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 翌日は予定もなかったので、一人でミニダンジョンに行くことにした。


 装備はいつも通り、安手の皮鎧とそれなりの盾・片手槍。

 腰籠に拾った小石。ボーラを一つ。

 宝箱を開けるのに使う針金や、角の向こうを覗く金属製の小さな手鏡。

 あとは握り飯と水筒くらいだ。

 ミニダンジョンは練習用と言われるくらいだから明かりもいらない。

 天井のない露天迷宮である。


 そこで独り歩きしてる末成りオークを待ち伏せ攻撃したりしつつ、コアまで行って帰って来た。


 ジーネも言っていたが、ここの魔物を狩ってもたまに安い魔石を落とすだけ。

 コアに触れても恩寵はしょぼい。

 4回に3回は何もくれないし、あってもちょっとだけ打たれ強くなるだけだ。

 この種の練習ダンジョンは、恩寵テーブルに空欄か『HP+1』を並べてただけだからな。

 ごくごくまれに『得意+1』とかも出るんだが。

 『寿命が半分になるが、手から唐揚げを出す能力』とか。


 そういうわけで、『最初の殺しを経験したい・慣れたい』、という超初心者がたまに居るだけで、大概は俺一人しかいない。


 じゃあなぜおれは来るのか? といえば、霊格上げに関しては、ここだろうと最難関ダンジョンだろうと、『コアに触ったら一度試せる』という点では同じだからだ。


 一人プレイのときには霊格1から始めることが多かったので、こうしたミニダンジョンも用意していた。

 霊格を上げたり職業を追加したりを、貧乏で弱体でNPCを雇えないときにもできるように、という自分への配慮である。

 それでも、凄くダイス運が悪いと死ぬのだが。

 宿賃なくなって餓死したり。


 複数人数参加なら、最初にPC全員霊格5とかして、8つくらい恩寵振って、そのうち5個を選んで個性付けてからプレイ開始、とかしてたんだがな。

 この人生で俺が霊格1から始めてるってことは、一人プレイの再現という事なんだろう。

 これは俺以外のプレイヤーはいないという事なんだろうか。


 まあそれはともかく、

 ダンジョンから城塞都市に戻り、ごちゃごちゃした街並みを抜けて神殿に入る。

 些少のお布施をしてから、神様に祈る。


 コアに触ったあと、神殿でお祈りすると成長できる。

 恩寵テーブルでダイスを振るか、

 職業をランダムで追加するか、

 PCのみだが霊格を上げるか。


 恩寵テーブルというのは、番号振られた恩寵の一覧表で、ダイスを振ってでた番号のそれを得ることができる。

 基本的には職業ごとに分かれているが、たまに迷宮によっては固有のテーブルがあったりする。


 最後に触れたダンジョンコアで恩寵を得るダイスへの修正値が決まる。

 危険な場所のコアほど修正値が高い。

 高い数値のほうが通常、良い恩寵なので、高難度ダンジョンに向かう理由にもなっている。


 ということで霊格成長を祈るが失敗。

 神官に微妙な目で見られながらこそこそ退出する。


 恩寵を求めなくても祈りと感謝をするのは善行とされているので、「霊格1のくせに何でくるんだ?」と思われているわけではないと思う。

 (また霊格の枠一杯にした人にも、意味のある恩寵だってある)


