25 中高年の恋愛論から人生論へ(あとがきに代えて)
これまで恋愛についてはともかく、
不倫やSEXについては、
頭から不道徳な問題と決めつけたり、
恥ずかしい問題として、
とかくタブーとしてしまう傾向がありました。
しかし最初からタブーと決めつけて
問題を封印しても何も問題解決にならないことは、
もはや説明は不要だと思います。
この問題は決して小さい問題ではありませんが、
当然のことですが、
人生の問題の全てでもありません。
恋愛やSEXについて勧める文章を書いておきながら
矛盾することを言うようですが、
恋愛もSEXも
人生の中の一つ問題に過ぎないわけであり、
人生にはもっと深刻な問題も
たくさんあることも事実です。
まず今日食べられなければ、
収入がなければ、
住むところがなければ、
健康でなければ、
恋だのSEXだの言っていられるはずがありません。
またそういう問題がないとしても、
人生に情熱を傾けることはたくさんあるわけであり、
なにも恋やSEXをしていないからと言って
心貧しくなるわけでないことも
言うまでもありません。
全ての人が恋愛する必要もないわけです。
SEXしたくないという方はしなければいいのです。
ただ中高年にとって
生活を豊かにする選択枝の一つとして
恋や豊かなSEXというものもあるにも関わらず、
それをタブーとするのは誤りだと思うだけなのです。
いずれにしても
もう少しオープンな議論が出来ないものかと
前から思っていましたが、
少しはそれも出来たような気がします。
従ってこのエッセイも
このあたりで一区切りつける時期にきたと感じています。
これまでこのエッセイを書きながら感じたことは
単に恋愛やSEXの問題だけととらえないで、
中高年の生き方についての問題として
とらえるべきではないかと言うことでした。
どうしても中高年の恋愛やSEXの問題は、
中高年の生き方を
どう考えるかの問題と
切り離すことが出来なくなっていきました。
考えてみればこれは当然のことでした。
恋愛もSEXも大切な相手との関係の問題であり、
特にSEXは相手との
コミニケーションの重要ではありますが
手段の一つに過ぎません。
しかし自分にとって大切な相手との
コミニケーションや人間関係の問題が
人生の問題のなかで
大きい位置を占めていることは
明らかです。
そして当然のことですが
大切な人間関係は恋愛関係だけではありません。
それに恋愛について言えることは
人生の諸問題についても言えることが
多いことにも気がついたのです。
恋愛論やSEX論は
自然に人生論に近づいてきた感じがあるのです。
従って私としては恋愛論、
SEX論はそろそろ卒業して
中高年が抱える問題を
もう少し広く考えてみたいと思うようになりました。
それがどのようなものになるかは
今のところ見当もつきませんが、
また新しい作品としてお目にとまったときは
よろしくお願いしたいと思います。
最後になりましたが
このような拙いエッセイを
読んでいたことに改めて感謝の意を表したいと思います。
ありがとうございました。




