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ジーザスクライスト  作者: 或田いち
drive in with my car
12/16

僕の名前の由来

 

 それが何故、カウンターレディーの春水さんに「朔」と名付けられるきっかけになったかと言うと、理由は簡単で、


“夜になると視野が狭まり行動が取れなくなる”僕は、いついかなる時も、そういう事情で、仕事がどれだけ山積みでも、定時に仕事を終えた、端から見たら放棄した。

 そんな僕を気に入らない人間はたくさんいて、その度に皮肉らしい言葉も何度か投げ掛けられたが、どうしようもなく。


 その都度、何も知らないカウンターレディーの彼女は、いつもの調子で「お疲れさまでえす」と言ってきたのだが、ある日受付に用があって彼女と対面したとき、『あ、朔さぁん』と呼ばれた。

 『朔?』僕は首を傾げる。すると彼女は顔を上げて、


『ホラ、田渕さんていつも定時で仕事終えて帰るじゃないですかぁ、それって日頃昼間は太陽みたく働いてる夜の月が、太陽と重なって消えちゃうのと似てるよねえ、ってのと、あと月明かりのないくらい夜みたいなネクラな田渕さんとダブるなあ、ってことで、みんなそう呼んでるんですよお』



「それは理屈が伴ってるとは言わないよ」


 隣から野次が入り、ハッとする。無意識に僕は語っていたのか、横を見ればISSAは何とも複雑な顔をしていた。


「内容と結び付かない理屈は、屁理屈って言うんだ」

「ついでに凡人には理解されない理屈も屁理屈と呼んでいい」


 何もおかしいことは言ってないのに、ほぼ同じタイミングで僕とISSAは噴き出した。



 とはいえ、僕はその伴わない理屈が何だか気に入ってしまって、納得すべきじゃないのに変に合点が行って、仕舞いには自分から朔を名乗ったことで、気付けば周りからもそう呼ばれるようになった。


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