 どうも要注意人物リストに載せられているようなのだ。

 俺は転生を自覚する前、まだそれを夢に見ていた幼いころ、やたら神官を不快にさせる発言をしていたからな。


 この世界実際に恩寵を神殿で頂いているわけで、その力は大変に強い。

 その権威を否定したり、教義を覆すような発言を繰り返すのは大変にまずいのである。

 軽い処罰としてでも、年単位の神殿出入り禁止はあり得る。

 それは困る。成長がまるでできなくなる。


 目覚めた後は思ったね。

 俺は今後とも成長し続けたい、二度と神殿に目を付けられる行動は控えようと。



 さらにより悪いのは悪霊憑きと認定されることだ。


 ゲームでも悪霊は実在した。


 そもそも魔物が悪霊の実体化したものとされているわけだが。


 生きた人間に憑りつき、妙な言動・犯罪行為をさせる場合もある。


 悪霊憑きに認定受けると殺される、とは必ずしも限らないけど、実害あって強ければ退治に来るし、弱ければ悪霊払いでひどい目に遭う。

 悪霊が嫌になって出ていくまで、宿主をボコるというのがよくある退散法だからだ。


 村でもそういう人がいて、神官が退散儀式をしていた。

 ただ、あれは社会への不満を際限なくまき散らす人を、それっぽい建前で痛めつけ黙らせるのにも使われている気がする。

 悪霊が抜けたか、心がへし折られたのか、儀式のあとは廃人になっていた。

 骨もへし折られまくりで、体も廃人だったな。すぐ死んだし。


 プロの退魔師なら暴力ではなく特技で退散させるらしいが、レア職なのか見たことはない。


   ◇ ◇ ◇


 ミニダンジョンに入っただけだが、都市との行き来もあるので、時刻はすでに昼頃だ。

 世界設定で、ここは太陽を取り巻く球面の内側、ファンタジック・ダイソン球とか超大型ペルシダーということになっていたので、太陽の位置は天頂に位置したまま変わらない。

 だが、色が変化するのでなんとなく時刻がわかる。

 朝方赤く、次いで黄色く、正午が白で、また黄色、赤となっていく。


 明日はジーネと会って、もしかしたらそのままキグヅリ鬼崩しに出かけるかもしれない。

 今日はもうミニダンジョンに単独アタックとかはやめて、鬼崩し迷宮の情報収集でもしてみよう。

 あとは街中の散策にでも。

 いまだに全容を把握していないのだ。


 これも、城や門の位置を決めた後は、街中にありそうな要素をランダムに配置していた再現であり、弊害だ。

 都市計画がなく、わけがわからない。

 当地で生きる人に訊いてみると、合理性よりも有力者の縄張りや力関係で街割が出来上がったそうな。一応説明はつくらしい。


 まずは市場にいって、昼めしと、治癒薬の補充を求める。

 財布に余力がないので初級治癒薬だ。


 と、見ると麻痺薬も安く売っている。

 薬というが、ぶつけると作用するアイテムである。

 戦闘中、敵に使う消費型アイテムは、あまりこの世界の住人には使い勝手がよくないようだ。

 そのせいで安売りされやすい。

 俺は【投擲】があるし、それなりに好みだが。

 ということで幾らか購入しておく。

 腰籠に放り込む。


 マルパンに葉物の漬物と唐揚げ挟んだのを齧りながら、『学びの園』を近道に抜けて、組合に向かう。

 『学びの園』は一種の学校だ。

 ただし制度としてあるわけではなく、家族を失った富豪老人が、学問を行う者に自分の屋敷を解放したものだ。

 教師が部屋を借りたり、庭園を使って、自分の講義をしている。

 教員資格があるわけではなく、誰でもやる気なら教え役になれる。

 学生もまた資格などなく、その日の受講料を支払って自由に受ける方式だ。

 不人気教師は喰えずに消えていく。

 誰がどこで授業するか、などは教師たちの間の話しあいで決まるらしい。

*

 こうした篤志家による支援もあるけど、あくまで個人のそれにとどまり、制度化された教育制度はない。ために都市全般の教育レベルは低い。


 それでも、読み書きや足し算引き算をできるのはそれなり居る。

 そして使われているのはひらがな・カタカナ・アラビア数字である。

 言語も日本語だな。

 前世の中学生俺らが新言語とか独創文字とか造るって無理だしな。


 子供のころ、使われている仮名文字を見て思い出し、この文字こそ俺が世界を作った証拠、と主張して、神官に殴られた覚えがある。

 文字を覚えてそれを妄想に取り込んだのであって、逆じゃないと。

 「習っていないのに読めるんだ」といっても、信じてもらえなかった。


 「なら漢字は何なのだ」、といえば、そんなお前しかわからん自作文字で騙るな、とまた殴られた。

 まあ俺しか読めないしな。


 黒歴史を思い出しながら、目的地に着いた。

 組合の玄関をくぐる。


 ここは探索者の互助会の様なもので、遺言を預かったり預金ができたりする。

 また情報交換したり、人数の半端な連中が、新規の仲間を探す溜まり場でもあって、いくつかのテーブルと椅子がそろっている。飲み屋というわけではないが軽食をとることができる。


