3分35秒前のピザ
なぜ人間はそれまでに人生を謳歌したくなるのだろうか。そもそも我々の酸素は全てがナイロン製の桜と共に草の中に段々と沈んでいくのであって、私をそもそも認識しているのは日本、七日で死んでしまったのはけろってしている賛歌と殺してしまった何者か。白い木の葉を毛虫の気持ちを散々しまっておきながら、この度はその過程について再び講じてみたいと思う。つまりは我々の中にある其他の校舎がサラリと流れ、木の下にほとんどない、いやないのか。あるのは死にゆく三角と四角、それは? いや、そうでもないか。うん、そのはずだよ。なんて言っていると、隣の魚から隅から隅へと来たりいったりしている。こっちに向かっている。向かっているのは確かなんだ。けど誰?それは死。死とは言っても詩ではない。すまない。申し訳ない。いやはや、そのような事を言っていると、三番目の毛虫の木の下で、この山椒魚と死の殻が共に散乱した部屋で一人長いこと外を見ていた。外には何があるのだろう。何があっても、煙突は少しずつこの中に入っていき、ついにはネジの脇の下に入っていってしまった事は確かだ。私の過去は何もなかった。とはいえ記憶はある。記憶の中の皿には写真に写った人間の十個の頭がこちらを見たり見なかったり、そんなことをしている間に毛と毛の間にこの体が入っていくのが確かにわかった。昨日の校舎裏には、涙とオレンジジュースの強姦による楽曲が燦々と降り注いでおり、その体内受精をするので、この小さなどんぐりの中には、エイの尻を合わせた儀式、この日に出てきた小さな山とブリキの缶の確かな衝突。カンと鳴り響く廊下の隅に小さく生えた雑草のさらにその先に座っている私。何もかも小さかった。私の眼が太陽に感じるほどに小さかった。それゆえ、私のコンプレックスは、その太陽に近づくために、一日三回、私の鏡に映る何千万人の私を虐殺することだった。それはあまりにも無意味だった。何も見えてこない。なんの幻覚も見えてもない。これが仮に作り話であったとしても、それが父と母の逆襲であったのならば、私は喉にその小さな手と大きな手を突き刺され、窒息して死に絶えたとしても何等後悔はない。いや、後悔などしてはいけない。私にその権利はないのだ。私は彼らの鏡だ。だから私にも鏡はある。ただ、お世辞にもそれは美しいとはいえない。いくら綺麗な花の先で、その柵を磨いてあげても、綺麗な娘の綺麗な目は見えてこない。少しも見えてこない。ああ、ああ、ああ、私の醜さはナメクジの今日と明日の境目にある崖の下のレンジに入れる前のピザのようにとても悲しく、虚しく、汚らしい。だからこそ、私は世界中の人間と共に死にたいのだ。世界で一番採れる木で作られた簡単な椅子に皆で座り、同じ時間にロボトミーで脳をいじくり回し、人間の尊厳を破壊したときにこそ、世界平和はようやく達成されるのだなぁ。そう思いながら外に目を追いやると、とてつもなく恐ろしい何かがこちらを見ている。薄暗い和室の襖の隙間から俺を見ている。見るな、と叫んでもそいつは見てくる。だが、奴も震えている。使い古された例えを用いる許可を法務大臣にいただけるのならば、そいつは生まれたての子羊のように震えていた。俺だった。まさに俺であった。汚らしい戦前に撮られた名前も知らぬ花の写真を横目で見て、じんわりと恐怖にかられるようにそいつは恐怖を増していった。対して、俺は恐怖など消え去り、あいつをいかにして殺してやろうかと目の中に殺したガラス瓶を少しずつ生やしながら近づいたり転んでいた。急な崖の下で俺は四肢を裂かれたライオンの横で、失禁していた。エレベーターの隅で妹に冷めた目で見下されながら、止まらずにズボンを濡らす尿を恨んだ、いやむしろ恨み始めていた、それはもう床を濡らす液体となっていたが。それから私は自分の中のこおろぎに怯えながら穴から歩く人間カミソリを覗き込んでいた。それから七年後の話である。
