寄ってきた人
次の日、学校ではお祭り騒ぎで、付き合ったんだー!と、皆キャーキャー騒いでいた。
そして、ノリノリの昭仁と、ちょっと騒がしいのが嫌な私。
昼休み、疲れると来る大きな木の前で、私は仰向けになっていた。ジリジリ蝉が鳴いて、うるさいなあ、とため息をついた。
「寝てたら襲われるよ」
ふと目を開けると、佐藤がいた。
「知ってる?昭仁って、豊玉さんのお金狙いなんだって。」
「どういうこと?うち、普通の家だよ!」
「大手務めで、役員なんでしょ?お父さん。」
「うん。」
「昭仁のお父さんは、自動車の整備工場で、経営うまくいってないらしいよ。」
「お金目的じゃないよ!」
「金持ちで、一人っ子だしね。って、昭仁が言ってるの聞いたんだ、僕。」
今、冷静に考えたら、多分全て嘘とわかる。当時は、信じてしまった。
生温かい風が吹く中、私は昭仁を探しに行った。
廊下で、友人の今野と話していた彼の腕を掴み、図工室に入った。
「この嘘つき!大嫌い!」
背伸びをして、頬を叩いた。
向こうは、衝撃を受けて、固まっていた。
「私と別れて!お金目的なんでしょ!」
「はあ?なんでお金目的になるの?」
「聞いたもん!だから、私と別れて!別れて!」
「わかった。別れる。でも、嘘だってわかってほしい。」
「無理!さよなら。」
私は図工室から、教室に戻り、まだラブラブだと騒いでいる周りに腹が立ち、バッグを持って、無断で帰宅した。
自分の部屋に籠り、小さくなり、泣いていた。




