22 中高年の恋とSEXに対する偏見
このエッセイを書いてから
メッセージを寄せてくださった方が現れました。
その方がいわく、
「男性のSEXは排泄に近いものがある」
「女性のSEXは恋愛感情がついて回る」
「男性の場合せつなてきな感情でそれに至る」
「性欲を感じる時が男性の恋愛」
という御意見です。
たぶんこのような御意見は
まだまだ女性の方に多いのだと思いますが、
それを堂々と公表されるという勇気には
まず敬意を表しなければいけないと思います。
それと同時にこのような
男のSEXに対する御意見
(私は偏見だと考えますが)
を持つようになった原因は
どこにあるのか考え込んでしまいました。
私が思うには
SEXについて
この方は知りませんが
このような考えを持つようになった女性は
たぶん相手の男のSEXが
そのような「排泄のような貧しいSEX」
しか出来ない男しか知らないので
このようなご意見をおもちになったのだと推察します。
どうして男のSEXが
恋愛感情がなくて出来るのか
私には理解出来ませんが、
世の中にはそのような男もいるのかもしれません。
そしてきっとそういう男しか
巡りあわない女性が
そのような偏見を持つようになるのかもしれません。
この方は男のSEXというものを
どうも「下半身」ですするものだとお考えのようですが、
私はSEXというものは
「上半身」すなわち心や頭でするものだと考えています。
動物ならばいざしらず、
文化というものを持った人間は
本能のままで行動するものではありません。
人間の男は巡りあった特定の女性を愛しいと思い、
その女性と結ばれたいと思うのです。
人間の心と身体を分けるなんてことは
出来ないわけですから、
スキンシップを求めるようになり、
その延長としてSEXも含まれてくるものだと考えています。
まして中高年になれば、
単純な性的欲求ではSEXは出来ないのです。
またこの方のご意見は
老年期のSEXについてもあるようで
「性の目的(狭義での性関係)なら年齢制限がつくだろう。
まだまだ出来ると自慢する老年期の男性がいるけれど
そんなこと自慢にならない」
と言われています。
老年期になったら
もうSEXは卒業しないさい
と言われているように私には聞こえてきます。
これは老年期のSEXに対する
これまでの偏見からなにも進歩していないお考えです。
老年期のSEXを汚いと考え
早く枯れなさいと言わんばかりです。
これではこれからの高齢化社会には
たぶん対応できなのではないでしょうか。
どのような欲求でも
それを古い倫理で決めつけるだけでは
問題は解決しないのです。
きちんとそれぞれの個人の願いを受け止めて
それをどのように援助してくことを
ていねいに考えていくことが
これからは必要ではないでしょうか?
この方は続けて言われます。
「老年期には老年期の性がある。
ふれあうだけでいい。
(中略)
茶飲み友達というのはなんとも退屈だけど
まあその中間ぐらいがいいだろう」
と御親切にもアドバイスされています。
私は茶飲み友達というのも悪くないと思います。
年齢を問わずコヒーカップを傾けながら、
いろいろなことを語り合うのはとても楽しいことです。
なにも高齢者だけの特権ではありません。
ただこの方はとても良いことも言われています。
「なにもかも挿入だけが
性の密着だとは思わないほうがいい。」
という部分は大賛成ですね。
SEXを「挿入して射精」
という図式で考えているとすれば
それこそ貧しいSEXだと私も考えています。
もっとSEXは
身も心も総動員した豊かなものであるはずで、
それぞれの方が持っておられる
文化的、身体的な状況にあったものになるものであり、
まさに個性的な営みであると思います。
最後に
このような男や中高年のSEXに対する
貧しい考えを持っている女性がいるということは
男の側にも責任があると痛感しています。
世の中の男は
もっと女性の心理と身体を研究して
理解を深めて
相手の女性が
本当のSEXの喜びを知ることが出来るように
努力する必要があるのではないでしょうか?
そしてそれは人生における豊かな経験を持つ
中高年の男こそ可能なのではないでしょうか?




