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犯人
「だからー!俺じゃないって!」
あーもう、と呆れる昭仁。
「だって!今日楽しかった…って!」
窓の外を見ていたら、ポストに何かを投函する男を見つけた!
携帯電話を持ったまま、階段を転がるように降り、外に出たらまだ近くにいた。
その腕を掴んだ。
振り向いた顔に、私は驚いた。
佐藤だった。
「豊田さん!!」
相手は、急に抱きついてきた。振りほどく事が出来ない力で、気付いたら叫んでいた。
「助けて!昭仁!」
まだ切れていなかった携帯電話。
「今からいく!」
大きな声で、叫んでいるのが聞こえた。
キスしてこようとする、顔を必死に反らして、お願い、早く着てと心で叫んだ。
気づいたら、佐藤が倒れている。
目の前には、息を乱した昭仁が拳を握っていた。




