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Magicians Eater  作者: ransu521
第一章 『虚ろな使者』
1/4

プロローグ 大火災

今からおよそ数十年前の話。

とある一軒家が全焼した。


「あ、ああ……!!」


消えて行く。

炎の中に、どんどん飲まれて行く。

かつて彼らが過ごしてきた幸せな日々が、焼け尽きていく。


「だめ、だよ……止まってよ……」


燃える我が家を目の前にして、地面に座り込んで小さく呟いているのは、一人の男の子だった。

男の子の隣には、泣きながら抱きつく妹がいた。


「おにいちゃん……こわいよう……」


これは、とあることがきっかけで起きた事件。

この家をはじめとして、周辺家屋を巻き込む程の大火災となる。

その、ほんの数分前の話。


「もえ、ちゃう……もえちゃう!!」


男の子は何もすることが出来なかった。

あまりにも力がなさ過ぎた。

仕方のないことなのだ。

はじめて起きる事態に対して冷静に処理できる人間なんて、ほとんどいない。

それが思春期を迎えないような子供ならなおのことだ。

それに、彼は決して手を出してはいけなかった。


「ぼくのせいだ……ぼくのせいで、こんな……」


男の子は、何度も呟いた。

この火災は自分のせいだ。

あの時馬鹿な真似をしなければ、こんなことにはならなかったのに。

今となっては、もう手遅れ。

過去をやり直すことなど、奇跡でも起こらない限り出来やしない。


「父さん……母さん!!」


燃える家には、彼らの両親が取り残されていた。

この日、男の子はとある罪を背負うことになる。



――それは、親殺しという罪。



「うわぁああああああああん!!」


泣き叫ぶのは妹の方だった。

自分の身に迫っている危機、家族を失うという現実、それらが幼い身体に一気に押し寄せてきたのだ。

耐えられるはずが、なかった。

だが、それは男の子も同じことだった。


「こんなの、嫌だ……ぼくは、ぼくは……!!」


そこで、この光景は唐突に消える。

一気に暗闇に覆いかぶされ、意識が遠のいて行く。



――そして、少年はいつも通りの朝を迎える。



はじめての人は始めまして。

お久し振りの人は……本当にお久しぶりです。

ransu521でございます。

このサイトに投稿するのは本当に久しぶりです……先が長かった……。

さて、今回投稿しましたのは『Magicians Eater』です。

今まで連載してました『Magicians』シリーズの前日譚となる物語です。

主人公は『三矢谷瞬一』ではなく、『宇木上拍斗』という新たなる人物となっております。

今までの作品だけでは語れなかった部分等もやっていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願い致します。

また、この作品の連載に伴いまして、『Magicians Circle』のリメイク版も投稿したいと思っておりますので、そちらの方もどうぞよろしくお願いします。

では今回はこの辺にて。

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