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こいつを好きとかありえない!

作者: 柚湊

私の名前は唯華。

とつぜんだけど、私には好きな人がいる。こんな私の恋なんて、叶わないのはわかってる、それでも好きになっちゃうの...。

同じバド部になった隣のクラスの夏夜くん。ちょっとうるさいし、私のタイプではなかった。私はすごく惚れやすく恋愛体質だ。いつも自分でもありえない人を好きになるけど、この人は好きにならないな、と、そう思っていた。今まで一度も話したことなんてなかったし、夏夜くんも私の存在なんて知らなかっただろう。

3ヶ月後、私は足を痛め、そのきつさで部活をやめてしまった。仲良しの友達と一緒に部活ができなくなってしまった。だけど私は部活をやめた後も体育館へ行き、部活が始まるまで友達と一緒に遊んでいた。仲良しの春ちゃん、美帆ちゃんと話していると、バドミントンをしようという話になった。バド部の2人はラケットを持っているけど、やめた私は持っていない。そしたら美帆ちゃんが夏夜くんに「夏夜ー!ラケット貸してー!」と言った。美帆ちゃんと夏夜くんは同じ小学校で、仲が良いようだった。夏夜くんは、話したこともない私に、あっさりとラケットを貸してくれた。私の心が動き出したのは、これがきっかけだったと思う。いつも友達を馬鹿にして、元気に走り回って、うるさい人だったから、意外な優しさでキュンときてしまった。

それから、なぜかわからないけれど、春ちゃん、美帆ちゃん、夏夜くん、私の4人でよく話すようになった。夏夜くんと話すのはすごく楽しかった。話していくうちに、夏夜くんは優しい人だと分かり、ついに惚れてしまったようだ。(絶対好きにならないと思ってたのに〜!!)

ある日、私たち4人は恋バナをしていた。夏夜くんは「お前の好きな人誰?」と聞いてきた。私は、夏夜くんだよ!なんて、言えるはずもなくて、「教えないよ笑」と言った。夏夜くんにも好きな人がいる。それはクラスのみんなが知っていて、もちろん私も知っていた。3年間も片想いをしているらしく、一途な彼に、私の恋が叶うはずもなかった。夏夜くんのことを好きなのはバレないようにしなきゃ。と思った。なのに夏夜くんは毎日私の好きな人を聞いてくる。あまりにしつこいから、LINEで教えると言った。

数時間後、LINEで夏夜くんが私の好きな人を当てようとしている。

夏夜「〇〇くん?」

私 「ちがう」

夏夜「あ、〇〇?」

私 「ないない笑」

なんてやりとりをしていると、

「おれ?」

と返信がきた。私はすごく焦った。混乱したせいで、「あー、オレオ食べたいな〜」なんて意味が分からないことを送ってしまった。

「話逸らすなよ、俺でしょ?」

その自信はどこからくるんだ、とは思ったが変に話を逸らした私が悪い。もうどうしようもできなくなり、正直に答えた

「うん、そうだよ」

そしたら、「え、まじ?うそだったのに」と返信がきた。

はぁぁ〜?!正直に言わなければよかった。。

後悔していると、もう1つ返信がきた。

「俺の好きな人、〇〇だよ」

...そんなの知ってる、だから言いたくなかったのに。

「知ってるよ、みんなに広まっちゃってるもんね」

私は好きバレしてしまった。これで話せなくなっちゃったらどうしようと思った私は、最後に

「今まで通り、普通に接してね」と送っておいた。

次の日、夏夜くんは普通に話しかけてくれた。私はなんだか気まずくて、目を逸らしてしまう。

「なんだよ、お前が普通にしろって言ってきたのに、気まずそうにすんなよー」そう言われて、いつも通り話しかけてくれる優しさに、私はさらに惚れてしまった。

ある放課後、私は学校のすぐ近くの図書館の窓から、バド部の様子を見ていた。今は休憩時間のようだ。春ちゃんも美帆ちゃんも私に気づき、手を振ってくれた。美帆ちゃんが夏夜くんを呼んだように見えた。夏夜くんも私の方を見た。きっと何か言われたんだろう、夏夜くんも私に手を振ってきて、思わず顔を隠し、後ろを向いてしまった。私の心臓はバクバクと鳴っていた。

部活が終わり、3人が帰ってくるのを近くの図書館で、ひとりで待つ。帰ってきたら、いつもの4人で少しだけ世間話をする。もう下校時間がすぎているので、春ちゃんと美帆ちゃんは帰ってしまった。夏夜くんは車で迎えが来るそうだ。私は夏夜くんと話したくて、帰らなかった。学校にバレないようにスマホを取り出し見ていると、「お前の家、どこにあんの?」と聞かれた。私はマップを開き、夏夜くんに見せた。スマホを渡す時に手が触れて、ドキッとした。冬なのに、夏夜くんの手は温かった。夏夜くんも自分の家を教えようと、マップで探していた。すると迎えの車が来て、「ごめん、ここら辺通ったらあるよ」と言われ、スマホを返された。

あーあ、もう帰らなきゃ。と思い立ち上がると、

「乗る?」と言われた。好きバレもしてるしめっちゃ夜だし私女だよ!?!?頭の中はぐるぐるしていた。「ぇあ、いや、えっと、気まずいじゃん!」

と言うと、「何も気まずくねーよ。早く帰らないと怒られるんだろ?」と言われた。好きバレしたことを気にしていないのかわからないけど、ほんとに優しい。「えーでもぉ、大丈夫!歩いて帰る!」って言って歩き出そうとした。だけど、今から歩いて帰れば7時半を過ぎてしまう。本当なら6時半には帰るので、さすがにやばいと思い、「やっぱ乗る!!」って言ってしまった。夏夜くんのお母さんに家までの道のりを案内した。すごく緊張していた。

車を降り、お礼を言って玄関へ向かう。その時、手に持っていたスマホがブーブーと鳴る。画面を見ると、夏夜くんから「バイバイ」と連絡が来ていた。私は嬉しくて、LINEを開くと、文字は取り消されていた。私は気にせずに、「ばいばい」と送ると、「見てたんだ」ってきた。可愛いところもあるな〜と思いながら、「見てたよ笑」と送った。

いつまで続くか分からない私の片想い。彼の一途に、私は勝てるのだろうか。私はこれからも、夏夜くんと一緒にいたい。

名前は全部変えてありますが、一応実話です!

この恋の行方は未だにわかりません!

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