ぼんやりとした影がこちらに迫ってきた、次第にそれは唇となり、鼻となり、耳となり、目となり、額となり、髪となり、そして一人の人間になっていた。そして彼女は言う。私を温暖に誘うために。気づけば、私の鎧は全て外され、いや自分から外し、一人の時間という空間の中で、その半分を熱に晒していた。実に滑稽だ。笑われ者だ。ふと、地面に目をやって、そっと触れてみると、オクラのような感触が指に伝わり、それが嫌悪感に変わる。虐殺の残り香がまだある。それは殺した俺の手であり足であり魂であるのだ。そして俺は五年前を思い出していた。
俺はエレベーターにいた。隣にはみずほらしい浮浪者のような雰囲気の、だが自分より背は高くどこか怪しげな雰囲気のある女が立っていた。なんの脈絡もなく始まる俺と彼女の性行為。女は恥ずかしげもなく股を開き、俺はあたかも経験者のように自然と肉棒を突き刺す。だがそこには快感などない。少しづつ膨らんでいる彼女の胸を触ろうとしても、それは空虚をつかむ私の手でしかない。ある時は自分の家にいて、和式便所で出した糞を巨大なおにぎりにしたこともある。またある時には、駐車場にいたワンピース姿の長身の女が片方の足を地につけたまま股をコンパスのように百八十度開いて、ホースから勢いよく出る水のように放尿していたこともある。そんな華やかな宴を思い出しながら、再び外に目をやると、また奴がこちらを睨んでくる。そいつは段々と数を増やし、次第には俺に重なろうとしてくる。これが気色が悪くてかなわん。だがその気持ち悪さよりも、何よりもその奴に対する恐怖、圧倒的恐怖がたまらなく苦痛なのだ。しかし、一旦それが巨漢に無差別にレイプされる前の小学女児のように震える私自身である事に気づくと、次第に奴は俺ではなくなり、ついには誰でもなくなるのだ。一体あれは誰なのだろうか。
夜は俺を自由にする。体が鎖の瞼からそっと浮き上がり、何もかもに触れることができる。その手をそっと彼女の肉棒に伸ばしてみる。脈を打つ山から木々に、だが五本の流れを持つ木々にその脈は伝わる。今にも珈琲が湧きそうなのだ。受け皿が必要なのだ。そしてトンネルは掘られた。それは町を作った。だが人はいない。俺と、いや私と彼女、彼女たちの楽園なのだ。だが、太陽はそれを許さない。直接、禁止命令を下された事はないが、だが放つ言葉一つ一つをスコップで掘り返してみて、皮の水にさらしてやると確かに私の首を絞めている、力強くではないが、ゆっくりと私の首を絞め呼吸をさせない様にしている。
だから私は夜に彼女の手をひく。彼女はアダムでありイヴなのだ。そのどちらが多数を占めているかはわからない。ただ、感覚的には後者の要素が強いのだろう。夜になると、俺の存在は強く輝き出す。なぜなら拷問官は寝ているからだ。彼の強靭な肉体でできた、何者も絡めてはくれない雷の中で静かにその時を、だがその時になればきっと殺してやるという覚悟で身を潜めている。だが、今は奴のことなど忘れてしまおう。寝てしまっているのだから。門をくぐると、そこには彼女たちがいる。そのほとんどは、大半が窓でできているアパートにその面影を、昨日の面影を、一昨日の面影を残しているのだが、中には私を待っている者もいる。彼女たちは千差万別だ。私よりもはるかに小さく、顕微鏡の中にいるミジンコよりも小さいこともあれば、宇宙のその先にある麻疹よりもさらに大きいキュレーターもいる。だが、今日は誰も匂いを残していなかった。皆が過去の、もう新鮮味など全く存在しえない匂いを撒き散らした娼婦となっている。