬体を強張らせてしまい、ゲーデに下品な声で笑われる。

悔しいけども、冷めるまで待つ事にした。


『で、結果は?』


ゲーデはつまらなそうにミルを挽きながら老人に声をかける。


「そうだな、合格じゃあないか? あんたとは少々気が合わない所があるようだが」


老人はゲーデからミルを取り上げると、粉末状になったコーヒーを取り出してフィルターに入れ、その上から少しづつお湯を注ぎ始めた。


『ま、この際、代わりにできるなら何でもいい。そんな事よりこの前頼んだやつの入荷まだ?』


自分で質問しておいて心底どうでもいいように老人の下した評価を無視すると、老人に向かって何かを催促し始めた。


「まあ、そう急くな。コーヒーの一杯くらい楽しむ暇はあるだろう」


そう言って、フィルターにお湯を注ぎ続ける。フィルターから一滴一滴と落ちる赤みを帯びた黒い滴は、透明なポットの底へと溜まり小さな波紋を作った。

その光景は何とも不思議なもので、意味が無いと分かっていてもぼんやりと見入ってしまう。その間、ゲーデはよく分からない国の言葉で不思議な歌を口ずさみながら窓の外を眺めていた。

暫くしてポットの中に一杯分のコーヒーが溜まると、老人はそれを全てティーカップに注ぎ、飲んだ。


「……ヱ?」


ぽかんとする私をよそに、老人は香りを楽しみつつコーヒーに舌鼓を打つ。まさか、ゲーデがコーヒーを楽しむ暇ではなく、この老人が楽しむ暇だとは予想していなかった。


「あんたも飲むか?」


老人が空のティーカップを掲げると、ゲーデは歌を止めてうーんと唸る。


『やめとく。愛しのラムちゃんが俺の帰りを待ってるからな』


そう言ってゲッゲッゲッと笑うと、中断していた歌の続きを口ずさむ。


「そうか、今回はいい豆を仕入れたんだが……」


老人は寂しそうに溜息を吐くと、再びコーヒーを入れ始める。

どうやら、思ったより時間がかかりそうなので、私はぬるくなったホットミルクに口をつけた。



二杯目のコーヒーをゆっくりと飲み干した老人はカウンターにカップを置くと、何も言わずに奥へ戻ってしまう。

すぐに帰って来るだろうと待っていたが、老人は数分経っても戻って来ない。隣には訳の分からない歌を歌い続けるゲーデ。


正直、気まずい。


だが、少し気になる事があったため、勇気を出して声をかけることにした。


『なあ、』


「あのっ、」


ほぼ同時に互いに声をかけてしまった私達。

何故こういう時に息が合うのだろう。続けにくくなったじゃないか。


「……どうぞ、お先に」


私は込み上げる妙な恥ずかしさを誤魔化しながら、ゲーデに続きを話すように促した。


『いや、大した事じゃねえからお前から言え』


しかし、彼は話したくて仕方がないという風に笑いながらも、私が先に話すように促す。

断る理由も無いので、お言葉に甘えて質問する事にした。


「あのお爺さんの鑑定で合格貰ったって事は、私はよしあきくんの代わりに死ぬ事になるんですよね」


『んー、まあ、そういう事だな。自分の死が確定した事に怖気付いたか?』


馬鹿にするようなゲーデの口調に多少ムッとしながらも、平静を装って私は溜息を吐いた。


「違いますよ。いや、違いはしませんけど……。私が聞きたいのは、死んだら私は何処へ行くのかです」


いいことをすれば天国へ行く。

わるいことをすれば地獄に堕ちる。

信じる神がいるような人はそう言うんだろうけど、生憎私は天国も地獄も信じない。私が心から信じているのはよしあきくんだけだ。

ならば、神様なんて信じてない私は、信じているよしあきくんの傍からいなくなる事を選んだ私は、どこへ行くのだろう。


『そうだな……まあ、どうせ減るもんでもねえし、教えといてやるか』


ゲーデは口の中でモゴモゴと呟くと、よく分からないジェスチャーを交えながら説明を始めた。



『この世界の魂は、魂を管理する者達の元へと送られてくる。まあ、平たく言えば俺達みたいな死神だな。そいつらは宗教によって姿形が全くもって全然違うが、やってる事はほぼ同じだ。時期が来た生者の魂を刈取り、“あっち”へと導く』


