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0.6 再会

 その門だけは、異質な雰囲気をかもし出していた。

 少女に反応したのか、その門が勝手に開く。


「お待ちしておりました。エレラーノ様」


 中から鬼の顔をした人型のモンスターが執事の服をきて現れる。

 俺は、その男からの威圧を感じながら、その場で立ち止まる。


「そう。彼は私のものだから手出ししたら殺すわよ?」

「ははは、ご冗談を。さぁ、こちらへどうぞ」


 少女に連れられたまま門をくぐり抜ける。

 暗黒の空間を抜けた先には、雲の上に聳え立つ城が目の前にあった。

 まるで、神々の世界であるかのように。


「ギール。珍しいのはわかるけど、もっとシャキッとしなさい」


 世界に見惚れていた俺に少女は注意する。

 そのまま少女に連れられたまま、城の前にある城下町にたどり着く。


「人間よね?」

「なぜここに人間が」

「いや、あの男まさかと思うが」


 街に入った途端、周りの人たちは俺のことを見て驚きだす。

 その光景を見た俺はそっと少女の近くによる。

 すると、少女が掴んでいた右手を一度話すとそのまま右腕に抱き着いてきた。


「お、おい。エレラ」


 動揺しながら、少女野名前を言う。

 だが、少女はにっこりと笑顔になるとそのまま俺と同じように歩いていた。

 街が気になりすぎて仕方なかった俺だが、少女に許されるわけもなくそのまま、白い宮殿にたどり着いた。

 白くピカピカに輝いている階段を登る。

 すると目の前には、複数の人がこっちを見ていた。


「やぱり、生きていたのねエレラーノ」


 と太い柱の前に立っていた一人の女が言った。


「ええ、おかげさまで」


 と少女は言うと、俺に抱き着いたまま宮殿の奥の方へと進んでいく。

 周りの人の視線を浴びながら、最奥で王座に座る者の前で止まる。

 その者は、神々しいに匹敵するかのような男だ。 

 肉体は、鍛えられあらゆるところから筋肉が見える。

 高価な白い服を身に纏っており、美男子とでもいえる。


「パパ。今帰ったわ」


 少女が目の前の男に言う。

 すると、男は座っていた王座から腰を上げたちあがる。

 その時、その男とは絶対に戦いなくないほどの圧力が俺に降り注いだ。

 その場で、胸が苦しくなり、地面にしゃがみ込む。

 俺はその男の顔を見ようと上に顔を上げる。


「ギール! しっかりしなさい!」


 少女が俺の体をゆする。 

 だが、それだけしかわからない。

 その男の圧倒的な存在感に俺は踏みにじられたかのように何もできなくなって、その場でしゃがみこみながら笑っていた。


「ほう、こいつか。エレラの婿は」


 と中年男性のような声がした。 

 すると、圧倒的な存在感が一気になくなり、呼吸が安定し始める。

 

「そ、そんなんじゃ………ないから」


 少女の震えた声が聞こえてくる。

 どうなっているのわからない。


「すまんな。娘が男連れてくるとかいうから試してもうた」


 ゲラゲラと笑う男とふんすと怒っているかのような少女が見えてきた。

 呼吸が安定したことで徐々に視界が戻ってきたみたいだ。

 この男が少女の父親なのだろう。


「もう話聞かないから!」


 暖かい感触が背中辺りある。

 すると、一気に目が覚めたかのような感覚に陥り、目の前の光景に驚く。


「こ、ここどこですか?」


 隣に少女がおらずそこには、さっきの男がおり、目の前には入り口辺りで少女声をかけていた女性、その間には宮殿の奥まで行く途中こっちを見ていたものたちがいた。


「やっと起きた」


 上を向くとそこには、少女の顔があった。

 なぜか数秒だけ観えなかった少女の顔が輝いて見えた。


「あの~この状況は、一体」


 目の前の光景に困惑しながら少女の顔に触れる。

 少女はその手を愛おしそうに自分の手で支え、こっちに笑顔を向ける。


「さっきはすまんかったな。災厄の少年」


 隣にいたおっさんに謝られた。

 彼が王座から立ち上がった途端体調不良がおかしくなった。

 そのことだろう。

 なぜスキルの事を知っているんだ?


「いえ………」


 すると、おっさんは少女の頭を撫でる。


「娘の事頼んだぞ」


 とおっさんはいうと、光となってどこかに行ってしまった。

 何だったんだと思いながら、少女に体を支えながら立ち上がる。

 

「あのお方がお認めになっただと………」

「どうして人間を………」


 周りの人達が話している。

 そんなことをお構いなしに少女は俺を抱きしめながら言った。


「パパがごめんね。あの圧力普通人間だったらぺちゃんこになったから」


 と少女が言った。

 なんのことだかさっぱりわからず、困惑する。

 

「パパて、さっきの人の事か………」

「そうよ。一度殺したはずのパパだよ?」


 俺は、その言葉を聞いた途端、ため息をつく。

 このスキルの元凶である少女の父親いや、創造神に普通にあってしまった。

 あの人なら、俺のスキルをどうにかしてくれるのではないかと。


「そのこと聞くためにこっちにやってきたわけ」


 少女に久しぶりに心を読まれた。

 俺のために、少女は創造神である父親に会いに来たのだろう。

 だが、どうしてそこまで少女がしてくれるのかわからない。


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