汚らしい。そう呟くと、俺はアパートに背をむけ、早歩きで門に向かう。その意思が生まれると門も勘がいいようで、気づけばみずほらしい布の豚を隣に寝かせた俺が見えてくる。部屋には殺しの跡もない、殺意もない、鏡の先の何百、何千の俺は生きている。でもそれでいいのだ。気持ちを落ち着かせると、俺はゆっくりと胎盤の中に戻っていく。だがその大きさに、三寸ほどのフランスパンはきっと驚くだろう。私の大きさにだ。私の骨と皮だけでできた、みずほらしい足先は胎盤の薄い皮を突き破り、私の安眠を妨げる。ああ、もう空の乳房は生暖かい乳を出してはくれないのだな。その残酷な事実に気づき、自らの腕を思いっきりつねると、粉ミルクを溶かした溶岩がジュワッとゆっくり湧き出てくる。涙を流しながらそれを啜る。だが地平線の奥を見てみよ。まだ空に乳房はある、永遠の女神はいると狂信している愚かで巨大な赤ん坊どもが、雲一つない青空に向かって汚らしい口を突き出しているではないか。少しだけ勇気が湧いた。私もその中に混じる赤ん坊であったにも関わらず。
急に背骨から何万匹ものイワシが飛び出る。私はあまりの激痛に耐えきれずに、咄嗟に地面に倒れ込む。次は奴らだ。俺を殺せ、俺を殺せと鏡の向こうの俺が岩の隙間にナイフを差し込んでくる。自分よりもはるかに小さな、まだ幼さを残す小石にだ。その小石は誰の手入れもされずに伸び切った雑草の中にひっそりと置かれている。だが奴らはその石の中にいるのだ。石の中で刃物を突き立てる。血は出ない、ただ汽車が走る。その汽車は、とてつもない速さで、目に追えない、ほぼ残像となりながら下から上へと走って消えてしまう。そして、空にも亀裂が走る。ああ苦しい、ママ、ママ、僕を助けて。幼い声で俺は叫ぶ、横には汚らしい豚。地面はタンポポの雲になり、俺の体を優しく支えている。だが泥め、やつはその安心感が嫌いなようだ。俺の足元にじわじわと湧いてきてその安息感を妨げる。まだ空は俺のフグを虐めている。そいつは俺の親友だ、返してくれと叫んでも意味はない。その空も俺だからだ。実を言うと、全てが俺で、私なのだ。だが、私ではない。三フィート上の天井に張り付いたモグラネズミのように、気高い血統の証拠を見せびらかしながら(それはただの旗でしかないのだが…)その空を、海を、大地を蹂躙している。
急に糞人間のオーケストラが聞こえてきて、ふと覚醒する。奴らは気まぐれだ。ケトルの底にあるソファに横たわる老夫婦が、ゆっくりと服を脱ぎ、絡み始める。その体は鶏皮の唐揚げなのだ。レモンをかけてやるか? 俺がその男に聞くと、彼はとてもいやそうな顔をしながら丁寧に断ったはずだ。何よりも、干した布団の混ざり合う様がとても不快で、そんな話など奴の耳には届いていないし、私もその場の気色の悪い雰囲気を紛らわすために適当に話をしただけで、別に意味などなかった。俺と奴はそそくさとアパートを出た。外はバーゲンセールの途中で、蠅取りテープが無造作に降り注いでいた。俺と奴は血眼で上物を探す。おい、あったぞ。奴の掠れ声が遠くから聞こえる。俺は嬉しくなって、ローラースケートの舌を思いっきり丸めて奴の声が聞こえた方へ向かう。奴もよほど嬉しかったのか、睾丸を三つ、四つほど耳から垂れ流してこちらに向かってくる。二人はその勢いで融合し、アイスキャンディーになってしまった。舐め取らせるものか、汚らしいコーラスフラワーどもめ、奴は睨む、俺はまぁまぁと宥める、案外悪い気はしないのだ。だが奴はそれを許さない。幼い薔薇がそっと体をくねらせ、溶けた鉄をなめとろうとすると、奴は思いっきり目玉を回転させ、その薔薇を食べてしまう。