一話 始まり
2×××年。技術は進歩し、未来的になった日本。
病気で死ぬ者は減り、皆が楽しく、笑える世界へと変わりつつあった
そんな時代。
しかし、ある時皆既日食が起きた。同時に恐ろしきバケモノが現れた。
人を食い荒らし、光を消し去るバケモノ。
どんな武器でも、どんな科学でも、どんな技術でも、奴を倒すことは出来ない。
そのバケモノを、人はこう呼んだ。
《シャドウ》
と。
シャドウは影。人々の恐怖の象徴。
シャドウは、暗い場所、時間…主に夜に現れる。
人は夜になると、家に閉じこもり、恐怖に煽られながら、その時間を過ごしていた。
………しかし、ある時、恐怖の象徴である、シャドウを倒せるものが現れた。
謎の力で影を切り裂く者。
彼らのことを人はこう呼ぶ。
《シャドウ・ハンター》と。
ーーーーー
私の名前は《佐藤 あかり》普通の中学一年生です。
まぁ、普通………という言葉がこの世界にあるのかどうかは知りませんが。
だって影が動くんですよ?《シャドウ》っていう存在が、存在する世界ですよ?こんなの普通なわけありませんよね………
シャドウ・ハンターさん。
凄いと思います。みんな怖がるのに、貴方達は勇敢に立ち向かうんです。
世間でも凄い有名人です。まるでアイドルですよ。
ファンも沢山いるらしいです。
まぁ、クラスにも、猛烈なファンが居ますけど。例えば………あっ丁度きた。
「ねぇあかりん!S・Hで、一番好きな人誰?
ザンゲキ君?
タイガー君?
クロネコちゃん?
ワープルちゃん?
あっそれともリンネ様?」
いま言っていたザンゲキ、タイガー、クロネコ、ワープル、リンネ。
全員シャドウ・ハンターの人達です。《S・H》も無論シャドウ・ハンターの事です。
今のメンバーは九人らしいです。即ちまだいます。自分に興味はありませんが。
「私はダントツでリンネ様だな〜!あのミステリアスな雰囲気と、あの堂々とした態度!本当にカッコいいよね〜!」
あっ今話しているこの子は《遠藤 光》ちゃんです。
というか、最近の子って、明るい名前ばっかりですよね。これもシャドウの影響でしょうか。
「私は興味ないから。」
「もーっ!冷たいな〜。」
そう言って膨れました。
まぁ、私が興味あるとすれば、シャドウの正体と、S・Hがなぜシャドウと対抗できるのか………ですね。是非知りたいものです
………一生かかっても無理でしょうが。
「席について!授業始めますよーっ」
「「「はーい!」」」
「次は歴史でしたね………」
そう思ってたからこそ、
自分に、まさかあんな事が起こるとは夢にも思わなかった。
ーーーーー
「何度言ったらわかるの?!また貴方は変なこと調べて!!ねぇ!」
ダァン!!!
机を叩く音が部屋に響いていた。
自分のパソコンを見て、データをまた消去する。
叫んでいる犯人は、私、あかりのお母さんだ。
まぁ、データを消去されたところで、そのページの開き方などは頭に入っているし、原稿はプリント済みだから問題ないが。
調べていたのは、シャドウについてだ。
いつから現れたのか、何故現れたのか…そんな事を調べていた。
機械にはかなりの自信がある自分である。
その事がバレるたびにこの言い合いが始まる。
自分はポーカーフェイスで迎え撃つ。
「何か言うこと無いの?!ねぇ!あかり!」
「ない!私は知りたいから調べてるだけ。」
「シャドウがどんな物か分かっているの?!」
「分かってるつもり。」
「いい加減にしなさい!!!」
そう言って机をもう一度叩く。
「お前の為に言っているんだ。もうこんな事は止しなさい。」
「断る!」
「あかり!!!」
父さんも参戦して、ますますヒートアップ。
自分は辞めるつもりはない。知りたいから調べてるんだ。誰かにああだこうだ言われる筋合いはない。
「とにかく辞めるつもりはない!!」
そう断言した。
母さんお父さんも怒りを隠せないようだ。確かに自分を危険に巻き込みたくないかもしれない。
でも、自分は知りたい。その一心しかない。
決意は固まっている。引くつもりはない。
立ち上がり、パソコンを奪って、部屋に戻ろうとした…。
その時だった。
キャアァァァァァァァ!!!!!!
悲鳴が響いた。
もしかして、シャドウが誰かを襲っているのか?
しかし、この声………
「嘘でしょ………まさか近くに?!」
「部屋の明かりをつけろ!!!バックも用意しろ!はやく!!」
母と父が声を飛ばす。
それ以前に、さっきの悲鳴の主。
「………ひかり!!」
ドアを開けて、悲鳴が聞こえた方へと走る。
興味が半分、友達の心配が半分。
父さんと母さんの声が聞こえた気がするが、無視して走る。
何故か足が軽い。何故?なんでこんな時に?
「………!ひかり!」
目の前には、泣きながらとにかく走っているひかり。そして、追ってくる黒い狼………
「あれがシャドウ?!」
「あっあかりぃ!!」
しがみ付いてくるひかり。
かなり震えている。まるで、ガクガクと音を立てている様に。
目を凝らして前を見る。
ただ黒い体に細長い赤い何か。おそらく目だろう。
そして明らかにわかる殺気。
ひかりを後ろに移し、前に出る。
両手を広げて、精一杯睨みつける。
庇う時の姿勢だ。
「………来るな………」
冷静に告げる。
見た目はなんともなさそうだが、実際、かなり怖い。
どうにかする手段がない。わからない。
ここでシャドウ・ハンターを待つか?
そんな時間はないと見る。
そんなことを考える内に、じりじりと間合いを詰めてくるシャドウ。
その時、何処からか声が聞こえた。
『あと一歩…』
その声が聞こえた後の事を、自分は知らない。
初めまして!《月夜火》と書いて《ルヨカ》と申します!初心者です。
気分で書いた小説です。コロコロ雰囲気とかキャラとか変わったりするかもしれませんが、まぁ楽しんでくれる人が現れる限りは頑張ります。
綺麗事じゃないですよ?
それでは、次回、あるのならお会いしましょう(←