彼はそう言うと、私の喉元をそっと撫でた。


『導かれた魂は、死神の管轄下である領域に収容され、それぞれの信じる神々が待つギネーって場所へと送られる。だが、死神によってはその魂を糧に生きている奴らもいる。神んとこに行く間に行方不明になる魂なんてザラじゃねえ』


ゲーデはよしあきくんの顔で、おぞましく、禍々しくニヤリと笑う。

私はそのあまりにも邪悪な微笑みを見て微動だに出来なかった。撫でられた喉元が、まるで熱を持ったようにじんわりと痺れてきた気がする。


「も、もしも、もしも神様を信じていないものがその死神の領域へ足を踏み入れたら……ど、どうなるんですか……?」


私の質問に、彼は俯きながら肩を揺らして笑うと、ゆっくりと顔を上げて言った。






『知ーらね』


その顔は、先ほどとは打って変わってかなりの阿呆面だった。


「……はあ?」


その不真面目な態度に拍子抜けし、少しカチンときた私は、思わず彼を睨みつけた。


『怒るなって。俺は魂食ったりしねえし、他の死神仲間だって魂に食指が動く奴いねえし。俺はどういう奴が来てもあんまり危険そうでなければ適当にギネーに通すし』


ゲッゲッゲッと笑うゲーデを尻目に、私は溜息を吐く。それと共にどっと疲れが襲ってきたように思えた。


「えー……じゃあ、その、何でしたっけ……ギネーって所に行った魂はどうなるんですか?」


その質問に対し、ゲーデはまたしても『知らね』と答える。私が溜息を吐いていると、彼は笑いながらこう続けた。


『俺は死者の全ての事を知ってるが、お前らは俺達の事を欠片程しか知らない。それと同じような事だ』


なんとも納得のいく返答で。まあ、全てってのは言いすぎな気もするけど。

何か、この死神と話していると疲れるし、死んだ後の事を考えるのも面倒になってくる。


「それで、貴方が言おうとしてた事って何ですか?」


半ばヤケになりつつも、彼に先程言おうとしていた大した事ではない話をするように促す。すると、ゲーデは真剣な眼差しで私の目を真っ直ぐに見ると、少し声のトーンを落として言った。


『その事なんだが、さっきは大した事じゃねえって言ったが、多分お前にとっては大事な情報だと思う。だからちゃーんと耳の穴かっぽじって聞け』


その今までとは違う張り詰めたような雰囲気にゴクリと唾を飲み込む。まさか、さっきの会話で何か重大な事を思い出したのだろうか。

ゲーデは私から視線を外しカウンターに両肘をつくと、両手の指を組んで額にあてがう。そして、目を閉じて一気に言い放った。




『ネコのち○こにはトゲがあるんだぜ。覚えとけよ』




「……は、はあ……」




『…………』


「…………」




私は両手を振り上げ、ゲーデに向かって思い切り振り下ろす。しかし、すんでのところで彼に両手首を掴まれ、宙ぶらりんになる。攻撃は失敗に終わった。


「あ、あ、貴方って人は……貴方って人は……!」


怒りと羞恥に震え、言葉もままならない私とは対照的に、ゲーデは心底楽しそうに大笑いしている。


『ワヒャッ、ワヒャッ、ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ! ぐヒャヒャヒャヒャ……ゴフッ! ゲホッゲホゲホ……ひゃっひゃっひゃっ!』


