英語
体育終わり、隣に座った昭仁から、ふわりと良い香りがした。汗拭きシートを使ったようだ。
体育終わりの英語。英語が嫌いな彼は絶対寝るだろうな、と思っていたら、案の定寝た。起こそうとした瞬間、寝顔が可愛くて、起こすのを辞めた。まつ毛が長くて、無防備な姿にため息が出た。
「アキヒト、オキナサイ!」
ガタイの良いアメリカ出身の先生は、片言でそう言って、こっちを見ている。
私は、肩を揺すり、起こすが、全く起きる気配がない。
「起きてって!」
背中を思い切り叩いたら、痛!とやっと起きた。
ため息をついた先生は、何も言わず、授業を再開した。黒板に集中していると、隣でまた、コックリコックリ寝そうになっている。
私は、手の甲に爪を立てて起こした。
「何でいつも、痛い起こし方なの?!」
「起きないからよ!」
小声でそんなやりとりをしてるのを、周りはニヤニヤしてみている。
「私、お母さんじゃないんだからね!」
「いや、母ちゃんみたいなもんだよ。」
どういうことよ!小声のつもりが、段々声が大きくなっていたらしい。
「ヘイ!ソコ、コレカキナサイ!」
どうやら、黒板の英文の括弧を埋めなさいという話らしい。
昭仁が、行かなかったので、私が書くことにした。英語は幼稚園から習っていた。だから、間違えることなく、全て正解した。
「トヨタマ、アタマイイネ!」
サンキューといい、席に戻ると、何もしていない昭仁がガッツポーズしてて、呆れてため息が出た。




