運命の歯車第1章始まりの終わり
いつからだろうか、不思議な夢を見るようになった。
いつも同じ内容でそしていつも同じところで目が覚める。
「また、か...」
いつ頃から見るようになったかもよく覚えていない、だが確かに言えることそれはこの夢を見ることもすでに僕にとっての当たり前だ。
そしてそうこれもいつもと同じ。
「お兄もう朝だよ~日曜日だからっていつまでもダラダラしてたらだめだよ~」
いつもと変わらない日曜日の朝だ、妹の亜紀(あき)が扉の前でまるで弟の面倒をみるよくできた姉のような感じで起こしにくる。
そういつものことだ、だから俺は出来るだけ不機嫌に聞こえるように答える。
「わかってる、もう起きてるよ...」
「起きてるならさっさと準備したほうがいいんじゃないかな?」
「?」
寝起きの頭で何を言われているのか未だまどろみの中フル回転には程遠い頭で考える、今日は日曜日だ学校はないそれに今日はある予定があってバイトも休みをもらっている、そうだから...
そこまで思い出してようやく気付くそう今日はすでに予定があったわざわざバイトの休みを取って予定を空けたのだ。
「おい!亜紀!い、今何時だ!」
「もう11時だよ?遅刻じゃないかな~」
終わった...ここから待ち合わせの場所までは30分ほどかかる予定の時間は12時だがこれから準備をして向かってもおそらく遅刻だろう。
「亜紀なんでもっと早くに起こしてくれなかった」
「自分で約束したんでしょ?ならちゃんと自分で起きるべきじゃない?」
もっともな意見だ自分で交わした約束を他人に守れと言うのはおかしな話なのだから。
「とりあえず、連絡するか」
おそらく許してはもらえないだろうがそれでも連絡すらせずに遅れようものならそれこそどうなるかわからない。
「お兄、とりあえずデートに着ていく服はもう選んで置いてあるから、じゃあまあ無理だろうけど頑張ってね!」
そうだった決してデートではないだろうが初等部の2年から何故かずっと同じクラスのとある女子に日曜日の午後から少し付き合ってほしいと頼まれたのだ。
そんな機会はこれまで一度もなかったために非常に不本意ながら妹にどんな服を着ていくか相談を持ち掛けたのだった。
「ああ!わかったありがとう」
ほとんど棒読みの状態だがこちらはすでにそれどころではない、何故か会う予定の彼女(決して男女関係の意味合いではない)に連絡が取れないのだ。
時間にきっちりしているので俺と同じように寝過ごしているわけではないだろうが多少は不安になる。
何せ連絡が取れないとこちらが遅れることを伝えられないのだから、例え連絡が取れずとも遅刻するこちらが圧倒的に悪いのだから文句は言えないが。
「とりあえず、急ぐしかないか...」
この時の俺は知る由もなかった自分が決められた運命にただ流されているだけだと言うことを。
運命の歯車第1章始まりの終わり
とりあえず未だに主人公の名前が出てこないことに少々の不安を抱きながらの投稿です。物語の設定としましては個人的にいつかすべての人が何かによって管理されるのではないという妄想に基づいて考えています。
決してロボットに管理されているのではなく人の平和への思いからすべてを決めてただ決められたことを淡々とこなすようになってしまうのではないのかな~というどうしようもない考えから生まれた小説です。(小説というにはほど遠いかもしれませんが)
作品の中には僕の個人的な見解や解釈が多く含まれると思いますがご了承ください。