「むせるほど笑う事ないじゃない!」


身をよじって拘束から逃れようとするけど、まるで私の腕が固定されたかのように動かない。蹴ろうにも、簡単に避けられる。


「……何やってるんだ?」


その時、奥に引っ込んでいた老人がカウンターの向こうに現れた。その手には、手のひらで包めば隠せそうなほど小さな箱が握られている。


「こ、この人痴漢です!」


さっきの出来事を説明しようと混乱する頭に浮かんだ言葉を口に出すと、ゲーデが更に激しく笑った。


「そいつを相手にするだけ無駄ですよ。嫌がらせが本業みたいな所がありますからね。……あんたも大人げない事してないで、少しは他人に優しくする努力をしなさい」


ゲーデは老人の説教を鼻で笑うと、ぞんざいに私の腕を離した。離された瞬間に彼に右フックをお見舞いしてやろうとしたが、読まれていたのか、いとも簡単に回避される。

私は素早く一つ遠くの席に移動してぷいとそっぽを向いた。


『ゲッゲッゲッ、拗ねてらぁ』


ゲーデが不快な笑い声で私を煽ってくるが、もう何を言われても絶対に無視すると決めた。老人の言う通り、この手の輩は相手にするだけ無駄なのだ。


『で、親父。それ俺が頼んでたやつ? 何かいつもより小さくね?』


ゲーデは不安げに箱を受け取ると、眉間にシワを寄せて中身を確認する。


「大丈夫だ。箱を変えただけで、いつもと本数は同じだ」


老人はそう言って再びコーヒーを飲み始める。ゲーデは何回か箱の中身の物を数えていたが、老人の言う通り内容に変わりは無かったようで、首を捻りながらも箱の蓋を閉じた。


『……いっつも思うんだが、あんたらの技術が不思議でならねえ』


腕を組んで唸るゲーデを横目にしながら、老人は呆れたように鼻で笑った。


「儂にはあんたらのような存在の方が不思議だがな」




その後、ゲーデは老人といくつか言葉を交わすと、渡された用紙に何かを書いて返した。


『じゃ、ツケといてくれ。また後で適当な使いを寄越す』


ゲーデは席を立つと、『ホラ行くぜー』と言って少しウトウトしていた私の首根っこを持つ。


「ちょ、ちょっとやめ……何するんですか!」


少し寝ぼけながらも暴れていると、もう既に耳に残ってこびりついてしまった不快な笑い声と共に解放された。

私は床に着地すると、ゲーデの傍から逃げるように離れる。


『ほーらさっさと出るぞ。客はいなくても一応営業中なんだからな』


そんな私には目もくれず、老人に対してまたもや失礼な事を言ってさっさと外へ出て行ってしまう。


「な、なんなのよ、もう……」


入ってくる時と同様にチリリンとベルを鳴らしながら閉まる扉に呆気にとられていると、老人が柔らかい笑顔を湛え、私の傍らに立った。


「あいつをよろしくお願いします。下品でうるさいかもしれませんが、貴女の気が向いたらでいいので、支えてやって下さい」


そう言って玄関へと向かうと、私が通れるように扉を開けてくれた。

扉の向こうでは、ゲーデが先程の犬をからかって遊んでいる。


「……私、あんまり長くあの人と一緒に居たくないんですけど……」


むしろ、さっさと神様達のいるギネーって所に行きたいんだけれども。

老人はそれを聞いてふっと笑い、「気が向いたら、ですよ」と答えた。


「えっと、ホットミルクごちそうさまでした。美味しかったです。あと、お邪魔しました」


私は頭を下げ、老人が開けてくれた玄関を潜る。


「またのお越しを」


老人は私達が見えなくなるまで、手を振りながら見送ってくれた。





こうして私達は家へと戻って来ると、出会った時と同じ位置へと座り直した。


『さて、これからお前は田辺義明の代わりに死ぬが、これから俺が言う事を守るように。じゃねえと色々と面倒だからな』


ゲーデは老人から受け取った箱をいじりながら私にいくつかの事を説明する。簡単に言うと、死神が来たという痕跡を残さないよう注意しろとか、未練たらたらで死んだら回収が難しくなるから諦めろとか、そんな風な事だった。


『で、これが特に重要なんだが……』


そう言ってゲーデはさっきからいじっていた小箱を私の目の前に置く。


『死ぬ時、こいつを一緒に持って来い。触っとくだけでも持って来られるように親父が改良してる。本来なら田辺義明の魂と一緒に俺が持ち帰る予定だったんだが、お前が死ぬ事になっちまったからな』


