攻撃を受けた! 新しい敵か?
中堅魔法戦士のレビンとネコマタの「みー」は食事のあと眠りにつきました。
俺は驚愕した。
昨日めしを食ってそのまま寝たはずなのだが、
起きると目の前がぐるぐるぐるぐると回っているのだ・・・
一体どうしたことだ・・・めまいか?・・・気分が悪い・・・・
こんなに気分が悪いのは最後に二日酔いになって以来だ・・・
「そうだ・・・「みー」は?」俺はネコマタの「みー」が気になった。
「みー」のほうを見ると、「みー」もうろたえている。
あちこち走り回って、ときどき木にぶつかっている。
「あっ見て!大地が右に傾こうとしているわ!」
誰にしゃべっているのか分からないが、「みー」は叫んだ。
「そーわいかないわ!左にジャンプよ!」
「みー」は思いっきり左にジャンプした。
ゴンッ!
「みー」は立ち木に思いっきり頭をぶつけた。
「ケロケロケロケロケロ・・・・」
そして聞いたこともないような声をあげながら、「みー」は倒れた。
俺は確信した。
これは精神攻撃に違いない!
魔王の部下には幻魔拳なる特殊な技を使うものがいると聞く・・・
その技は人々に幻覚を見せ、狂わせ、とまどわせる・・・
どうやらその者の攻撃だろう・・・
なぜなら!大地が回っているから!
原因ははっきりした・・・次は対処だ・・・
こんな状態だが、とにかく逃げなければいけない。
やつは物陰に潜んで私たちがくたばるのを今か今かと待っているに違いない。
俺はそう思い、意を決した。
「そーわいかんぞ!お前らにみすみす手柄をやるわけにはいかん!」
俺は「みー」を引きずって山道を下ることにした。
どういうふうに道を下って行ったのか、思い出せないくらい転げまわりながら必死で進んだ。
気分も悪く、足もふらつき、いやな汗が体中から出ているようだった。
途中何人かの旅人が心配してくれたが、どんな敵なのかわからぬ以上、安易に人の手を借りるわけにいかなかった。
しかしついに俺は何とか近くの村まで到達し、宿屋の主人に部屋を借りることができた。
部屋の中に入ると「みー」を担ぎ上げベッドになんとか放り込んだ。
「俺は勝った!ここまでは敵も入ってくるまい・・・」
俺は安堵し、力尽きてそのままそこで寝てしまった。
・・・その後しばらくして・・・
「みー」はゆっくりと起きた
ふと見ると床にはレビンが倒れている。「みー」は状況を理解した。
「レビン・・・助けてくれてありがとう。さすが愛の戦士ね・・・。」
「みー」にはこの事態に思い当たることがあった。
「(レビン・・・やっぱり「おおねずみ」の肉は食べちゃいけなかったのよ・・・
きっと幻覚作用があるのだわ・・・)」
しかし、こうも思った。
「(でも、食べさせたのは私だから、何とかごまかさなければいけないわ・・・)」
「(何とか忘れてくれないかしら・・・)」
「みー」はレビンに忘れてくれることを願うばかりなのだった。