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前編

在り来たり?な気がします。微妙な作品になってしまいました。ごめんなさい。

怒鳴られた途端思い出しました。私、今度の生まれ変わりで、あの有名な悪役令嬢的ポジションになっています。ただ、悪役と言いますが、私が悪い訳ではありません。婚約者を誘惑されて取られただけです。記憶を思い出したので、泣くとかはしなくても大丈夫になりました。こう言う場合の、対処法が分かりますので慌てないですみます。


「そう、怒鳴らないでちょうだい。私は悪くなくてよ」


大人数で、私ひとりを囲んで怒鳴り散らすなんて、男の風上にも置けない非道な行いだと思いますけれど。今の私は冷静に対処できるので困らないわね。


「君が、彼女を虐めていた事は分かっているぞ」


「そうです、謝りなさい」


初めに言ったのは私の婚約者でファディス殿下、その後謝罪を求めたのは、宰相様の御子息、後ろから睨んでいるのは私と同列の侯爵家の御子息、斜め前には伯爵家の御子息。これだけの男を侍らせている伯爵令嬢が優しい?間違いでしょう。彼らにも婚約者がいるのに、その婚約者を無視して、伯爵令嬢である彼女を、優先して大事にしているなんて馬鹿だと思うわ。


「残念ですけど、していませんわ。どうしてそんな事をしないといけませんの?」


優然(ゆうぜん)として扇を口元に当てながら優雅に反論します。自分が悪くないのに、濡れ衣を着せようなんて酷い事ですわ。友人になった令嬢達に、この残念な人達の事を伝えなければいけないと思うと心が痛みますね。


「私、シルビィア様に酷い事されましたわ」


彼女には、普通に婚約者のいる人に手を出してはいけませんよ。と言っただけですわ。それを、湾曲させるとは困った人ですわね。涙ながらに語る彼女に彼らの視線が釘付けです。


「彼女がされたと言ってる。間違いないだろう!」


詳しく調べもせず、一方的に悪いと決め付ける。ここまで、この人がお馬鹿さんだとは思っていませんでしたわ。もう少し、できる男だと思ってましたのよ。勘違いしていましたわ、これほど酷い茶番に付き合わせるとは、どうしようもない人達ですのね。


「だから、怒鳴らないで。声が大きくて嫌だわ。私は、殿下の事は好きではないのに、する必要ないでしょう」


「「「「「え⁉︎嘘だわ」だろ!」」」」


驚いてますわね。記憶を思い出す前の私も、殿下の事は好きではない様だったわね。義務でお付き合いしていただけで、王家から強制されていなければ、そもそも婚約者にはなっていませんわね。この出来事で、今はもっと嫌いになったわ。お父様には悪いけど、彼らの婚約者など、やめてしまいたいわ。そうね、やめた方が良さそうだわ。


「私が話したのは、常識だけですわ。婚約者のいる人に手を出してはダメだと。それは、いけない事なのかしら?」


首を傾げて聞いてみます。狼狽えながらも彼女は、彼らに向かって、悲しそうな顔で涙をぽろぽろ演技が上手いとしか言えないですわ。


「……私、もっと酷い事言われたの信じて!」


「信じているよ、愛しいローデシア。君を悪者にする彼女を許さない!」


「僕もだ、ローデシアは嘘など言う訳がない!」


「ローデシア、貴方の言葉以外は信じませんから安心して下さい」


「そうだ!僕もローデシアを信じてる」


呆れるわ。ここまで嘘を突き通すなんて、やはり本物の悪女は違いますね。彼ら全員が私を睨んでますわ。これでは、彼らが手玉に取られても仕方ないようです。私達婚約者を、悪役令嬢に仕立てた手腕は見事です。どんな酷い事をしたと言ったのかしら?でも、これ以上三文芝居に付き合いたくないですわ。


「君との婚約は無かった事にする。他の令嬢も一緒だ!彼女を虐めた連中とはもう仲良くなどできない」


私も、他の令嬢達もあきれていましたから、今日の事を話してもため息が溢れるだけですね。今更驚かないでしょう。元々殿下の、周りの派閥を固める為に、お付きの御子息と私達の家から後押しで王家を纏めようと、陛下が決めた事。これほど、本人達に否定されてまで続ける必要性も、侮辱されてまで婚約者でいる事も望まないわ。婚約破棄をされた私達には不名誉な事ですが、このままでいたらもっと不幸になりそうですわ。


「そうです。殿下と気持ちは皆一緒です。貴方達には失望しました」


いつも、仕事をさりげなく手伝っていた婚約者に言う言葉ではないわね。アリアが可哀想だわ。


「酷い事する女との婚約なんてごめんだ!」


いえいえ、貴方の後始末をしていた婚約者がいけないと?マリーナはできた子なんですのよ。


「虐めをする君たち婚約者達は、僕には信じられない」


何でもかんでも、婚約者のイリーナにやらせて置いてそのセリフ?ダメ男のくせに!できないからイリーナが婚約者にされたのよ。好みじゃなかったけど、父親からの命令で仕方ないのよ。と愚痴を聞いてるわ。


「では、私が貴方達の婚約者に破棄の事を伝えますわ。撤回はなさらないでくださいね」


陛下が知ったら、頭を痛めそうね。多分私達が、もう一度婚約者になる事はないわ面倒ですもの。


「「「「するわけない!!」」」」


この人達を相手にしていると、頭が痛くなりそうだわ。他の令嬢達も連れて、他国にでも行こうかしら?その方が幸せになれるわね。彼女達とは友達ですもの。勝手な事ばかり言うお馬鹿な人達など置いて、幸せ探しでも行けばいいわね。



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