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0.06 神界の都

「さてと、どうすっか」


 その場から立ち上がり、部屋を見渡す。

 明日まで、暇なため暇をつぶせるものを考えなくてはならない。

 ただ、あのおっさんもようわからんとスキルのことで言っていたため、気にしないでおくとしよう。


「散歩とか?」

「あ~いいかもな。こっちきて何処も寄ってなかったし」

「うん!」


 準備を済ませ、玄関を出る。

 すると、その先には複数の扉があるだけの空間が広いがっていた。

 どうなっているのかわからず困惑していると、少女に手を引っ張られる。


「こっちきて」


 少女に引っ張られながら、一つの扉の前にたどり着く。

 木製の扉で、何も変哲もないただの扉だ。


「開けるよ?」


 少女がそういうと、扉を開けた。

 その先は、最初に来た大きな神殿とその真下にある城下町が広がっていた。

 この大陸自体が空に浮いているのか、大陸に平行に雲が流れているのがわかる。

 自然と少し、暑いような気がした。


「やっぱすげぇな………」

「神々の都だからね」


 神々の都。古に伝わる伝説上の神達の都である。

 神しかないため、俺が目立っていたてことか………。

 

「とりあえず、街まで行ってみようぜ」

「うん!」


 俺と少女は、街目掛けて走った。

 慣れない浮いた道を渡りながら、街がどんどん近づいていく光景が、なぜか楽しい。


「どうしたの?」


 向かっていた途中、少女の方をじっと見つめていたため、少女に気付かれた。

 ただ、少女がここにきてやけに黒く輝いているのが、すごくきれいだ。


「いや、なんかこっちきてから綺麗だなぁて」

「え………そお?」

「ああ」

「えへへ」


 神様だからなのだろう。

 本来の美しさは、この世界でしか再現できないのか………。

 まぁ、どっちも綺麗でかわいいから俺的には大満足だが。

 


 いつの間にか街についていた。

 周りがざわつく中、人々の間に混ざりながら建物を見渡す。

 作りは人間と同じものだが、どこか少女が立てた城によく似ていた。

 神々が作ったからだろう。


「らっしゃい。おや、人間とは珍しいね」


 露店に立ち寄ると、髭を顎にはやしたおじさんが声をかけてきた。

 露店には、様々なアクセサリーが一面に置かれていた。

 どれも見たことがないものばかりなため、気になって仕方がない。


「あら、竜晶石じゃない珍しいわね」


 隣にいた少女が露店に置いてあるネックレスを手に取る。

 

「なんだそれ」

「なんだそれて、にぃちゃんこいつは最上位のドラゴンが生み出す魔石を加工した宝石の事だぜ。そんなことも知らんのかよ人間は………」


 最上位のドラゴンとか災害級じゃねぇかぁ………

 いや、でもまさかこの露店にあるやつすべてそうなんじゃ………。


「何を言っておる。儂は竜晶石専門だからな」


 心を読まれた………。

 少女は何も言わず、他のアクセサリーを見つめていた。


「しかし、嬢ちゃんどっかで見たことあるんだが………きのせいか?」


 おじさんがその場で悩みこんだ。

 隣にいる少女の方を振り返ると、顔が真っ青になりかけていた。


「き、気のせいよ」


 表情が引きずっているのは言うまでもない。

 どんだけ自分の世界に引きこもっていたんだ………。

 

 突然左手がひねられ、すごく痛い。

 少女に心を読まれたのだろう。


「で、買うのかい?」


 おっさんは考えるのをやめたのか、話を戻してきた。

 少女が手に持っているアクセサリーを見て言う。

 

「あ、俺が出すよ」


 次元の狭間から財布を取り出す。

 だが、値段がいくらなのかわからず困惑する。


「安心して、ここでも人間の通貨は使えるから」


 少女はそういうと俺の財布から大金貨を取り出し店主に渡す。

 大金貨なんて入れていた記憶はないのだが、

 そもそも金なんてあったか?


「ほう、人間界の大金貨か。これならいいぜ。毎度!」


 おじさんの露店を離れ近くにあった噴水の前にあるベンチに腰を掛ける。

 さっそくつけたいのだろう、少女は座った途端ネックレスをつけようとするも、苦戦していた。

 

「ちょっと貸してみろ」

「うん………」


 しょぼくれた少女からネックレスを受け取る。

 ベンチから立ち上がり、少女の背中の前に立ち、白銀の髪に触れながら、首元からうなじまでネックレスを通し、後ろでネックレスの金具を止める。


「できたぞ」


 つけたあげたネックレスを少女はじっと見つめていた。

 再びベンチに座り、歩く人たちを見つめる。

 

「ありがと………大事にするね………」


 周りには聞こえない声で少女はそういう。

 一瞬少女と目が合い、目がキラキラと輝いていた。

 泣いているのか?

 

 自然と少女の頭を撫でる。

 そっと少女は俺の方へ肩を寄せてきた。

 上目遣いでこっちをじっと見つめてくる。


「てか、俺金なんて持ってなかった気がするんだが、何であったんだ?」


 純粋な疑問だった。

 ただ気になってしまい、少女に言う。


「パパからのお小遣いだから、気にしないで」


 どうやらおっさんが勝手に入れたお小遣いらしい。

 そのため、俺が奢ったとは言えないのだろう。

 てか、俺働いたことすらないしなぁ………。

 大きなため息を付くと、少女に頭を撫でられた。

 そのおかげか、少し気持ちが楽になった。


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