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せっかく授かったラッキースケベが思ってたのと違う〜授かった瞬間に裏切られた〜  作者: 那須 儒一
二章 新居編

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ステラコラサス?

エアリー王女が屋敷で暮らすようになり、

定員オーバーとなった結果、リザリーとネコショウが同じ部屋で寝ることになった。


……よくよく考えたら、ネコショウって猫になれば人間用のベッドはいらないよな。


屋敷に越してきた初日、

俺がわざわざ地下室で寝る必要なんて、なかったんじゃないか?

――と、今さらながら愚痴をこぼす。

 

食堂で朝食を取りながら、そんなことを考えていると。


バンッ!

アグリアスが勢いよく、食堂の長机に手を置いた。


「皆に提案がある!」


一呼吸おき、ゴクリと唾を飲み込んでから切り出す。


「今までは食事担当をネコショウにお願いしていたが、今後は当番制で回そうと思う」


「なんでだよ?」

……またアグリアスが面倒なことを言い出したぞ。


「それはだな。

一日三食、おやつまで全て焼き魚だからだ」


「言われてみればそうね……」

ミザリアはどうでもよさそうに欠伸あくびをする。


「すみません……私が好きな物を作っていました……」

ネコショウは申し訳なさそうに頭を下げる。


まぁ、猫だもんな。

仕方ない。


「確かに肉も食いたい……」

リザリーはよだれを垂らしながら、指を咥えて頷く。


「居候の身で申し訳ないですが、私も栄養が少し偏っているかと思います……」

恐る恐る手を挙げながら、エアリー王女も賛同した。


「ただな……」

俺は一度間を置いてから言う。


「アグリアスは当番から外した方がいいぞ」


「おい!」

アグリアスが再び机を叩く。


「――リョウカ、貴様……何が言いたい。

遠回しに私の料理が不味いと言っているのか?」


「いや、香りはいいんだけどな。

……味がしないだけで」


「お姉様の料理は繊細なんです!」

カサンドラがすかさず庇う。

「庶民の口に合わないだけですわ!」

……フォローになってるか、それ。


「この際だから料理対決でもして、担当を決めたらいいんじゃないかな」

デュナンがもっともらしく言う。

「さすがに料理が出来ない人が担当になっても、

みんなが不幸になるだけだから」


ナイスフォロー……なのか?


「それいいな!」

俺は勢いに任せて頷いた。


「ただ、不味い物は食べたくないからペア対抗でいこう。二人いれば、さすがにまともな料理が出るだろ」

――俺はこれが、特大級のフラグだったことに、

この時はまだ気づいていなかった。


「組み分けはどうする?」


「八人四組ですから……ステラコラサスで決めましょうか」

ミザリアがさらりと言う。


一瞬、カサンドラとミザリアの視線が交わった。

嫌な予感しかしない。


「ステラ……何だって?」


「あなた……ステラコラサスを知らないの?」

ミザリアが眉を上げる。


「――本当に人間?」


「ミザリアさん……人間で間違いないです」

エアリー王女が小声でフォローしてくれる。


「リョウカさん、私の真似をすればいいだけです……

私と同じポーズをするんですよ」


……なんか、今日は押しが強くないか、この王女。

同じポーズをすればいいんだな?


「エアリー王女!」

デュナンがキメ顔で割り込む。

「不正を働くのはやめていただこう。

ここは正々堂々と、リョウカくんの――伴侶を決めようではないか」


「なんだ、伴侶って!?」

俺は思わず声を荒らげる。


「てか、お前らさっきから何を言ってんだよ!

ルールを知らない俺の前で、変な駆け引きすんなよ!」


「では、者共。準備は良いか!」

リザリーまでノリノリだ。

お前までかよ……。


「「ファルチェ!!」」

俺以外の全員が、よく分からないポーズで立ち上がる。

ある者は人差し指を天へ。

ある者は腕で十字を作る。


「ふふふ……皆さん、やりますわね」

カサンドラが不敵に笑う。

既に戦いは始まっていたようだ。


次の瞬間、腰を振りながら、

俺以外の全員が両腕をぐるぐると回し始めた。

「「ステラコラサス!」」

「「ドルチェ・ハァンギル・サルファ・メルト!」」


……もう、好きにしてくれ。

俺は呆れ顔で、その異様な光景を見守るしかなかった。

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