「え、何でですか? 自分で持って帰ればいいのに」


何だか凄く未練がましく小箱を見つめながら語る彼に質問すると、箱から視線を少し外して自らを指差す。


『俺は義明を操っているけど、俺自体は俺の領域から出てない。だから義明に持たせててもこれを持って帰れない。そういう事だ』


つまり、ゲーデ自身はこことは違う所に居るため、誰かが彼の領域まで持って行かなければならないという事か。


「中身は何です? 変な臭いしますけど……」


私が小箱の臭いをかいでいると、彼は『余計な詮索は身を滅ぼすぜ~』と言って寝そべった。

それは、位置も姿勢もよしあきくんが憑依される前と寸分の狂いもない。


『じゃ、それしっかり持っとけよ。持って来なかったら領域まで案内してやらねえ』


「え? あ、ちょっと! まだ聞きたい事が……!」


私が慌てて引き止めようとするが、ゲーデは瞼を閉じ、黙り込んでしまう。そう思っていた次の瞬間、何かが抜けていくように表情が変わり、眠っているよしあきくんの顔になった。

どうやら、ゲーデはいなくなったらしい。


「どれくらいになったら死ぬかとか、言ってくれればいいのに……」


質問し損ねた悔しさから思わず小さく愚痴を言ってしまう。死ぬ時間が分かっていれば、ここまで不安を覚えずに済むのに。


その時、ふと気づいた。

いや、やっと理解したというべきか。






私、死ぬんだ。






その瞬間、今まで感じていなかった不安と焦燥が一気に身体中を駆け巡った。

死んでしまったら、もうこの居心地のいい部屋には戻れない。

死んでしまったら、食べるはずだったおいしいご飯も食べれない。

死んでしまったら、気の合う友達にも会えない。

死んでしまったら、

死んでしまったら、もう、よしあきくんと会えない。


なんて事だろう。あの男が居た時には感じなかった死への恐怖が今頃になって襲ってくるなんて。

なんて、なんて浅はかだったのだろう。もっといい解決方があったかもしれないのに。

何故あの時、身代わりになろうなどと思ってしまったのだろう。

自らを捧げずとも、違う何かで代用できたかもしれないのに。

大体、時期が早まっただけで、いつかはよしあきくんも死ぬのだ。死んでいたはずだったのだ。

そうだ、ずっと昔に死んでいたはずだったのに、何故代わりに私が死ななければならないのか。

今なら、今ならまだ間に合うかもしれない。

今、無防備に眠る彼を殺してしまえば、私が死ぬ前に彼を殺せば、もしかしたらまだ……


だが、振り向いた先にあったよしあきくんは、微笑むように、幸せそうに眠っていた。

それは、私の大好きな人。

私が何よりも守りたかったよしあきくんだった。




 ーー寒かったね。もう大丈夫だよ。




ああ、そっか。

あの日、よしあきくんと会わなければ、私はここに居られなかった。

彼が助けてくれなかったら、私は彼の傍でのうのうと生きる事も無かった。


死んでいたはずだったのは、私も同じなのだ。


彼を殺してまで私が生きようなんて、どこまで厚かましいのだろう。


「……ごめんなさい」


身代わりになって死ぬ事は美談なんかじゃない。


「ごめんなさい……ごめんなさい」


まして、死んで恩返しなんて以ての外だ。


「ごめんなさい……!」


だけど、ちっぽけで無力な私は、それしか方法が無かった。

その方法すら投げ出して、自分だけ助かろうと考えるなんて、謝っても謝っても足りない。

私は、自分の弱さを憎みながら、眠るよしあきくんに謝罪を繰り返した。

その間、涙はいつまでも溢れ、視界を歪めていた。





それからしばらくは、ゲーデが置いていった小箱をぼんやりと見つめていた。

もしかしたら、全部夢だったのかもしれない。

ゲーデがよしあきくんに憑依して現れたのも、変なお店で老人にホットミルクをもらったのも、ゲーデにからかわれたのも、私が身代わりになるって言ったのも、全部夢だったのかもしれない。

