噂
「ねえ、豊玉、この裏に居たんだね…ヤバい。」
「多分、全部聞こえてんだろうね。」
友人くん、その通りです。と思いながら、また聞き耳を立てた。
「しかも、今告白されてたよね。あー、もう!」
「だから、お前も早くしろよ!」
ため息が聞こえ、絵の途中だった!と、慌てて絵を描いた。我ながら、下手くそな絵である。
先生の集合の合図で、道具を片付けて、走って向かった。しかし、慌てすぎて、大げさに転けてしまった。恥ずかしさに顔を上げられなかった。
「大丈夫か?!」
友人や昭仁、そして先生まで来て、散らばる道具を片付けていたが、顔を上げられなかった。
大丈夫か、と大きな手が私を引っ張り上げた。
「うわ、先生!膝めっちゃ血でてます!」
昭仁が、そう叫んだ。
あんなに手が大きいんだ、と小柄な私は驚いた。
そこから、制服のスカートを少し上げ、消毒等の手当てを受けた。
「歩けるか、豊玉。」
足も挫いていた為、歩けなかった。
「学校まで、昭仁!おんぶしてやれ。筋肉つくぞ!」
担任は、バスケットボールの顧問である。
「いや、逆に俺で良い?」
うん!と言うと、いとも簡単に私を背中に乗せた。先生と周りはニヤニヤしながら、こっちを見ている。
「重くない?」
華奢ではあるが、人間である限り重いに違いない。
「全然。ちゃんと食えよ。」
学ランから、ふんわり良い洗剤の香りがして、酔いそうになった。




