134-小さな神
予定より遅れましたこと、お詫び申し上げます<(_ _)>
普段より、少し短いです<(_ _)>
新年あけましておめでとうございます<(_ _)>
本年もよろしくお願い致します<(_ _)>
『前話までのあらすじ』
アルワラ族の乱を切り抜けたものの、重傷を負った蔵人はしばらくイライダたちの世話になっていた。
身体が治ると、今後のため、活路を見いだすために魔人大陸へと渡る。
無事に魔人大陸へと渡った蔵人たちであったが、現地の魔獣を食べ、食中毒?になってしまう。
そこへちょうど通りかかった第一村人に助けられ、入国のために村で巡察官が来るまで待つことになったのだが、その夜。
アズロナが不審な誘いに乗り、廃遺跡の中へと入ってしまった。
薄赤い月明かりに照らされた闇の中に、苔むした二つの巨石がぼんやりとそびえ立っていた。
巨石はまるで合掌した両の手のようにぴたりと張りついているが、地面と接する部分にはぽっかりと穴が空いている。
そこにローブを着ているような小柄な影とアズロナが入っていったようで、蔵人たちも後をつけるように足を踏み入れた。
手元に小さな光を浮かべてから廃遺跡内部を進もうとしていた蔵人であるが、雪白はあっさりと蔵人を追い抜き、のしのしと無警戒に先へ進んでしまう。
その先に、アズロナの背中があった。
いつのまにか見失ってしまったローブ姿の小柄な影を探すようにきょろきょろしているが――。
――たしーん。たしーん。
聞き覚えのある音にびくりと身体を竦ませた。
振り向きたくない。
アズロナは心底からそう思っていたが、規則的に鳴り響く音はどんどんと近づいて来る。
――たしーん。たしーん。
振り向きたくない。だが、振り向かなくてはいけないような圧力に、アズロナの首が徐々に動き出す。相反する感情の板挟みにあった首は、まるで油が切れて錆びた蝶番のようにギッギッギっとぎこちなく、しかし確かに振り向いていく。
そして――。
白い尻尾をゆらりと振り上げ、たしーんと小気味よく地面を叩く雪白の姿を見つけてしまった。
見てしまったからにはもう逃げられない。
アズロナは背筋をぴんっと伸ばして雪白に向き直るが、その視線は縋るように雪白の後方にいる蔵人を見つめる、が。
そっと逸らされる蔵人の目に、アズロナの大きな目がさらに見開かれた。
――がうっ!
知らぬ者についていくなと何度言えばわかるっ、また干物にされたいのかっ。身体ばかり大きくなって、中身が伴わないでどうするっ。
アズロナに弩級の雷が落ちた。
アズロナが雪白に叱られている間に、蔵人は廃遺跡の内部を壁伝いに歩いて行く。
広さは教室一つ分ほど。岩の大きさに比べても内部は意外と狭い。
すぐに入口から見てちょうど正反対のあたり、広場の最も奥に辿り着いた蔵人は立ち止まる。
ぽっかりと空いた穴。
その先で岩が音もなく削られていき、次々と階段が形成されていった。
上へ。
何者かの意志。こんな場所で――。
そこまで考えたところで蔵人にもピンと来た。
「……これは、あれか?」
遺跡絡みの不思議現象といえば、『混古』や『セレ』、『名もなき神』といった現在では廃れ、忘れられようとしている神たちのことである。
小柄な影の誘いがあったり、落とし穴ではなく階段であったりと、強制的な誘いでないところに不安を感じてしまうあたりあれである。
そんなことを思いながら蔵人が穴を覗き込み、上を見上げていると、とりあえずお説教を終えた雪白がやってきた。
その後ろでは涙目のアズロナが恨みがましい目で蔵人を見つめてから、頬を膨らませてぷいっとそっぽを向いてしまう。
丸っきり飛竜っぽくなく育ってしまったがこれで大丈夫かと不安に思いながらも、蔵人は雪白を見る。
「たぶん、忘神絡みだと思うが、行っても大丈夫そうか?」
蔵人が尋ねると、雪白は何を今さら、という風に上っていく。
雪白に叱られてしょんぼりしているアズロナがのそのそとその後ろをついていき、蔵人もそれを追いかけた。
――そこで、ストンっと落ちた。
「――ぐっ」
急な落下に蔵人は呻きを漏らすが、やはり忘神絡みかとある意味で安堵していた。落とし穴があって安堵するとかやはりあれであるが。
だが、一緒に落ちたアズロナは咄嗟のことに、バタバタと暴れ、パニックに陥ってしまう。
――がぶっ
「――い゛っ゛。噛むなっ、焦るなっ」
助けてっと蔵人の足を噛んだアズロナ諸共、蔵人は穴を落ちていく。
そのあとを、呆れ顔の雪白が追いかけ、落ちていった。
『――フハハハハハハハハっ、我が前に跪くがよいっ』
