7月
クーラーがついて、それでも昭仁は暑い、暑いと下敷きで仰いで、半袖を巻くり、タンクトップにしていた。少し、腕が太くなった気がする。
私は、寒くて膝掛けをしていた。
「ねえ、明後日の夜さ、二人でどっか行かない?」
プライベートでの約束は、初めてだった。
「…花火大会行かないかなーって。」
横を向いた彼の耳が赤い。
「行く!でもさ、私…」
自転車に乗れないと言うのが恥ずかしかった。怪我をしたら危ない、という理由で乗ったことがなかった。
「自転車…乗れないから、会場までタクシーで行くね。」
「俺の後ろに乗ればいいじゃん。」
そして、花火大会の日になった。待ち合わせ場所に行くと、既に彼は待っていた。白いシャツにジーンズ。それが、様になるスタイル。
私は、お気に入りの花柄のワンピースで手を振って歩いていった。
「門限9時だって」
「ねえ、花火セットも買ってきた」
笑う無邪気な顔。その自転車の後ろに乗り、私は怖い怖いと叫びながら、ウエストに手を回した。
私と同じくらいなの?と思うくらい、細かった。
「昭仁、身長伸びた?」
「うん。178だから、入学からは3センチかな。豊玉は?」
「嫌だ。伸びたけど、何センチかは言いたくない。」
俺は言ったんだから、答えろよというので、148と言うと、チビだなと笑う声が聞こえた。
「30センチ差か。」
自転車のスピードにも慣れて、話しながら、会場に向かった。




