うわぐつ
家に帰宅して、小さい箱を開けた。小さな紙が沢山入っていて、好き、愛してると全てに書かれていて、私は凍りついた。
気持ち悪い。即座にゴミ箱に、親に見えないよう紙で潰しながら、丸めて捨てた。
次の日、学校に行くと下駄箱が騒がしい。
「豊玉ちゃん!上靴見ないほうがいいよ」
そう言われたが、見てしまった。
愛してる 好き 大好きで埋め尽くされた上靴に書かれた字。
そして、片方はなくなっている。
思わずフラリと来た私を、大きな手が支えた。
「豊玉、なんだこれ!」
ちょうど登校してきた昭仁の顔を見て、安心して泣いてしまった。
「ほら、泣くな」
青色のヴァレンチノのハンカチだった。受け取れずにいると、彼は私の涙を拭いた。やっぱり、石鹸の良い香りがした。
学年で問題になり、私には犯人の目星がついていた。しかし、言えなかった。
「大丈夫か?」
隣の昭仁が心配そうに、覗き込んでくる。
私は俯いた。本当は、昭仁が嫌がらせでしたの?
疑い深くなり、この日は早退した。
家でバックを開けると、知らない紙が入っていた。開くと、殺したいくらい好き。でも、私は相手にされない。殺したい。恨んでるよ。
誰、誰が書いてるの?なんで私なの?昭仁の恨みなの?
紙を封筒と共に破ろうとしたら、手に痛みが走り、血が流れた。中身をよく見ると、カッターナイフの歯が、五個入っている。
血が流れる手で、無我夢中で鋏で切った。気づいたら、冷や汗と涙が流れていた。