 時間が時間なので閑散としていたが、見回すとスミのほうに老人が溜まって賭け事に興じていたので、声をかけて近づいた。


「なあちょっとお知恵拝借したいんだが」


 老人たちが良いヒマつぶしが来たとこっちを見た。


爺一号「ほほ。口を滑らかになる程度に湿らせてくれるなら、考えんでもないぞ」

俺「役立つネタの出てくる口に限るぞ」


婆一号「なんじゃい。老人をいたわってわしら全員に奢る程度のことはせんのか」

俺「そんな金はねーよ。奢った一杯を分け合うのはそっちの自由だが」

婆一号「そんな奇特がいるもんか。アンタあたしらの仲を裂く気かい?」


爺一号「まあまあ。

 そんで何が聞きたい? ここにおるのは知恵者ばかりだが、その中から一番を見分けるのはオヌシの才覚だぞ」


 探索者としては歳をとりすぎたが、まだ元気のある連中は、こうしてたむろって、後輩が質問に来るのを餌にするのである。


俺「キグヅリ鬼崩しでの探索で、知っておくべきことがあるなら聴きたいんだが」

爺二号「おう、ならワシじゃな。一番行き慣れておるじゃろ」

爺一号「なんじゃい、若造の目利きの才を見たかったのに」


爺二号「それでお前が選ばれても、お前が一杯飲んで、こやつは一杯食わされるというだけじゃろに。これ以上悪行重ねたら、堕ちる地獄がまた一つ深くなるぞい」

爺一号「ほほ。神様は人間界の些細な悪戯になど、関心は示さんよ」


「そいで爺さんが一番詳しいんだな」

「何百と稼ぎに行ったか憶えておらんわ」

「なら訊きたいんだが」

「まあまて。酒とつまみを先払いじゃ」


 売店にいって、竹のコップに澄んだ火酒を一杯注いでもらう。


「一番高いやつかよ」

「そらそうよ。で?」


 爺さんはさらに頼んだナッツの五種盛りをボリボリ齧りながら顎で指してきた。


「注意すべき魔物と、それへの対処法。トラップのタイプ」

「恩寵の幅とか得られる宝物から質問はせんのか」

「生き延びられるかどうかのほうが大事だろう」

「行く価値があるかどうかを調べてから、危険の程度に気が向くもんと思うがのう。若いにしては冒険心が足らんな。

 ま、よかろ。

 わしの見立てでは、『泥田髑髏』が、遭いそうなうちでは一番の難物よな」


 泥田髑髏? どんな魔物だったかな?

 データに覚えのあるのもよくいるが、他の二人が作ったのか、それともこの世界独自なのか、知らないタイプもまた多いのだ。


「それなりの数おって、およそコアに行きつくまでには一~二度出会うことになるはずじゃ。

彼奴は弱めの武器で撃たれても、殆ど傷がはいらん。そのうえ配下に髑髏を連れておったら、それを取り込むことで傷を癒してしまう」


 【受けたダメージが~以下だとさらに-2。最低1】とかありそうだな。

 両手武器のほうがいいか? 盾が使えなくなるのが怖いが。


「対処法としては両手斧なんかの、大ダメージタイプで殴る。動きは鈍いから当たるじゃろ。

 あとは取り巻きの髑髏を先に倒しておく。

 これも、髑髏だけなら初心者でも対処はできる」


「斧かあ。扱いが難しいんだよな」

「重心が先にあるからの。まあうまくやれ」


 両手斧だと両手剣よりダメージ+2で、ファンブル+1だったかな。

 抽象的な戦闘ではなく、リアルな今だと向う脛とかカチ割りそうだ。


「動きが鈍いと言ったけど、パンチは強くて当てられたら一撃死とかないよな」

「まずないが、たまに【三倍打】持ちのおるときがある。

 普通のでも、猟犬連れて行ったときは、一発が当たって死んでしもうたときもある」


 猟犬か。HP5~10くらいか?。あるいは俺も2撃死の可能性あるな。

 皮鎧あるからぎりぎり大丈夫か?


