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後編

一応完結です。予想通りの終わり方だと思った方おめでとうございます。いやあだーっ!これ納得できない!って方すみませんでした。スライディング土下座!ですね。

お姉様の嫁ぎ先にきてひと月程立ちました。私の連れて来た令嬢達はそれぞれ素敵な男性と知り合い、あの絶望の毎日から開放されています。元々スペックの高い令嬢達です、国内では人気があったのですが婚約者がいた為沢山の男性達が涙を飲んでいました。今の彼女達はしがらみがなく伸び伸びとした明るい笑顔に癒された人がプロポーズしてるようです。


「皆さん良かったですわ。素敵な方を見つけられたようですね」


「事情を分かってくださる方ばかりですから大丈夫ですわ。貴女にも素敵な方が見つかるわ」


お姉様、ありがとうございます。私は当分遠慮しますわ。そんな気持ちになれそうもありません。



私達が国を出てしばらくすると、陛下と王妃様は離縁してしまったそうです。国を混乱に陥れた陛下に、殿下、取り巻き、一番の悪女の彼女は強国であるライバルン帝国の後宮に全員引き取られました。顔だけは見目が良く甘ちゃんな彼等は壊し甲斐があるとドSである皇帝が喜んで引き取ってくれたそうです。


「国を滅ぼそうとしたのに軽い措置で良かったな」


「私は王だ!こんな事は認められない!」


「そうか?国の重臣共が差し出したのだろう。そなた達に価値などあるまい」



「「「「「「……」」」」」」


「嘘だ!こんな事があってたまるか!」


「間違いだ!国に帰る!」


「私は悪い事はなにもしていませんわ」


「ほう、噂に違わず勝手な女だ。人の物を盗むのが好きそうだな。壊し甲斐がありそうだ」


「嫌ーっ!殿下助けて!」


「ローデシア君を守る!心配するな。」


「くくく、馬鹿な事言うでない。全員これから私のおもちゃになるのに逆らうと?罰を与えよう、楽しみにしているといい。連れて行け!」


元王妃様がこれ以上被害を増やさない為に、知り合いである皇帝に頼み込んで彼等を任せました。次の王には王弟殿下が即位なさいました。優秀な方です、仕事も早く混乱も起きていません。前より良くなったと言われています。話を聞いた数日後お母様が私の元に来ました。


「久しぶりね、シルビィア。私、貴女のお父様とは別れるわ」


唐突に言われました。お父様とは仲は悪くなかったと思いましたが。


「え?」


少し悲しそうな顔をしましたが、表情をすぐ元に戻しました。


「不思議そうね。でも、自分を1番にしてくれない男なんて要らないのよ。最後まで彼女には敵わなかったわ」


後ろを向いて話すお母様の顔は見えません。見せたくないの?


「お母様?彼女とは誰の事ですか?」


辛く当たられた訳ではないのに、お母様とは何処か距離を感じていた。


「シルビィア、私貴女の事心から愛せなかったわ。義母様に似ていたんですもの。知ってらしたわ、上2人の子供が旦那様の子でないと」


お祖母様は私には優しかったですが、そう言えば優秀なお兄様とお姉様には冷たかったのを憶えています。信じられない私はお母様に聞き直します。


「嘘ですよねお母様!お兄様とお姉様がお父様の子でないと言われるのですか!」


嘘だと思いたい!信じたくありません。


「そうよ、私は自由でいたかった。だから彼女が素敵な人だと自慢していたから旦那様を夫に選んだわ」


「自慢?彼女……まさか、王妃様の事ですか!お母様!」


私は半信半疑だったのですが、王妃様が話した事は嘘ではなかったのですね。


「私は旦那様に嘘を吐いて手に入れたわ。でも、心までは奪う事は出来なかった。同情はしてくれても愛はもらえなかったわ。それに、知られてしまったの。だから離縁してもらったわ」


お父様と本当に離縁なされたのですか?これからどうするつもりですか?


「これからお母様はどこに行かれますの?」


「ふふ、心配しなくても私を愛してくれる方は沢山いてよ。彼女みたいに1人だけなんて事ないのよ。私は、リスナーズ王国の公爵の所に行くわ」


全然平気よ、と笑って帰って行かれました。真実を知ったお父様は大丈夫かしら。心配していましたがお母様と入れ違いに、お父様が私に話があると訪れました。


「信じられないと思うが本当の事なのだ。調査表と一緒にお兄様が本当は自分の子供だから後継にしたいとリスナーズ王国の公爵家から、陛下を通じて書簡が送られて来た」


お父様が見せた調査表に、お兄様もお姉様もお父様の子供でないと書いてありました。お母様の言う通りです。そして騒ぎを起こした彼女の本当の母親がお母様であると書いてあったのでした。これには驚きました。


「本当ですのね。ああ!そう言えば元王妃様が言ってらしたわ。彼女は若い頃のお母様にそっくりだと、愛しているお父様を奪われたと」


性格も言動も我儘で、男達を手玉に取るとこさえも瓜二つだとも後から聞きました。


「ミランダがわたしを愛している」


私の言葉を聞いたお父様は驚いていました。お母様に騙されたので知らなかったのでしょう。


「お父様、多分…お姉様もお兄様もご存知かと思いますわ。私は先日お母様に聞きました。リスナーズ王国に行きますと」


そう、出なければ腑に落ちない事が沢山ありました。お姉様もお兄様も私には物凄く優しかった。小さい頃はお父様を好きだった2人が、ある日突然お父様と距離を取り始めた。遠慮がちなお兄様と自国ではない所に嫁ぎたいと願うお姉様。今思えば、自分達の出生の秘密を知ってしまったのですね。


「そうか…私はどうすればいい、全部嘘を吐かれていたのか」


ため息を零すお父様が可哀想になりました。お母様に嘘を吐いていた事が分かっています。結婚する時ミランダ様が殿下を好きだから応援するの。と話していたと。実際は、お母様が殿下に言って自分の思うがままにしたのだと。それに、お母様はお兄様の父親の公爵も居ます。お父様はお母様から開放されてもいいのだと思います。


「お父様、お願いします。元王妃様だったミランダ様を助けてあげてください。ずっとお父様を愛してますわ。まだ、やり直せます。好きなんでしょう?今度は間違えないであげて」


お母様が言っていたわ。結局お父様の心までは手に入れなかったと。今からでも幸せになって欲しいわ。


「今からでも遅くないだろうか?」


初めから間違った結婚だったのですもの。正常に戻るだけですわ。


「頑張ってください。お父様!応援してますわ」


照れているお父様なんてレアだわ。ある意味これで皆幸せになれたのではないかしら、ローデシアのハーレム要員の家は、彼らがいなくなって次男を後継に据えて上手く家が機能している。破棄された令嬢も、新しい婚約者ができたわ。皇帝に引き取られた彼らもローデシアと一緒に居られるのだから文句は言えないでしょう。私から殿下を奪った異父妹より、母親であるお母様の方が数段上の悪女でしたわ。1番初めの原因を作った人です。自分の母親ですが、本物の悪女には敵わないと。けれど、負けずに私も普通の幸せを見つけます。


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