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話しかけられる
最初の会話は、他愛もない話だった。
「ねえ、バスケットボールしてるの?」
彼は、眉間に皺を寄せ頷く。
「私、やってみたくて。」
「いや、お前は背が低いし、向いてない。」
確かに、運動はことごとく向いていない。私は、そうだよな、と頷いた。
「今日、見に来いよ、部活。」
自然と頬は緩んでいた。満面の笑みで、頷いた。
「それよりさ、お前見に来る男達、うざくないの?」
困った顔で、頷く事しか出来なかった。
「俺が言ってやるよ。今日、バスケ見に来たらな。」
私は、心臓が破裂するくらいバクバク音を立て、胸を押さえた。
「見に来いよ。俺、頑張るから」
頷いて、見上げると彼の顔は赤かった。




