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7 温泉に行きましょう。

プライベートで上司に出くわすって、結構気まずくないですか?

日曜日の午後、温泉SPAで八雲課長と出くわした。


身なりに気を使うようになってから、三浦がいうとおり、体型も気になり始めダイエットを始めた。

30年以上生きた経験から、劇的な体重の変化を望めないのは確信していたため本当に生活習慣を少しずつ改善するようにしている。

体重が減れば御の字。それよりも健康に気を使おうと言う感じだ。

最近は近場の温泉巡りにはまっていて、日曜日はどこの温泉にいこうといそいそと情報を集めていたりする。

そして、ここの温泉は新しくできたばかりという事だったのでいそいそと足を運んだわけだ。


大宮駅から少し離れた場所にあるそこは、バリ風の凝った内装と濁った泥のような温泉が評判で、大きな岩盤浴スペースがあるため大変な人気になっていた。

その岩盤浴で、寝ころぶ八雲課長とばったり出くわした訳だ。



「・・・お疲れさまです。」

なにが?っという感じだが、いつもの調子で挨拶が口からでた。いつもより、すっごい小声だけど。

「ああ、お疲れさま。」

若干八雲課長も気まずそうに答える。

「ここ、いいですか?」

大判のタオルをしいてしまったため、これからでていくのも不自然だろうと開き直って横になった。

場所を移ろうにも、こう混雑してしまっていては場所がない。

「もちろん。」

それだけいって、八雲課長はうつ伏せになった。


私もよけいな事は話さずうつ伏せになった。

顔の前にはしきりがあり、左右の相手と視線が合わない作りになっている。

うつ伏せになって、木製の枕に頭を当てるがなんとも収まりが悪い。

実は、私はうつ伏せでいるのが非常に苦手だ。


ちらっと八雲課長を見ると、ずーっとうつ伏せでいる。

私はあきらめて仰向けになって目を閉じた。




そういえば、将吾もうつ伏せで寝るのが好きだった。

そんなことを考えていると、先日の大戸の言葉がよみがえる。

「草食動物になめられているみたい。」

若い頃。本当に付き合って3年目ぐらいは私たちもそういう睦あいをしていた。付き合って年数がたつごとに穏やかなものになっていったけど、私はそれが心地よかった。

今になって考えると、将吾は私の体に飽きたからそういうおざなりな抱き方になったのだろうと思うけど。


私は行為の後本を読んでいる彼の背中に頭を乗せるのが好きだった。

彼の背中に耳を当てると彼が生きている音が聞こえるから。

まぁ、行為の後すぐに本を読むなんてなんたることだと三浦に話したら怒られたけど、私はそれでもよかったのだ。

もう、恋に盲目という年ではないと思っていたけど、十分盲目だったのだなぁと思う。


髪の毛の間を汗が伝う。


いつの間にか少しうたた寝をしていたようだ。

いつの間にか隣の八雲課長はいなくなっていて、私はちょっとふらつきながらドアの外にでた。

クールダウンの部屋に入ると、汗が一気に引き肌が引き締まるのを感じる。

すっかり冷えきった体をアジアンテイストの椅子に腰掛け休めていると、常温のミネラルウォーターを差し出される。


「ありがとうございます。」

八雲課長にお礼をいい、私は椅子の端っこに座り直す。

そのスペースに八雲課長は腰を下ろす。

「社会人生活長いけど、同じ会社の人とプライベートでばったりでくわしたの初めてだわ。」

八雲課長は笑いながら話す。

「私もです。八雲課長はこちらによく来られるんですか?」

「ここは初めてだね。この年で独身で温泉巡りが趣味だっていうと笑われちゃう?」

茶目っ気たっぷりに八雲課長は聞いてきた。

「それをいわれちゃうと、私もこの年で温泉巡りに目覚め初めてますから」

髪を下ろした課長はふつうの男の人で、すごく話しやすかった。

男の人が汗をかく姿がセクシーだと思ったのも初めてだ。


なんとなく、週末はジムとかで鍛えていそうだと思っていたので温泉に来ている意外性もうれしかった。


はい。

キャラクター設定に負けした。

八雲さん、標準語にシフト。

もし方言が残っていたら教えてください。


だめですね。

やっぱり全部書ききってから公開するべきでした。


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