殺し重なる屍(完結)

散り散りに燃えゆく花びらに

黒い水玉がどんどん降ってくる

迫り来る赤い尾を引いた矢に

撃ち抜かれた心臓は

止まるはずなのに動いている

息をしないはずなのに

肺は何事もなかったかのように動き続ける

身体を燃やしつくそうとするマグマに埋もれて

雄叫びをあげてみたり

不敵な笑い声をあげてみたり

見えるはずのない光を

はるか遠くに望みながら

轟音を轟かせて迫り来る壁に抗いながら

手が焼け落ちて白く細くなるのを見ながら

屍にひたすら矢を放つ