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赤き旅人  作者: 吉永珠莉
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プロローグ:家出と始まり

吉永珠莉です。

これからよろしくお願いします!


はるか遠い昔でもないけれど一人の少女がいた。

少女は世界を知らず少女は人を知らずただ箱庭の世界に存在していた。

少女は世界を知ろうとした。

自分の家という箱庭から抜け出し、この外の世界を知りたかった。

少女は家を出た。赤い空の下で少女は走った。

街の人たちを追い抜き、門番を無視して外へ出た。赤い空から逃げるように、この外の世界を知るために。

これは外の世界を知らない少女の旅の話、長い長い戦争の始まる前の話。



赤い髪をなびかせて、今にも閉じてしまいそうな真紅の瞳を開いて、ボロボロになった傷ついたローブを必死に持ちながら少女は走っていた。

なぜ少女が必死に走っているかというと家出しているからだ。

幼い時からずっと家にいて一度も外に出させてもらえず、窓から見える変わることのない赤い外の光景と本を読むことでしか世界のことを知ることができなかった。


そんな箱入り少女が孤独を感じて家出をしようと考えないことはなく現在進行形で家出をしているのだ。

少女に行く当てはもちろんなく、本で得た知識を頼りに赤き国からまっすぐ出てすぐの森で遭難してしまっている。

まっすぐとは言っても道中で、追いかけてくる門番から逃げたり、草原や森にいる魔物たちに襲われて、まっすぐ進んでこれたかは微妙だが一応少女は、第一目標の黒光の森にたどり着くことができていた。


黒光の森はすべての木が黒く微量な光を放っていて、生い茂る葉っぱが外の世界の光を遮断した薄暗い場所だった。

いかにも魔物などが出てきそうで恐怖心を煽る場所だ。


少女は目標の黒光の森に着いたはいいが困っていた。

迷ってしまって方角がわからない、そのためどの方向に行けばよいかがわからないからだ。

次に、魔物から逃げるときに魔力と体力を使いすぎて今にもなくなりそうになっていた。

そのため今のままだと戦えずに無残に魔物に殺されてしまうこと。

人を頼ろうにも黒光の森には人も赤き国の住人もめったに立ち寄らないため助けを求めることができない。


どうしたものかと悩んでいると熊型の魔物を見つけてしまった。

まだ見つかっていなさそうだが見つかると戦えずにおしまいだろう。

今の状態だと戦うことはできないので近くにある木に隠れて魔物がどこかに行くのを待つしかない、そう考えて隠れていると魔物が気づいたのか気づいてないのかはわからないが運悪くこっちに近づいてきた。

どしどしと音を立てながらゆっくりと近づいてきた。

このままだと...そう考えていると魔物以外に一つ気配が近づいてきていた。


その方向を見るとこの森に同化するような黒色のローブを着ている人が来ていた。

赤い国の追ってか、または運良く人に出会ったのかと考えていると、ローブの人は腰につけている武器に手を当てた。

多分魔物を倒すのだろう、腰には刀と思われる武器を持っていた。

確か刀は東のほうにある人族の島国で使われている武器だったはず。

本で読んだ知識を思い出して少女はローブの人が西の国である赤き国の人ではない、そう考えてローブの人に助けてもらうことにしようと考えた。

そこまで考えたところでめまいに襲われて少女は体力の限界を迎え気を失った。


少女は目を覚ました。

まだ寝ぼけている目を擦りながら辺りを見渡した。

今いる場所は個室のようで木でできている床や壁、家具や窓などが目に入ってきた。

明るい窓のほうを見ると、血のような真っ赤な赤い空ではなく、うす青い魔石のような青々とした青い空が広がっていた。

少女はそのことからついに赤い国以外の国に来たことが分かった。

また机のほうに行くと共通語、人語、亜人語の三つの言語でかかれた紙と色とりどりの果物が入ったかごがあった。

紙を取り読むと”起きたら食べておけ”と書かれていた。

少女は果物を手に取りベットに座り果物をかじり果実の甘味を堪能しながら考えていた。

木でできた部屋に家具など窓から見える大勢の人族たちからここが人族の国であることが分かった。

そして扉の向かうから漂う食欲をそそるにおいと下から聞こえる賑やかな声から宿屋もしくは食堂の家の可能性が高そうかな。

そして人族の共通語である人語と人族ではあまり使われず覚えてる人の少ない亜人語が書かれていることから貴族、冒険者、もしくは亜人族の人が助けてくれたのかなと、少女は推測していた。

