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せっかく授かったラッキースケベが思ってたのと違う〜授かった瞬間に裏切られた〜  作者: 那須 儒一
五章 奪還編

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疾風怒濤?

王都の西門前では既に戦いの火蓋が切って落とされていた。


城門前に立ち並ぶライザルド兵と魔王軍の混合軍。

ミザリアが放った火花を合図に、

平原に立つアグリアス一行を目掛け、勢いよく進軍する。


緑の平原が黒に染まる。


「オーク、ゴブリン、サイクロプス…

もはやバルフォネアの騎士や兵士は一人も見当たらないな…」

アグリアスはこの絶望的な状況で余裕の笑みを見せている。


「これでようやく、借りを返せますね!

殿しんがりは任せてください!」

ジェーンはグローブをはめ、指をポキポキと鳴らす。


「ぜぇぇぇぇあああ」

物凄い雄叫びを上げ、ジェーンが先陣を切る。


「ねぇ、あの子一人で行かせていいの?」

ミザリアが少し不安げに言葉を漏らす。


「大丈夫よ。見てなさい! 

ジェーンは強いんだから!」 

ステラの視線の先――ジェーンが飛んだ。


彼女は拳を握りしめ、大軍の中に強烈な一撃を振り下ろす!


ズドンッ!

巨大な土煙と共に、ライザルド混合軍が吹き飛ぶ!


「――なぁ、今ので三分の一は倒せんじゃ…」

あのデュナンでさえ目を見開いている。


「お姉様、来ますわよ!」

ジェーンが撃ち漏らした敵が、アグリアスに迫る。

カサンドラもショートソードを抜き臨戦態勢に入る。


「うにぁお!」

既に化け猫モードのネコショウが迫るゴブリンやオークたちを蹴散らしている。


ネコショウは退魔の剣を尻尾で持ち、斬り払う。


開幕の勢いのまま戦況は優勢かに思えた。


――その時、空から災厄が舞い降りる。


赤い髪に青い肌。かつての仲間の姿が、竜巻と共にネコショウの行く手を阻む。

「魔王軍七幹部が一人、災渦のリザリー

――参る!」


「うにやぁん!」


「ネコショウ、落ち着いて! 僕がついてる!」

ネコショウの頭の上にデュナンが飛び乗る。


「やあ、リザリーさん、相変わらず綺麗だね」


「デュナンか、ふん、その減らず口いつまで持つかな?」

デュナンの剣とリザリーの手刀が火花を上げて交わる。



戦場は、もはや一箇所ではなかった。

人の怒号、魔物の咆哮、魔法の爆音が、

王都西門前の平原を幾つもの戦場に引き裂いていく。



先陣でライザルド混合軍を蹴散らす、ジェーン。

彼女の一挙手一投足で敵が吹き飛ばされていく。


グニュン…。

あり得ない感触に、ジェーンの眉がわずかに歪んだ。


「なんです…これは!?」


薄ピンクで半透明の半魚人がジェーンの拳を素手で受け止める。


「魔王軍七幹部が一人…軟海のウェルマー…」

謎の半魚人が、ぼそっとそれだけこぼす。


「なんです…こいつ、気持ち悪い」

ジェーンが再び殴りかかるが、ウェルマーの体に触れる瞬間、拳の威力が完全に殺される。


「な、ひっついて離れないです!」


動けないジェーンに追い討ちをかけるように

兵士たちが槍を構え、距離を詰めてくる。


「熱魔法・火達磨ヒートボール!」


ウェルマーに火の手が上がる。

捕まっていた、ジェーンにも炎の熱波が届く。

「ちょ、ミザリアさん、熱いですよ!」


「ぐぅぅぅぅ~」

直後、ウェルマーが悲痛な叫びをあげると、体が液体状に溶け出し、引っ付いていたジェーンの手足が離れる。


「やっぱり、こいつ熱に弱いみたいね」

ミザリアがジェーンの援護に入る。


手足が自由になった瞬間、迫る黒兵たちを蹴り飛ばす。

「ぐぁぁぁぁぁ!!」




戦況が拮抗する中、

アグリアスとカサンドラ、そしてステラは後衛で打ち漏れた混合軍の相手をしていた。


突如、南東から黒い軍勢が現れた。


「――者共、突撃!」

黒いガントレットを装着している黒兵を先頭に敵の援軍が押し寄せてきた。


「はぁぁぁぁぁ! 覇光斬・聖剣墓標群せいけんぼひょうぐん!」

無数の光の墓標が地面に突き立てられ、黒兵の進軍を阻む。


「風魔法・鎌風かまいたち…」

ステラも短剣を構え、必死に魔法で援護する。


突如、先頭の黒兵が、黒いガントレットで光の墓標を弾き、アグリアスの前に飛び出してきた。


褐色の肌に黒髪の大男。鍛え抜かれた肉体から歴戦の勇士であることが窺える。


「ライザルド公国・第四師団隊長・黒鉄くろがねのガルダ、尋常に手合わせ願おう!」


「私は、バルフォネア王国・オルトロス騎士団副団長・アグリアス・ライオット・ホーン! 求めに応じよう!」


苛烈を極める戦場は、なお終わる気配を見せなかった。

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