アズロナに縋りつかれ、纏わり付かれて落下した蔵人、そしてその横に雪白がちょこんと座っている。
声は、三人の前にぽつんと鎮座するちんまりした、黒い女神像から発せられていた。
道ばたの地蔵ほどの大きさしかない小人種のごとき黒石像。
幼女ではなく、人種をそのまま縮小したような小人種によく似ているが、その特徴であるという頭髪の多さという特徴はなかった。
『――我が名はアーゾ・アラ・アユマ。絶対なる悪を司る至高神なりっ。さあ、描くがよい。我が身を描き残して信仰を集め、今世を謳歌する地上の神どもを追い落とし、再び我が世の栄華を取り戻すのだっ』
嘘くさい悪役というのがぴったりくるような台詞であったが、頭に直接伝わってくる意思はまったくの本気にしか聞こえないのだから蔵人としては反応に困る。
確かに、忘れられし神であるようだ。
但し、悪神。
そのことに、小さな驚きがあったが、考えてみれば納得もできる。
蔵人がこれまで出会ってきたのは、基本的には善神であった。
『混古』は蛮族の神であったが悪神というわけではなく、蛮族や魔獣にとっての善なる神である。裁きを司る『セレ』は当然善神であるし、砂漠で出会い、顔なき顔に蔵人が目を描いた『名もなき神』とて、極めて原始的で、畏怖や未知なる闇をそのまま神に当てはめただけで、悪神ではない。
しかし、忘神とはいえ神なのだから、当然悪神というものがいてもなんらおかしなことではない。
悪神という存在に多少の忌避感があったことは否定しないが、それも悪役気取りの悪神の言動でふっとんでしまった。
その衝撃で、忘れられた神の女神像に会ったときはとりあえずしているお供え物もすっかり忘れてしまっていた。
「……帰ってもいいか?」
つい、ぽろりと零してしまった蔵人の本音に、雪白も頷く。
悪神だから、というわけではない。
平身低頭しろとは言わないが、こうも尊大に命じられてはやる気も失せるというものである。
だが、小さな悪神は蔵人のテンション低下など気にも留めず、偉そうに言い放つ。
『フハハっ、我が罠にノコノコとかかった愚か者めがっ。我が許可せぬ限り帰れるはずもなかろう』
アズロナを招いた影が悪神の手先ということか。だがそれでは階段で導こうとした意味がわからない。階段で落とさずとも、あの広場すべてを落とし穴にしてしまえばいいのだから。
「……いや、前に聞いたが、三日も経てば自然と帰路が現れると聞いてる」
それはかつて混古やセレ、名も無き神から聞いたことであったが、ここに骨の一つも転がっていないのだから、おおよそ間違ってもいないはずである。
――ぎくっ
極めて素直な性質らしく、蔵人たちの頭には悪神の動揺が伝わってくる。
悪神とはいっても忘れられた神。力を失った悪神というのは意外とこうなってしまうのかもしれないなどと蔵人は思っていた。
『わ、我が悪辣なる下僕たちが汝らを逃がすわけがあるまいっ』
すると、黒い女神像の後ろから小柄な何かがそっと姿を見せた。
罠魔。
ぶかぶかの黒いローブをフードまでしっかり被った子供のようにも見えるが、そローブを着ているのではなく、それら全てが身体であり、餅のような質感である。突起にしか見えないような短い腕が四本あり、僅かに見える顔の下半分には三日月にも似た赤い大きな口があった。
この罠魔こそがおそらくはアズロナを招いたローブ姿の小柄な影の正体であるようだが――。
「……たち?」
蔵人が呟いている間に、えいっと小さな腕を振るわれる。
――かっこんっ
小さな木の桶が蔵人の頭部に落ち、マヌケな音を立て、消えていった。
「……本当に帰るぞ?」
『ま、まだだ、まだ終わらぬ』
罠魔の背中から、何かがひょいと伸びてきた。
そんな気配を蔵人は感じて、咄嗟に盾を構えるが、その衝撃は不可思議なもので。
――ぬるんっ、ぺろんっ
すでに雪白などは呆れて寝そべり、大きな欠伸をしている始末。
アズロナはアズロナで罠魔が気になっているようで、じっと罠魔を見つめていた。
箱魔。
遺跡内の宝物を納める器に擬態した魔獣で、本来ならば宝箱を開こうとする者を噛み殺すのだが、どういうわけか蔵人の盾、氷鵺の双盾を舐めているだけであった。
箱魔を背負った罠魔。
それがどうやら悪辣な下僕たちの正体であるようだが、いささか頼りない。
蔵人は同情すら込めて、労ってみる。
「……大丈夫か?」
『えーいっ、うるさいっ、うるさいっ、いいから描くのじゃっ』
蔵人の脳内では、小人種がジタバタと癇癪を起こしているようにしか感じられなかった。
『――きちんとした手順でお招きすると言ったではないですかっ』