その必死さには、何か狂気のようなものを感じる(この際の狂気とは、つまりケミカルコンバイザーのこと)。だが、流石に奴も疲れたのか、二、三個花を食べたっきり大人しくなり、ダイニングテーブルの貫通した穴に柘榴を撫でくりまわす。俺、いや私はすっかりいい気になって、洋式トイレの横にある猫を模した鼻くそ団子を撫でている。(襲ってきた)奴らは奴らで、だるまになってしまっている。結局、我々もあの見下されるべき老夫婦と同じなのだ。そう気づくともう遅い。その場にいた全員は破裂し、フラスコ瓶に入ったセルフポートレイトだけになってしまった。
この先には何があるのだろう。私は食器棚の中で弁当を八つ折りにしている紅生姜に荒々しく接吻をした。奴はこう言った。
「この先には何もないよ。俺は、私は、あなたは、俺は、いいや私だ。鏡の三十個の毛の先の唸りを上げるクジラはタイフーンの大事さをいかに損なっているか、しかと協議するべきだ。」
私は、この異様な、しかし落ち着いたスピーチに感動を覚え、体に広がる腸の隅から隅まで詰まった味つき卵を全て垂れ流してしまった。落ち着きを取り戻そう。
俺は、その男、先ほどナイフで二丁目にある、もち運び可能な戦艦に出身地を刻んでいた彼と共に歩いていた。私は体の循環器のタイヤを伝書鳩に漕がせていたもんだから、彼のスーツでビシッと決め、堂々と歩く姿と比べると、全く惨めな格好で玄関先の韓国産の山田さんの上を登山していた。彼はシルクハットも一丁前にかぶっていた。いつの間に第三委員会の犬に成り下がっていたのか、などと嫌味をぶつけても、うん、そうとしか返事をしないので、ますます惨めな私の姿に観客は大笑いをする。二階席まで満席なのは嬉しい限りだが、しかしナマズを尺で引くのはいかにも気まずいなぁ、などと思っていると、彼は急にそれを差し出してきて、りんごの先にある埃の下のケンカっ早いガニ股ザリガニを急いで仕舞ってしまった。彼は私のそれまでのみずほらしい姿からは想像できないような、大変素晴らしい饒舌に苛立ちを覚えたのか、寒さに負けない元気な体でガソリンを延滞した。
しかし、何百年にも感じた旅もとうとう終わりを迎え、円形のゴミ箱を登り切ってしまうと、その先には北朝鮮の船が三隻浮かんでおり、そのうち一つが花火をのせて、遠くの方へ流れていく様を、俺と奴は絶縁体を擦り合わせながら、水平線の彼方まで消えてしまうまで、ずっと眺めていた。
電流は流れる。二人は汗で湿る手でぎゅっと握り締めた絶縁体を懸命に擦り合わせる。
ただ、その日の咲きかけた後ろ姿のバルコニーを目の中に一生懸命に掘り起こせばよかったのだ。だが、若い二人にはそれがわからない。何もできずに、徒労に終わった旅は、やがて二人を混ぜ合わせ、一つのチョコレートケーキにしてしまった。またか、二人は飽々とした感じて待つ。だが今回は誰も来ない。玄関は寂れたまつ毛で覆い隠していたのに、染みた蝶々の三月は決して腕を料理してくれない。そんなに嫌いなのか、俺の中の私は鏡に向かって叫ぶ。ケーブルテレビはそれを許さない。アヒルの肛門で私たち、いや俺の股下をゆっくりと笑い始めた。俺は泣いた。初めて海苔を鼻から巻き上げる体験をした。奴は先ほどとは打って変わり、アヒルの血管になって俺を虐める。奴は根っからのクズなのだ。誰かがヘソにカマキリの腹を擦り合わせた。すると俺の肛門から勝手に糞が漏れ出る。
もうおしまい。カマキリおじさんが紙芝居の端をなめとると、そこからは希望のバリカンがぬっと姿を表す。わぁ、三週間のインチキはこの先のお尻を試しているんだね、見ていた子供が嬉しそうに聞く。おじさんはニコっと笑って頷く。そこには何物にも置換できないエロティシズムが漂っていた。見たか軟弱者め、これが軟骨である!
