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Let'sたんばく質!!サバイバルワールド

俺の仲間になったネコマタの「みー」。果たしてかわいい外見からは想像できない程の実力があるのだろうか・・・

俺たちは態勢を立て直すために、一番近い町の冒険者ギルドを目指すことにした。

たった2人で魔王退治というわけにはいくまい・・・

村をいくつか通らなければならないが、そこで有望な冒険者をリクルートしてもいいな。

そんなことを考えながら、次の村に進むため山をひとつ越えるところだった。


俺「ん・・・おかしいぞ」

急に小鳥のさえずりが止まり、あたりに不穏な空気が流れ始めた。

間違いない。敵の襲来だ。


「ギ~~ギ・ギ・ギ・ギ~~」野獣の叫びが響き渡る。

おおねずみが現れた。

通りがかる人間を襲う凶暴な化け物だ・・・

体長は全長1.5メートルほど

知能は低いが行動は素早く、鋭い爪と牙を持つ。

一匹とはいえ、油断はできない。

なにせ、さきほど会った熊よりも格段に強いのだ。

おおねずみは目をかっと見開き、口からはよだれを垂らしている。

完全にこちらを敵視しているようだ。


おおねずみのこうげき!

「みー」は軽々と避けてみせた。

「みー」のこうげき!

「みー」は大ぶりのフックを放った。

みごとめいちゅう!

「ギァ~~~~~~~~~~~~~!!!」

おおねずみの頭は裂け、その場に崩れ落ちた。

確かに「みー」は強い!言うほどはあるかもしれない。

おおねずみに対して傷一つ負わない余裕の勝利だった。


俺はおおねずみの死体を横目に立ち去ろうとした。


みー「あっ!ちょっと待って!」

「みー」はふさふさの毛の中からフライパンを取り出し、当然のように言い出した。

「さっそくソテーにしましょう。」

俺は驚いた。「えっ俺たち、おおねずみ喰うの!」

「みー」は悲しそうな顔をして言った。

「今は贅沢言うときじゃないの。食べたいのに食べられない人だっているのよ・・・」

「あなたは野蛮だと思うかもしれないけど・・・これだって野生では貴重なたんぱく源なのよ。」

「一流の戦士は一流の冒険家でもあるのよ・・・我慢しなさい!」

・・・「みー」の言うことも一理ある。

聞いた話では、別世界にどんな生物でも貴重なたんぱく源として食べてしまう冒険者がいるらしい・・・

その冒険者は水分補給のために象のふんから水分を採ったこともあるとか・・・

尊敬はするが、一緒に旅はしたくないな・・・


しかしながら、このような食事に慣れておけば、飢えて死ぬ可能性は少なくなる。

強敵に倒されて死ぬのならば本望かもしれないが、旅の途中で飢えて死ぬことは避けたいものだ。

新しい出会いに新しい考え方・・・すべてこれからの旅に必要なものなのかもしれない。


俺は反省した。

そして、少し怖気づきながらも、意を決して一口かじってみることにした。

口の中にどろっとした、何とも言えない感覚が広がるような気がした・・・

しかしながら、よく味わってみると豚肉に似たような食感だ・・・いける気がしないでもない・・・いや、むしろいける気がする!

きっとワインと一緒に食べたらよく合うだろう・・・ワインないけど。

「どう?」”自分の作った料理は旨いだろ”と言わんばかりに「みー」が聞いてきた。

「うん、ちょっと肉に特徴があるけど、豚肉に似た味だよ。繊維がちょっと歯に挟まる気がするな。」


「みー」は思った。

「(どうやら食べられそうね。)」

「(本当は冗談で言ったんだけど・・・)」

「(私食べたことがないからどうかな~って思ってたのよね。)」

「(・・・一生懸命食べてるわね・・・)」

「みー」は肉を取り、自分でも一口食べてみた。

「(やっぱりあんまり美味しくないわね・・・というか、正直不味いわ・・・)」

しかしながら、何の文句も言わずこの肉を食べているレビンに負い目を感じたのか、ゆっくりと食べ始めた。二人とも無言でただただ肉を食べていた。

静かな時間が過ぎていくのであった・・・

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