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運命の歯車  作者: kisuke
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運命の歯車第1章始まりの終わり8

 かつて人々が自由に生きていた世界。そんなことを突然言われてもおそらく大半の人は首をかしげるか苦笑するだけだろう。

 だが今僕はその世界にいる、雪白渚(ゆきしろなぎさ)と名乗る女性にこの世界へと導かれそこで同じ学校のクラスメイトであった城桐火(きずききりか)と再会した。

 ひとまず彼女の無事を確認できたのだから喜ぶべきなのだろうがどうしても素直には喜べない自分がいる。その理由はおそらくこれからこの分けのわからない世界と自分も関わっていくことが分かったからだろうか。

「桐火それで僕は一体どうすればいいんだ?」

「まずはこっちに来て」

 桐火に促され僕は恐る恐る彼女のいる場所まで階段を上っていく。彼女の隣に並んでみると先ほどまでは見えていなかったものが見えてくる。

 それはずいぶんと古びた機械のような大きさ特別大きくもなくせいぜい僕の腰辺りまでの高さだろう幅もそれほどなく形だけをみるならゲームに登場する台座のようだそれがいくつもある。数はおよそ10個程度だろうか。

「これは動くの?」

「この機械はねそれぞれに適合者がいるの。一人につき一つだけのね。だからきっと貴方にも適合している機械があるわ。それがどれかまではわからないからまだ適合者のいないものから順番に試すしかないわ」

「そうなんだ雪白さんも桐火も適合者ってやつなの?」

「私はそうよ、でも渚さんは違うわ。あの人はちょっと複雑な事情があるのよ。そんなことより早く適合している台座を探してくれる?」

 桐火に促され1つずつ台座の前に立ち手をかざしていく。そして7つ目に手をかざしたときにそれは起こった。

「生体認証 被験者ナンバー001と確認 アヴァロン起動 おかえりなさいませマスター」

「当たりみたいね。それが貴方のデータベースになるわ。そこからこの世界のことにアクセスできるから知りたいことを聞けば答えてくれるわ」

 この部屋の扉を開いた時と同じ声が目の前の台座から聞こえてくる。桐火の言うことが本当ならばこの台座が僕がこの世界に来た意味を教えてくれるはずだとそう思い心を落ち着かせながら出来るだけ平常心を保つよう心掛け問いかける。

「この世界のことを教えてくれ。初めから順番に頼む」

「認証 プログラム解凍 応答システム起動」

(これで僕が知りたいことが分かるのか)

「この世界は人類の歴史において起きた大規模な戦争行為により著しく惑星環境を汚染されたため環境の回復のため現在休眠中。人類保護機関によりこの世界と類似した惑星環境を別空間にて展開また人類の統計学的に同じ規模の戦争行為が頻発することは不可避と判断されたため別空間の世界は人類保護機関により一定のプログラムが組み込まれた完全な統治世界へと改変されています」

「それってつまり人間が今の状況を作ったってことなのか?」

「肯定します。人類保護機関は人によって作られた機関でその歴史は古く人類の歴史が記録されているころから存在していたと思われます」

「その人類保護機関に関する詳しい情報はあるのか?誰が所属しているとか人数とか教えてほしい」

「現在確認可能な情報はありません。ですが過去のデータには所属人数はおよそ数千人となるデータが残っています。所属していた人物にはかつての大国の大統領や各国の首脳クラスの人物もいたと記録にはあります。ですが現在も所属している可能性は極めて低いと思われます」

「つまり今現在の情報はなしか」

 これまでのことを総合的に考えるとあの世界は人類保護機関と言われる機関が作り出したもので目的はこの世界の環境の回復だと言うがこの世界を見る限り人が暮らせる環境には戻ったと見えるが今現在人々がこの世界に帰ってくる予定はないらしい。

「この世界の環境は今どのくらいまで回復しているんだ?」

「戦乱当時と比べてこの星の環境は以前よりも回復しています。この環境であれば再び人々がこの世界で暮らすことが十分に可能です」

「だったらどうしてこの世界に戻って来られないんだ?」

「回答不能 人類保護機関からの正式な回答はありません。予測される事態としては人類保護機関の解散または別空間に作り出した世界の在り方がより人の繁栄に適合している可能性を示唆します」

「全部を決められた世界の方が都合がいいってことか。人類をこの世界に戻すためにはどうしたらいい?」

「現在の適合者の人数では不可能と判断されました。全適合者のアクセス権を集約し人類保護機関の中枢へとアクセスしたのちに鍵の保有者による解錠が必要です」

「鍵の保有者?」

「肯定 この世界と別空間の世界をつなぐ役割を与えられた人物の許可が必要です」

 台座のシステムから提示された内容にある一人の人物が思う浮かんでくる。自分をこの世界へと連れてきてくれた女性そう雪白渚の存在がこの世界と別空間の世界をつなぐ鍵ならばあとは適合者を探し出して人類保護機関の中枢へとアクセス出来ればすべてが解決できるとそう思っていた。

 でも現実はそう簡単なものではなかった。70億人を超える人々の中からわずか10人程度の適合者を見つけなければいけない事、それ以外にもまだ知らないことが多すぎたのだ。何も知らないまま少しだけわかったようなつもりで行動した結果どうなるかなんて当時の僕には予測することすらできなかった。

前回の投稿からずいぶんと日が開いてしまいました。

内容に大幅な変更を加えたため投稿が遅れてしまいました。次話の投稿予定日も現在わかっていません。出来るだけ早く投稿できるよう努力したいと思います。

また活動報告にて投稿の有無など確認出来る様に報告していきますのでぜひそちらもご確認ください。

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