つまり王とは、寝ている二枚目の折り紙でささっと指に傷をつけ、紙吹雪を吹く新聞記者の卵なのです。しかと見たまえ。本来はそのつもりだったのだが、何せ池の水と綿菓子とけん玉が交互に混ざってしまったので、氷河期にも死に絶えた鉄工所は存在したのです!大声が白のアタッシュケースの大地に響く。そばにいた縄文頭の絹ごしメンマは、すまないねぇと、いかにも自分は悪くないような言い方で平謝りしてきたものだから、俺はカッとなって、一万キロ平方メートルの睾丸で胃を裏っかえしにしてみたところだ。
まだ歩く。旅は続く。奴はシルクハットのてっぺんにサンバイザーを百二十七個と三両ほどこしらえた、ただの人参になってしまった。ちなみに、俺の豪邸は肛門の側面にちゃんと穴を掘って待機しているので安心したまえよ。
「しかし、いかにしてエリンギの海をアドレナリンで充満させるのですか?」
生意気な人参は盲点をつく。俺は咄嗟に無知を持ってして奴の十二の騎士団にサスペンスドラマのちゃんこ鍋を激励する。
「ドーパミンの供給量は年間の二十五膳をとうに超越しているのだが?」
内心、強姦してやろうかと怒りを抑えながら、慎重に、ただ事実をはっきりと述べる形で反論する。すると奴は負けを悟って三輪車の補助輪を坂道に斜めに埋めてみせる。その美しさに思わず声を出して泣くと、奴の三銃士がペニスを思いっきりこちらに突き出して射精する。俺は海に放り出されたのだ。
おおFよ、お前はなぜ話をしないのだ。悲しみの珊瑚礁をさかましに築き上げる時に、素晴らしい毛のこの雲が沈んでいるのに。両国の行燈がうつむいた瞳が豹柄のキンタマをふるっている。
すかした顔…すましら顔…すました顔…どの顔でもいい。直線のインキチフルートをサングラスにインセンティブを喜ぶ。運動の儚さとは、つまりはインテリアなのだ。インコの口には軍艦が座っている。いや、むしろ虫なのか?すました顔で奴はまたそのような歓楽街の酒好きハリセンのように、太々しいジャグリング王のそばでつま先をバキュームにエラで浮かせてみせた。シャンデリアはガラクタを援交し、その束の間にあの王は自分の三人の息子と三人の娘を鏡台の闘技場に放り込む。さぁ、虐殺と痛ましい性行為の始まりだ。性別など関係ない。全ての穴と棒を連結させ、無意味にお湯かマグマか、地面に背中を打ちつけた小学五年生の底知れない痛みなのか。さてさて、奴は酒をその桃に突き刺し、そのまま放置して流産のスカートに身を寄せながら、その演目をエロティシズムの海を見るかのように呆然と眺めていた。あくまで私の妻です、彼がそう怒鳴ると、王は少し身構える。奴は妻であり、拷問官であり、老夫婦である。つまりは鳥、いちじくタルト、毛のない行進、邪悪な一本杉、ファンタスティックあばら骨、そして陰毛なのだ! 王のわがままな油と肉をかき分け、その鬱蒼とした林を抜けると、なんとまぁ美しい…何物にも見せたことのない処女、ちょうど十八になりたての、まだニキビの残る肌をさらけて身を拗らせ、骨を剥き出しにした妖怪皿回しが、そのほとりで美脚をネジでしめているではないか。奴め、その銀餡の飴の中に、このような縫製を隠していたのか。怒りが込み上げる。尋問官はゴツゴツとしたチョコレートアイスを強く握りしめる。そうすると、溶け出した三人の小人が歯を抜き差ししてこちらを威嚇する。何よりも、王は淫らなエロティスズムを撒き散らしながら、涙をティースプーンに絡めて、長身を優雅にハミングさせている。うずうずしてくる。体が、衝撃に備える。すまない。そう言う間もなく、遊戯は始まる。なめらかな箒をその凸凹のある廊下にそっと置いて、血の涙をすくってやる。そうすると奴は、オイルをプディングにチューニングしながら、木の下で預けていた玄関を裏返しにした。いかにもつまらない、ありきたりな遊びだ。その間にも、物見席の下では、上下にグロテクスに振動している肉塊が、無駄な命を食べている。その非生産性には耐えきれず、ついには私も皮の下で渦巻く竜巻から、巻き込まれた俺の鏡を反射させた。
寒さと尿意を感じて目が覚める。ただ体は動かない。私は自由の身となって、リビングの方へ無運動移動によって並行移動し、奴に挨拶をぶちかます。おはようおはようおはよう。声はとどかかない。オットセイの宇宙にはどうも香港がひっそりと溶解しているようだ。そう呟くと、私は自分の鏡に住んでいる何千万人の俺を砂漠の海、いや、海の砂漠に開放してあげた。優しさを自身に感じたが、奴らは俺を睨んでいる。後悔の念がドッと押し寄せる。ああ、俺はまた虐殺者に成り下がってしまったのか。そう言いながら洋式便所から立ち上がり、鰯の口に人工呼吸してあげると、その汚らしい魚は嬉しそうに蜂蜜をプレゼントする。別に欲してもいないのに。林を抜けて、その先にある小洒落た洋風な玄関を抜けると、そこには右翼政治家も感嘆するような、美しい富士山が天に向かって白銀のコートを自慢していたのだった。これが俺から私への変貌の真実、語られなかった痴女伝説。探しても聞いてくれなかった鎮魂歌、しかし実に奇妙な八時三十五分の就職希望者であり、三分三十五秒前のピザなのだ。