突然、蔵人の背後、黒い女神像の対面の壁がごりごりと音を立てる。
その音に蔵人が振り返ると、あっという間に壁が掘られていき、小さく白い女神像が姿を現わした。
黒い女神像に瓜二つの白い女神像。
だが、黒い女神像は白い女神像の言葉など跳ね返すように、さらに癇癪を爆発させる。
『知らぬっ。なぜ我が手順などに従わねばならんのだっ。我は悪神ぞっ』
『それで飛竜の仔が叱られてしまったではないですか。せっかくせめて階段でと導いたのに、そこを落とし穴にしてまで、何をやっているのですか』
『汝が我が下僕を奪おうとするから悪いのじゃっ。汝のものは我のものであるが、我のものは、当然我のものだ。奪うことはまかりならんっ』
白い女神像はこっそりと穏便に蔵人たちを呼ぼうとしていたが、悪神が階段を落とし穴として、蔵人を横取りした、というのが真相であるらしい。
癇癪を起こして怒り散らしている黒い女神像を無視し、白い女神像は蔵人に直接語りかけた。
『――私の名はアンリ・アラ・アスマ。かつては善なる神として存在しておりましたが、今はこのありさま。もしよろしければ私の、いえ私たちの姿をこの世に描き残してはくださいませんか』
こういう風に丁寧に頼まれては蔵人としても断り辛かったが、色々な意味を込めて、蔵人は黒い女神像をちらりと見やった。
溜め息。
小さな白い女神像のそれはなんともいえぬ物憂げなもので、その身と所作のアンバランスさに蔵人も少しずつ描きたいという気持ちがわき出してきた。
『……忘れ去られ、消滅するのが定めとはいえ、こうして消滅寸前に事情を知る者が現れたというのに。あのアユマも本来ならばもっと誇り高き悪神であったのですが、力を失い、石像すらもこうちんまりしてしまっては……』
消滅寸前だから、小さな石像であったらしい。
本来の姿は一目で人を堕落させるような美貌であったのだとか。
「……前から思っていたんだが、絵が描けて、遺跡を潜るためのある程度の強さを持つ者という条件ならこの大陸にもいそうだが? わざわざ俺を待つ必要はないだろ?」
『古き神は忘れられ、遺跡に囚われ、力を吸い上げられ、消えゆくことが定め。ですが、我々はあわよくば今の世に名と姿を残し、意地汚くも定めを先延ばしにしようとしています。今が盛りの神々にとっては面白くないでしょう。まして、他の神の信徒であるこの世界の者たちに我らが接触してしまえば、彼らの逆鱗に触れかねません』
故に、この世界にありながら、なんらかの事情で神の影響下にない者か、蔵人たち召喚者のようにまったく別の世界から来て、この世界の神に関わっていない者たちにしか頼めない。
『――竜神の子孫どもに頼むくらいならば消滅したほうがマシじゃっ』
黒い女神像が怒鳴り声を上げた。
だが、あまりの怒りに以降はマトモな説明をすることなく、わめき散らしている。
再びの溜め息と共に白き女神像が説明するところによると、この善悪の二神は現在に残っている断片的な神話では暴虐の竜神に食われ、消滅させられたことになっているのだとか。
神話がそうであるなら、神たちの事実もそうなってしまうわけで、黒き女神像はそれが悔しくて仕方ないらしい。二万年以上もぶちぶちいっているという。
『そもそもお前が悪いのだっ。信徒たちを甘やかすからっ』
『貴女がそれを言いますかっ。試練という名目で過剰なまでの生贄を要求するから、私がそのフォローに回らざるを得なかったのですよっ』
神々の争いというよりも子供の喧嘩。
その小さき姿もあって、蔵人の脳内ではそんなことになっていた。
蔵人は溜め息をつきながら、それでも絵の道具を取り出す。
描かずにいても暇なだけである。すでに居眠りを始めた雪白を背に、蔵人はモデルを見つめた。
白と黒の女神像。
なんとも生々しい造型をしているが、髪以外はほぼ小人種である。宝飾品をこれでもかと身に纏っているが、異形の要素は皆無であった。
モデルを見つめ、自分の中に埋没していく。
どう描くべきか、どう表現すべきか。
いつものように穴が空くほど女神像を見つめていると、ふと思い出した。
レシハームにいた頃、思うように描くことができなかった小人種の女のことを。
(――アハハハハハハハッ)
黒い女神像にも似た、いやそれよりも遙かに艶かしい哄笑が蘇る。
レシハームで出会った脇役女優のナダーラ・ヤグ。小人種であったが肉感的で、奔放な女であった。それこそ正義も悪も知ったことかという風で。
蔵人は二度、ナダーラを描いたが一枚目は燃やされ、二枚目は笑われた。二枚目こそ燃やされなかったが、それは絵を小手先で誤魔化しただけである。