そんなことやこれからのことを考えながら待っていると扉を叩く音が聞こえた。


「入るぞ」


そんな凛とした女性の声が聞こえたあと、ローブの助けてくれた人と思わしき兎人族の女性が入ってきた。

その女性はしなやかな黒髪のロングヘアーと黒のうさ耳が特徴的な凛とした女性だった。


「何だ起きてたのか」


そういうと女性は安心したのか笑みをこぼし、ローブと腰に掛けた刀を机の近くに置きこちらのほうを向いた。


「もう大丈夫か?」

女性の人は心配した様子で訪ねてきた。

そう言われて少女はコクリと頷いた。


「そうか、それはよかった。色々聞きたいが…私の名前はクレア。貴族じゃないから家名はないよ。君の名前は?」


少女は少し詰まってしまった。

あまり人と話さなかったためうまく話せるのか不安になり少し詰まってしまった。

それと家を捨てて出てきているため偽名を作るので戸惑ってしまった。


「……レナ」


「レナか...分かったレナ一つ聞いていいか何であそこにいた?」

女性の目つきが少し鋭くなる。黒光の森にいたことを警戒しているようだ。あの森は一般の冒険者でも一度はいると出てくるのは容易ではない。そんな場所にいたことを警戒しているようだ。


「...旅に出ようとした」


「そうかそんなに幼いのに外に出て通用すると思ったのか?親の許可は、取ってないか。」


女性は少しあきれたようなため息をはいて質問してきた。

「...森さえ出ればある程度通用すると思った。...親はいない」

「そうか」

それだけ言ってクレアは机のほうに戻り椅子に座った。

目を閉じて考え事をしているようだ。それから少しすると、

「これからどうするつもりだ?」

そんな質問がクレアから聞かれた。

「...冒険者ギルドに入って旅をする」

冒険者ギルドに入ればある程度金を稼ぎつつ旅ができるからだ。

「なら一緒に旅をするか?」

クレアから予想外の提案をされて驚いてしまった。

戦闘経験はあまりないので一緒に旅をするほうが楽なのだが少し不安だった。

「...いいの?」

「こっちとしても魔法の使えるサポーターが欲しかったからな。赤き国の人だよね」

クレアが確証のこもった瞳でこちらを見てきた。

「…な、なんで」

どうしてばれてしまった。少女が戸惑っていると、

「ギルドで噂になってるんだ。赤き国が家出少女を探してるってね」

何となく察してしまった。赤き国が私のことを探してあちこち探っているのか。

「それであの場所にいた君を警戒していたんだ。あとは、レナとの会話で考えた」

「…それでどうするの」

あの国にまた戻るのか、そんな憂鬱なことを考えてつぶやいてしまった。

クレアは少し笑って優しく

「どうもしないよ」

そう言った。

「えっ、いま…なんて」

「だからどうもしないよ。君はあの国が嫌で外に出たんだろ、なのになんであの国に帰らせるようなことしないといけないのさ。君はあの国を出たんだあとは自分が決めることだろ。誰かの意志じゃなくてさ、自分の意志で」

「うっ、う…うん」

少女は嬉しくて涙をこぼしていた。やっと箱庭から出ることができて、やっと物語が始めれることに。

「改めて言うよ私とパーティーを組んでくれないか?」

「はい」

これは一人の吸血鬼と様々の種族の仲間たちの物語。


どうでしたでしょうか?

こんな感じで投稿していきます。

誤字脱字沢山あると思いますがよろしくお願いします。

感想や誤字等の指摘など気軽にしてくれると嬉しいです。

これからよろしくお願いします!

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