「あすこは死人系の魔物が多いが、ゴーストは見たことないんで、魔剣や浄化魔術の必要はないじゃろ。ドラゴンゾンビを見たというものはおるが、遭ったら諦めてくれ」

「遭っても生き延びたから噂に残ったんだろ。諦めはしないさ」

「それもそうじゃ。わはは」


「トラップは?」

「崩れてきた岩が積み上がり、その間を通らんとならんときがあるならな。頭上注意じゃ。

 トラップ・ゴブリンやグレムリンの類は見かけんので、意図的な罠は少ない。

 たまに盗賊が仕込んどることはあるが。

 また天候が変わりかけた時には注意せよ。

 山から駆け降りてきた水が岩の間を駆け巡る。巻き込まれたら到底抗えん。お陀仏だぞ」

「天気には注意するよ」


「宝箱に付いた罠については、そのぶん楽らしいな。

 一番格下と変わらんと、斥候の衆がいっておった」

「そりゃ重畳」


「コアがあるのは崖に立てかけるように赤い縦長の大岩がある場所の下じゃ。

 遠くからでも目立つから間違えんじゃろ。

 なんでも昔の神殿が埋まっとる上らしいぞ」


「ついでだから恩寵についても話してくれよう。

 あの土地のそれは、下が高いが上も低いというのが特徴でな」

「幅が狭い… つまり種類が少ないんだな」

「粒ぞろえともいえる。すべて小粒だが」

「ヘンに奇抜なのを得るよりましなんじゃないか? 【メテオ6】とかより」

「あれ敵味方を区別せんらしいな。自滅系の恩寵をなぜ天は寄こすのか、不思議なもんじゃ。

 なんぞ使い道をまだ見つけておらんだけであろうがな」


 ふざけて作っただけだぞ。


「で、どのあたりの恩寵がもらえるんだ?」

「職種により違いがあるからの。わしの場合戦士であるからして、当然その助言しかできん。

 そして初級より、いくぶん強めの頑丈さ、打撃の向上を見ておる。あとは死人系への特化能力じゃな。

 そこそこ強くなれたあたりで、霊格が満ちてしまって、以来鬼崩しを主な狩場にしとったよ」


 HPの恩寵が出たら追加で+1とかかかな?