そうだ。今、私がこうやって小箱を見つめているのも夢なんだ。

目が覚めたら、いつも通りよしあきくんと一緒にご飯食べたり、テレビ見たりするんだ。

ちょっと変な臭いのする変な小箱なんて最初から無くて、私達はいつも通り、なんとなく幸せな生活を送るんだ。


「……死ぬなんて、やだよ」


私は小箱を見つめながら呟く。


「本当は、もっと傍にいたいよ」


夢じゃないって分かってる。


「だけど、よしあきくんが死ぬのはもっと嫌だ」


ゲーデがよしあきくんに憑依して現れたのも、変なお店で老人にホットミルクをもらったのも、ゲーデにからかわれたのも、私が身代わりになるって言ったのも、全部夢なんかじゃない。


私は小箱に手を伸ばす。


夢なんかじゃない。

この小箱も、さっきまであった出来事を現実だと証明している。


私の手が、小箱に触れた。


「……あれ?」


だが、小箱に触れたと思った手には何の感触も無い。そう思っていると、小箱は砂や泡のように形が崩れ、一瞬の内に消えてしまった。


「どうして……?」


まるで私の体験した不思議な出来事を否定するかのように消えてしまった小箱に唖然としてしまう。

これで、彼らとの関わりを証明出来る物は無くなってしまった。


「……夢、だったの……?」


私の呟きに答えてくれる人はいない。

だが、小箱が無くなった今、あの出来事が白昼夢であったと言っても過言ではないのだ。


「そっか……全部、夢だったんだ……」


あれは全部私が見た夢で、よしあきくんも私も死なない。私達はいつも通りのなんとなく幸せな日々を過ごしていく。


「ふ、ふふ……あははは……」


そう、全部、夢だったんだ。


私は安堵から、今の状況がなんだかとてもとても可笑しくなって、もっと大きく笑おうと息を吸った。




「っ……!」


だが、声は出ない。

目を見開いたまま、息を止めた。

まるで体の芯を冷たい泥沼に沈めたような、嫌な悪寒。それが徐々に体中へと広がり、私を蝕んていくのが分かる。

彼の、ゲーデの目を見た時とよく似た感覚。


夢じゃなかった。


体から力が抜け、私は随分と不格好に横たわる。

苦しい。凄く、苦しい。

全身を巡る痛みや圧迫感に悶え狂いそうな程に苦しいのに、体が動かない。

怖い。

確実に私の体から何かが削られ、引き剥がされていく感覚に、恐怖を覚えた。


「……よ、し……あき……く……」


私は最期の力を振り絞ってよしあきくんを呼ぶ。


最初は、昔からよく言ってた「助けて」と言おうとした。


次に、さっき散々言っていた「ごめんなさい」と言おうとした。


でも、最期の力を振り絞り、口をついて出たのは、あまり口にした事の無い「ありがとう」だった。




視界が真っ暗になる。

息が体から漏れていく。

ずっと鳴りやまなかった秒針の音が、聞こえなくなった。











「…………」


遠くで、よしあきくんが私の名前を呼ぶ声がした。













私は死んだ。

私という存在は粒子よりもさらに細かな幾千幾万の物質となり、風に流されるかのようにその身を崩す。




挿絵(By みてみん)



わたしはしんだ。

腕を伸ばしても体が無い。

脚を振り回しても体が無い。

永えんとも呼べるあんこくの中、わたしという形を持たないぶっしつは、うちゅうへとひろがり、どこへともなく消えてしまう。

なにも感じない、なにも考えられない、なにもわからない。


わたしがきえてしまう。




きえて、しまう

わたし

きえる




きえる……













『こっちだ』



挿絵(By みてみん)







その声が聞こえた瞬間、私は消える事もなく、急速に一部へと収束する。

一つの形へと、

私の生前の形へと。




挿絵(By みてみん)


