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HELP
「助けを乞いに来たのさ」
「誰に」
一瞬部屋を見回す。
「この部屋にはあんたしかいない」
外人みたく両手を広げ言うISSAに、待ったをかけるように手の平を突き出す。そして片手は顔にやり、僕は唸った。
そして、頭の上に電球が閃く。表現としては簡潔で、古いが、今の僕にはその表現がピタリとハマった。
「よし、わかった。じゃあ、出掛けよう」
その思い立ちに相手は一度逡巡とも取れる表情を見せたが、すぐに意を決したらしく、座ったまま、仔犬のようで、且つ凛とした瞳で僕を見上げた。
「ドライブだ」