安定してそれが拾えるなら、今持ってるのにHP+1だけのがあるので、破棄して空きを作っておくのもいいが。


 うーん、恩寵もらえるのはコア触って帰ってきて神に祈ってからだから、その寸前に破棄するのがよいわな。

 今日の成長チェックで、霊格が上がってくれてたらよかったんだが。


「宝物は?」

「ごくごくまれじゃが、『呪い外しの石』がみつかるの」

「あー、あれか。俺も一個欲しいな」

「ほぅ、知っとるのか。勉強しとるの。

 あれを使うと、いらん恩寵を捨てることができての」

「あ、なるほど。そういう裏技があるな」


 初期のころ出した『呪い外しの石』は普通は名の通り、呪いを除去するのに使うのだが、説明は「指定した『個性』ひとつを消す」だった気がする。



 プレイヤーは呪いでもない限り、自由にPCの邪魔な個性を消してたからほぼ関係なかったが。


「裏技といえばそうじゃの。あまり言わんようにな」

「神官から怒られそうだね」


 神殿は、神から与えられた恩寵に不満を示すのを喜ばないのである。

 勝手に破棄してるなんてのは、ヘタしたら異端認定・出入り禁止かも知れない。


「強めの恩寵に取り換えんでは、深い迷宮には潜れんからのー」

「爺さんもそうしてきたんだ」

「いや。わしは売ったぞ。神罰怖いし」


 意外と度胸なしだった。

 まあガチの信仰心をもち、神官の言うことを信じる人は珍しくないが。

 実際に祈りにより恩寵を得ているのだから、神は実在するのだ。


 …いやまてよ。

 爺さん使ってるけど、とぼけてるほうがありそうだわ。


「こんなもんかの。行ってみて、なんぞ困ったことがあったらまた来たらええぞ」

「その困ったことを生き延びたらそうするよ。

 じゃ、ありがとさん」


 俺は爺さんと別れると、組合の受付でいくらか預金を下ろし、外へ出た。


 神殿には色々不満はあるけど、日々の説教で「嘘をつくな」「泥棒はするな」「悪人は魔物に輪廻し、罪を償いきるまで殺され続けるぞ」なんぞと説いてくれているのは結構なことである。

 生活が成り立っている限り、という限定はあるだろうが、信心深い連中は戒律を守り、おかげで低コストで治安が守られているといえる。

 預金の横領なんてことはまずないらしい。


 じゃあ、神殿が強すぎて独裁する、なんてことになるかというと、いちおうストッパーがあるから抑えられているようだし。



 さて、

 馴染みの防具屋に入り、皮鎧の修繕を頼む。

 金属鎧のほうが防具としての効果はあるけど、斥候稼業には向いていない。


「そういや坊主、お前のことを訊いてきた娘たちがいたぞ」


 工作台で親父が手を動かしながら、そんなことを言ってくる。

 成人してから1年以上探索者をしているのだが、まだ坊主扱いらしい。


「やばいなモテちゃって。

 それでどんな子?」


 ジーネか?


「乳のでかい可愛い娘だ」


 ジーネじゃないな。

 最近見たおっぱい大きい女子は、こないだ蘇生されたメリアとかだが。


「ひょっとして怒ってた?」


 彼女とは笑って別れたつもりだが、何かで気が変わったかもしれん。


「いや。

 霊格が1だと言ったらがっかりしていたくらいだな」

「それ個人情報だろうが」

「なんだそれ?

 お前の知りあいかしらんが、たぶん誘おうとしてくれてるんじゃないのか?

 一人行動で結構生き延びてるから、腕は立つ方なんだろうと褒めといてやったぞ」

「そらどうも」


 幼馴染どもがあちこちで言いふらしたらしく、俺が成人時霊格1だったことは、やんなるほど広がっているのである。

 そして個人情報保護などという文化的発想はこの世界にない。


「霊格が低くとも立派な探索者になったものはそれなりにいるんだ。坊主も気落ちすんな」


 そらまー最後は達成値勝負とはいえるしな。

 誕生時に『得意』技能値で最大を振りだせたなら、特技なしの状態でもそれなりに活躍できるだろう。

 しかし戦士オンリーだと魔法や罠で死ぬが。


 霊格2以上なら、【魔術抵抗】と才能ある斥候の相棒があればなんとかなるかな。


「気落ちはしてねーよ。げんに毎日一人で迷宮潜りに行っても、生き延びてるじゃねぇか。無理と思えば街なかで半端仕事でもしてるわ」

「そういや毎日神殿通いしてるんだそうだな。信心は大切だ。前世の行いが生まれを決めるが、そのあとの在りようは日々の行い、心がけだからな」


 信仰篤いから天が守ってくれている、という事なんだろうが、

 正直そうした発想は、何かの不運にあったものを、「心がけが悪い」と追いつめかねないので好きではないのだが、この世間一般の常識ではあるので、とりあえずうなずいては置く。


「よしできたぞ。装備もまた、日々の手入れが大事だからな」

「そりゃまったくその通り。

 じゃあまたな」


 そのあと武器屋にもよって、片手斧でも買うかで迷った。

 重心が先に偏る分、やはり扱いが難しい。

 自分一人ならともかく、周りの味方に一撃加える可能性もあり得る。今回は見送ることにした。


 俺には今【物理追加ダメージ+2】があるので、片手武器でも両手武器相当の威力がある。

 両手武器は普通「弱めの武器」という表現はしないだろうから、泥田髑髏とかいうのに遭っても、なんとか打撃は通るんじゃないかな。


   ◇ ◇ ◇



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