そして、私はそこに居た。







死者の魂は、永遠の交差点と呼ばれる場所を通過し、神々の住まうギネーへと向かう。

永遠の交差点にはゲーデという名前の死神がおり、死者達の魂をギネーへと導いている。



真っ暗な世界に、まるでどこかから切り離されたようにその道は有った。地面には大きな白黒ストライプが延々と続いており、その上を死者達がぞろぞろと行進していく。途中、ぽつりと立っている柱は先が枝分かれしており、枝の先にはいくつかのライトが二つセットでついている。どの組み合わせも歩いている人の姿が描かれた碧いライトが煌々と輝き、もう一方のライトはちらりとも光る事は無い。

永遠の交差点は多くの死者が通る影響か、時代によって少しづつ形を変えていった。大きく変わったのは、死者の通行を許可する目印であろうか。

その目印であるライトの付いた柱の根元には、ストライプの無い歩道とイミテーションのような小さな建物。そして、周囲の死者とは全く違う雰囲気を纏った男がいた。

暗い色のサングラスに、燕尾服と山高帽。使い込んでいるのか、擦り切れていたり破れていたりと少々格好は悪いのだが、本人は全く気にしている様子は無い。というか、死者の行進する真ん中で呑気に酒瓶を傾けている。銘柄は分からないが、辺りに立ち込める香りからしてラム酒であろう。

と、その時、柱に付いている黒電話がけたたましく呼び出し音を鳴らした。よく見ると、柱には色々な物がシールのように沢山付いている。電話に食器棚に時計にカレンダーにメモ帳に羽ペンにインク壺にハンドベルに蛇口にダストシュート、何に使うのか分からないスイッチが無数に……挙げていけばきりがない。

男は受話器を取ると、ぼんやりと死者の群を眺めながら、無数にあるスイッチの一つを押した。すると、柱の先にある碧いライトが消え、棒立ちになった人の姿が描かれた赤いライトが灯った。それを合図に死者達の歩みが止まり、辺りは喧騒に包まれる。男は受話器を置くと、柱に付いている新聞受けから新聞を取り出し、欠伸を噛み殺しながら読み始めた。

そんな中、死者の群を縫うようにして一匹の白猫が走っていた。口元に小箱を咥え、死者の足元をスルスルと器用にすり抜けると、男の元へと向かう。そして、彼の足元へと小箱を転がすと、一声「ニャア」と鳴いた。


「……うん?」


男が新聞を退けて足元を見ると、白猫はどこか澄ました態度で顔を洗っていた。



「やっと来たか。待ってたんだぜ……その箱をな」


男はそう言って小箱を拾うと、ゲッゲッゲッと笑った。白猫は顔を洗う動きを止め、睨むように男を頭のてっぺんから爪先まで眺めると、低い声で小さく鳴いた。


「……だっさ」


「はいはい、ダサくて結構。俺はラム酒と葉巻さえあれは最高にハッピーだからな」


白猫にファッションセンスを指摘されたが、凹む事なく言い返すと、小箱の中から倍以上の長さのある葉巻を取り出す。白猫は唖然としてそのマジックのような光景を見ていた。男は葉巻の先を噛み切って吸口を作ると、柱に付いている引き出しからマッチを取り出し、火を点けて吸口とは反対側の先をゆっくりと炙る。その炎は何故か白黒で、葉巻に色が無ければ無声映画のワンシーンのようだった。

白猫がじっと炎を見つめながら囁くように質問した。


「この先に行ったら、ギネーって所に行くんですよね。向こうでまた、よしあきくんと会えるんでしょうか?」


質問を聞いていた男は火の付いた葉巻を咥え、ポケットに小箱を入れると、白猫の質問に答えた。


「前にも言ったろ、俺はこの先を知らねえ。行ったら何があるのかとか、興味も無い。記憶を無くして生まれ変わるかもしれないし、神や他の死者と一緒に世界の終わりまで長々と暮らすかもしれない。ま、行かないと分からねえよ」


彼の言葉を聞いた白猫は、少し考えるそぶりをした後、聞こえるか聞こえないかの音量で鳴くと、男から少し離れた場所に座った。


「……いつか言い出すとは思ってたが、まさか本当に言うとは……おぼこは一途だねえ」


感心したように、もしくは呆れたように男が言うと、白猫は首を傾げながら言い返した。


「おぼこって何ですか?」


聞いた事の無い言葉に思わず質問してしまう白猫。だが、これがいけなかった。


「漢字で書くと、みつーおんな。未だ通った事無い女だな」


そう言うと、柱に付いているメモ帳に「おーぼーこー」と言いながら未通女と書く。

白猫は首を傾げながら意味を考えている。この場所を通った事の無い女という意味だろうか、などと考えているのだろう。そんな白猫の様子を見ながら、薄ら笑いを浮かべて男は説明した。


