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せっかく授かったラッキースケベが思ってたのと違う〜授かった瞬間に裏切られた〜  作者: 那須 儒一
一章 王都編

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迷子の子猫?

ふぅ……朝日が眩しい。

生きて朝を迎えた、という実感が遅れてやってくる。


なんだ、体が重い。だけど……誰かの温もりを感じる。アグリアス……か?


昨夜までの戦いが夢だったかのように、感覚が鈍い。


目を開けると――

デュナンが下着姿で俺に足を絡ませていた。


「うぎゃぁぁぁぁああ!!」


完全に想定外の光景だった。


「どうしたの!?」

勢いよく扉が開き、ミザリアが慌てて飛び込んでくる。そして、俺とデュナンの密着を見て――


「あら……あなたたち、そういう関係だったのね……」

ミザリアは“ごゆっくり”とだけ言い残し、静かに扉を閉めた。


誤解が訂正される未来が一切見えない。


「いやいやいや違う! 誤解だ!!」


「やぁ、リョウカくん。気持ちのいい朝だね!」

デュナンがアマイマスクでウィンクする。


やめろ。お前はヒロイン枠じゃない。

頼むから、そんな目でこっちを見るな。

 


「えっ!? 俺、五日も寝てたの……?」

気づけば、カサンドラの自宅のベッドに寝かされていた。


時間感覚が一気に現実へ引き戻される。


「そうですわ! あなたを運ぶの本当に大変でしたのよ。寝ているくせにイヤらしいことをしてきますから、デュナンに運ばせましたわ」


カサンドラがため息をつく横で、デュナンがキラキラした目で頷いている。


「ああ、リョウカくん……昨晩は凄かったね♡」

うっ…胃液が逆流した。


精神的ダメージが、肉体より重い。


「でも、アグリアスもリョウカさんを運ぼうとしたんだよね〜」

ミザリアが意地の悪い笑みで茶々を入れる。


「なっ、貴様! それは言わない約束だろう……!」

アグリアスは顔を真っ赤にして立ち上がった。


「アグリアス、キミには負けないよ!」

デュナンが真剣な眼差しを向ける。


「わ、私だって……!」


お前ら何の張り合いをしてるんだよ。


「ダメですわお姉様! くっ……リョウカのやつ……!」

四角関係(仮)が爆発寸前である。


完全に俺の知らないところで、戦線が拡大している。


「――あれ? ミザリアはなんでここに?」

ミザリアは机に頬杖をつき、小さく息を漏らす。


「……あの村では私、信用されてないのよ。

今回も真っ先に疑われて……もう、いたくないわ」

暗い影が落ちたその横顔を見て、胸が少しチクッとする。


ミザリアも俺と同じで居場所がないのか。


「それに……リョウカさんもいるし♡」

急に明るくなると、俺の腕に抱きつき、胸を押し当ててくる。

……うん、悪くない。


うっ、周囲の冷たい視線が痛い。


「あ、そういえばネコショウ見てないか?

体調崩してたから置いてきたんだけど」


無理やり話題を変えた。

この空気から逃げたかった。


「私の家も探したが見てないぞ」

アグリアスも他のメンバーも首を横に振る。


「ちょっと探してくる!」

俺は視線と修羅場から逃げるように家を飛び出した。理由は猫探しだが、本音は現実逃避だ。



町中を駆け回ったが、ネコショウの姿はどこにもない。嫌な予感が、じわじわと広がる。


まさか……町の外か?

門を抜け、ネコショウと魔王軍の女と戦った場所へ向かう。


一番、嫌な可能性だ。


すると――

言い争う声が聞こえてきた。


「うにゃあん!」


「彼は悪くないですって?

あなた、傷つけられたんでしょう!」


「にぁんっ!」


「私が我慢すればいい?

そんなことしたって、彼は振り向いてくれないわよ!」


「にぁおん」


「いつか振り向いてくれる?

甘いわね。あいつは女ったらしよ?」


「にゃあ!」


「自分だけは特別?

さっきこっそりアイツを見てきたけど……

また別の女の子を連れてたわよ?」


安い昼ドラみたいなセリフが飛び交ってる。

内容が酷いのに、なぜか切実だ。


声の方に近づくと――

ネコショウと、あの赤い髪に紫の肌の魔族の女が、

恋愛相談みたいな空気で会話していた。


「なっ!?」

俺に気付いた魔族の女が、殺気を放って臨戦態勢に入る。


――最悪のタイミングで見つかってしまった。

ここから先、絶対に面倒な展開になる。

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