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せっかく授かったラッキースケベが思ってたのと違う〜授かった瞬間に裏切られた〜  作者: 那須 儒一
五章 奪還編

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開戦?

――正午、陽光に照らされた王都のバルコニーに、影が落ちる。


デュナンの風魔法により、俺は王都のバルコニー目掛け、飛び込んだ。


――勢いままに、決め台詞と共に初対面のバルメトロ王を殴り飛ばした。


「あっ、やっちまった」


「りょ、リョウカさん…!!」

背後からエアリー王女が飛びついてきた。


「感動の再会は後だ! 逃げるぞ!」


すぐさまエアリー王女を抱きかかえ、バルコニーから飛び降り、民衆の中に紛れ込む。


ドンッ!!

直後、激しい爆発音と共に――


王都上空に綺羅きらびやかな無数の火花が打ち上がる。


お、ミザリアたちも派手に始めたみたいだな。


混乱する黒い甲冑の兵士たち。

「敵襲っ―――!!」 

「エアリー王女を攫われた!」

「いや、そっちじゃない!城門前に化け猫が現れたぞ!」

「なんだと…魔王軍は味方じゃないのか?

くそっ、なにがどうなっているんだ!」


混乱の最中、民の間をくぐり抜け城の門を目指す。


「リョウカ様…まずいです!」

直前で王都の前庭の門が閉じられようとしてる。



次の瞬間、上空から剣閃が飛び、門を吹き飛ばす。


この剣圧…アーサーか! 

危ねぇ、幸いにも攻撃は逸れた。


「なにをしている追え!!」

バルコニーからアーサーの怒号が飛ぶ。


アーサーもエアリー王女や民衆を巻き込むような派手な技は撃てないだろう。


――よし、目論見通りそれ以上の追撃は無かった。


俺たちの作戦はシンプルなものだ。

エアリー王女を救い婚姻の儀を反故にして、王都内を撹乱かくらんする。

同時に、俺以外の仲間は王都前で陽動かつ真っ向勝負を挑み、俺とエアリー王女が王都から逃げ出す隙を作る。


無謀もいいところだ。

――おおよそ作戦なんて呼べる代物ではない。


だが、事は思うようにはいかなかった。


酒場の前まで走ったところで、

増援に現れた黒い甲冑たちにあっという間に囲まれてしまった。


「どこの馬の骨とも知らんが…王女様を返してもらおう」

兵士の一人が槍をこちらに向ける。


そうだここにいる黒い甲冑はライザルド公国の兵。俺を知らなくて当然だ。

少しでも威圧して、逃げる隙を探さないと。


「ふ、俺を誰だと思ってる。先月、天頂トーナメントを圧倒的な実力で優勝し、魔王軍幹部の変面のカリスを打ち倒した――」


兵士たちは俺の口上におののき後退りをする。


「…そうだ。こいつ見たことあるぞ!」

兵士の反応が伝播する。


ここにきて、王都での活躍が役に立つとは。


――いける。今なら、押し切れる。


勝機が見えそうになった直後、

見覚えのある、長いブロンドのウェーブを揺らすバニーガールが酒場から出てきた。


「ちょっと、騒がしいわね! あっ、バルフォネアの変態じゃん!」


「まさか、天頂トーナメントの実況をしていた、メアリーちゃん! 今、大事なところだから邪魔しないでよ!」


彼女の登場で兵士たちの空気が一変する。


「バルフォネアの変態、聞いたことがあるぞ。王女に猥褻な行為をしたり、市民に暴行を働いたり…悪虐の限りを尽くしたという…」


「俺も聞いたことがあるぞ――」「俺もだ―」

「俺も」兵士たちは口々に俺の悪い噂をあげる。


「なんだ、驚かせやがって、ただの変態じゃねえか!」


なんで、別の二つ名の方が有名なんだよ!

ここにきて、バルフォネアでの悪名が足を引っ張るとは。

これじゃあどっちが悪者かわかんねえよ。


「リョウカ様、フォローできなくてすみません」


「エアリー王女、その言葉が一番キツい」


兵士たちは槍を構えじりじりと詰め寄る。


「え、なになに!?」

メアリーは目を瞬かせていた。


万事休す。ここまでか…。


「もう、よくわかんないけど―結界術・四点方陣」

メアリーが片手を上げると、俺たちと兵士を透明な壁が区切る。酒場の四方を結界が囲む。


「な、なんだこれは!」

兵士たちが、槍を突き出すが、透明な壁に阻まれる。


「ほら、こっちよ!」

メアリーに案内されるがままに酒場へと逃げ込んだ。



一方、王都西門前――大量の異形の兵と黒い甲冑の兵が仲間たちを迎え討つべく集結していた。

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