「もっと詳しく言うと、交尾した事のない女って事だな」


その言葉に、白猫は目を見開いて固まった。対して男は、笑いを堪えて肩を小刻みに揺らしている。

白猫は素早く男の元へ駆けると、彼のがぶりと足に噛み付こうとした。だが、その行動は読まれていたようで、大笑いしながら避けられる。


「なんで知ってるんですか! ……じゃなくて! 本っっ当に、貴方って最低です!」


恐らく、白猫は下ネタが苦手なのだろう。瞳孔を丸く開き毛を逆立てている。人間に例えるなら恥ずかしさに顔を真っ赤にして怒っていることだろう。


「ゲッゲッゲッ! あー面白い。そんな怒るなよ、おぼこ。前に言ったろ。俺は死んだ奴らの全てを知ってるってな。例えば、お前子猫の頃の12月21日22時11分に義明の布団にションベン漏らして……」


「そ、それ以上言うなぁー!」


男の台詞を飛びかかって阻止する白猫。だが、男は尚も笑いながら避ける。

なんともまあ微笑ましいというか、大人げないというか。

激しい攻防の末、白猫は遂に一撃も攻撃を当てられずに男の傍から離れた。


「ホント、最っ低! いつかその首掻き切ってやる!」


「はいはい、もうちょっと大人になったら相手してあげまちゅよー」


殺人予告をされながらも、男はまるで他人事のように軽くあしらう。白猫は悔しそうに唸ると、いじけてしまったらしく地面に伏せた。


暫くすると、再び電柱に付いている黒電話が鳴り響く。男はそれに無言で出ると、「えー」とか「マジかよー」などと言いながら渋々電柱に付いているスイッチを押した。すると、電柱の先の赤いライトが消え、碧いライトに切り替わる。それを合図に、死者達は再びギネーへと続くストライプを歩いて行った。





「……あの」


「……何だ?」


「これから、よろしくお願いします」


「あー……こちらこそよろしく」




その日から永遠の交差点では、燕尾服と暗色サングラスの死神から少し離れた場所に、白い毛並みの猫が誰かを待つように座っているのが目撃されるようになった。



あとガキ


この作品ではちょいちょい下ネタを挟んだため、不快な思いをされた方々もいると思われるので、この場で謝罪を。

こんな作品書いてごめんなさい。

なのに最後まで読んでくれて本当にありがとうございます。

文末に「続く」って書きたかったけど「続き書けるか?」と自分に聞いたら現実逃避しようとしたのでやめました。


今回題材にしたのは、ハイチのヴードゥー教における死のロア、ゲーデです。(ロアはヴードゥー教における精霊)

賢明だけど下品で陽気でボロい燕尾服に山高帽被っててサングラスしててラム酒と葉巻に目がなくて死者の事なら何でも知ってるというなんだか食えない設定に「なにこの設定、素敵だわー」となり、サラサラっと書き上げました。と言いたいけどサラサラっとはいきませんでした。嘘吐きましたごめんなさい。

ちなみに、ゲーデは本文で書いた事の他に、他の宗教の神々の儀式の邪魔をするとか、彼に頼めばゾンビを作れるとかいうスキルを持ってたりします。流石呪いが主流の宗教やで!

永遠の交差点の資料は無かったのでそこらへんは全部創作です。勉強不足です。


どうにか間に合わせようと急いで書いていたので、虫酸が走るようなかなり詰めの甘い所がいくつかありますが、大目に見て下さい。


ちなみに、途中で使われているイラストはiPhoneのアプリArt Studio Liteを使って自分で描きましたと誤解の無いように言っておこう。

小箱と猫のヒゲ描き忘れたって事も書いておこう。

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