至極当然な話であった。
ナダーラっぽいという勝手な想像で描いただけで、そこに込められた情などない。美しく奔放な女を描きたいという蔵人の欲求だけで描かれたものがそうそう受け入れられるわけもない。
今度は描けるだろうか。
蔵人の絵は趣味、魂の欲求で人の評価はそれほど気にしていなかったが、蔵人も人間である。
ナダーラの評価を完全に無視は出来ていなかった。
ナダーラの記憶につられるようにして、ハンター協会職員のリヴカや老婦サディ、牙虎族のファルシャ。
まるでフラッシュバックするようにこれまでの記憶が込み上げてくる。
怒りも哀しみも、やるせなさも。そして悲劇も。
今はまずいと再び絵に没頭しようとしたとき、脳内に声が響いた。
『――汝にとって絶対の悪とはなんぞや?』
突然の問いであった。
まるで先程までの癇癪が嘘であったかのような黒い女神像の厳粛な声。
蔵人は反射的に答えていた。
「強姦、とか?」
『それはあくまでも性行為が悪い方向に転がっただけであろう? 良き方に転がれば子孫繁栄に不可欠ぞ』
そう言われて、言い足す。
「……足りているのに奪う。合意もなしに犯す。楽しむために殺す。そんなところじゃないか?」
では足りていると足りていないの境界船はどこだと言われれば、蔵人としても困ってしまう。言葉にできそうになかった。
『――』
端的に言い表すことの難しかった蔵人がそれでもそう言い切ると、女神像たちは何も返さなかった。
それどころか、まるで何もなかったかのようにくるりと顔を戻し、再び諍いを始める。
――問うこと。
蔵人もあとから知ったことであるが、今はもう名もなき古い神話において、この二柱の神は創造神に次ぐ地位であり、その役割は問うこと。
返答もなければ、当然解答もない。
あくまでも問うだけ。
善悪の神であると共に、一種の告解や懺悔を司る神であったのだとか。
蔵人は食事も片手間に済ましながら、絵を描き続けた。
ふと気づけば、もう丸一日ほどが経過している。
食事は雪白たちに焼いたハンバーグだけだして、片手間に食事を済ませていた。
だから、気づかなかった。
気づいたのは一食どころか二食も三食も食べたあと。
ふと見ると、アズロナと罠魔が仲良くハンバーグを頬張っていた。
「げぴ?」
三日月のような口を大仰に動かし、もぐもぐし、そう鳴いた。
深々とローブを被った二等身の子供のようで可愛らしく見えないこともないが、なんともいえぬ鳴き声である。
『今頃気づいたかっ、神を愚弄した罰じゃっ。そやつの食料が果てるまで食ろうてやるがよいっ』
食料が果てたら描けなくなるんだがな、ともはや相手をするのも面倒になって、再び絵に没頭した。
それからさらに丸一日が経過して、絵はようやく完成した。
『なんじゃっ、このちんちくりんはっ』
いや、お前だよ、とは言わないものの、蔵人も雪白も、そして白い女神像すらもそう思っていた。
『これで十分です。名と姿、その意味を残せれば。ありがとうございます』
白い女神像がそう呟くと、蔵人たちの身体は急上昇した。
『……ふんっ、まあ、よかろう』
そんな黒い女神像の呟きを聞いた直後、蔵人たちはあの廃遺跡の広場に戻っていた。
雪白、アズロナも無事。
蔵人はいつものように狐に化かされたような心持ちに成ながらも、手元の女神像の絵を見て、やはり現実であったのだと思い直して立ち上がる。
「……どうかしたか?」
雪白がすでに立ち上がり、廃遺跡の出入り口を睨んでいた。
よくよく考えれば丸二日、消えていたことになる。
面倒なことになるかな、と思いながら蔵人たちは注意深く出入り口に向かった。
出入り口の脇からそっと外を見る。
――竜がいた。
いや、人、竜人種の女。真っ赤な髪から突き出た竜角、その背にある竜翼がその証であった。少しばかり薹は立っているが、見事な女偉丈夫である。
「――そこにいるのはわかっているっ。ゆっくりと姿を見せるがよいっ」
威厳に満ちた声ははったりなどではなく、しっかりと蔵人たちを認識しているようであった。
蔵人がどうしようかと考えようとするが、その前に雪白の楽しそうな獰猛な顔を見てしまって、肩を竦めるほかすることがなかった。
2018年4月21日追記
新連載です。よろしければお暇潰しにでもどうぞ<(_ _)>
異世界列車の車窓から ~用済み勇者の身の振り方~
https://ncode.syosetu.com/n3283ep/
用務員さんのほうはもうしばらく……<(_ _)>