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第八話 中学篇〜学校行事 体育祭〜

「……い……おい……あおい」


遠くから目覚ましの音が聞こえる。

うるさいな…俺はまだ寝てたい……。


「…葵!ほら、さっさと起きろ。遅刻するぞー、おまえ」


「んー…」


翌朝、雅やんに叩き起こされ、ようやく目が覚める。


身体中が痛い。

あれ?俺昨日ヤったっけ?


起き抜けの頭で色々考えて、昨日の試合を思い出す。普段使ってない筋肉酷使したから、全身が筋肉痛なのだと思い至る。


週一で筋トレしているとはいえ、この痛さは酷い。


少し身体を動かすと多少筋肉が解れたのか、起きた時よりは大分マシになった。


「お前ようやくまともな中学生活送ってんな。そのまま健全に中学生活終えて欲しいんだけどな、オレとしては…」


「嫌だね。

今回はたまたま試合出ることになっただけで、俺は遊んでる方が性に合ってんの」


「はーちゃんや、お前の母ちゃんに会ったらどう説明するか、オレは頭いてーよ」


頭を抱える雅やんに『いってきます』を言って学校へ行く。


学校に着くと、彼女や友達に口々におめでとうの言葉をもらって、なんだかくすぐったい。


冬の大会も出て欲しいと頼まれたが、断った。部活を真面目にやっていると、夜雅やんの店に行く気力がなくなるのだ。


不純な動機だろうがなんだろうが、俺は遊びたい。


大会も終わり、安堵した葵を待っていたのは怒涛の学校行事。体育祭に文化祭もどき、合唱コンクールに校外学習。


そんなにつめこまなくてもいいだろうと思う。

一番側近の行事は体育祭。部活の練習に明け暮れていて、すっかり忘れていたというか、授業では散々動きの確認やら競技の練習やらをやらされてはいたのだが、どうでもよすぎてなあなあに流していた。


体育祭の本番は明々後日の3日後だ。

明日は体育祭の予行練習があるらしい。

とりあえず、明日は学校を休もうと決める。自分の出る競技は、把握してるから問題ないだろう。残暑厳しい校庭の炎天下で、体育祭本番だってやりたくないのに、予行練習などそんなことやってられるものか。


彼女を含め、女子たちは全員ダンスを踊るそうだ。雅やんにそのことを話したら、体育にダンスが取り入れられるようになったのは最近らしい。


翌日、適当な理由をつけて学校を休み、近くのジムへ向かう。


あの大会後みたいに、終わったあと身体中バキバキというのはもう懲り懲りだ。


夕方くらいになると、彼女が今日配られた学校のプリントやなんかを、家まで届けてに来てくれた。


今回の彼女はわりと女子グループの中で中心にいるタイプの子。ハツラツとしていて、ムードメーカー気質。


しおりとは逆の性格だけど、それでも可愛いと思えてしまう。


お互い部活が忙しくて、まだデートらしいデートは出来ないまま一月半が経ってしまった。部活終わりに一緒に帰ったりはしていたが、それ以上のことは出来ていない。


「茜……何も予定ないなら、少し上がってく?」


本当は家に人をあげたくはないのだが、このまま週末あたりにデートしてさよなら、というのはしおりの時との差がありすぎて、不公平だと言われかねない。


体育祭の振替休日にどこか行こうと提案したら、ちょうどチケットをペアで譲ってもらったから、夢の国に一緒に行きたいということだったので、断る理由もなく了承する。


翌日は通常通りの授業で、迎えた体育祭当日。


雅やんが『見に行ってやろーか』と面白半分で、からかってきたから蹴飛ばしてやった。


たまたま昨日の夜店に来たノブママに体育祭のことを話したら、なぜか朝特大弁当が用意されていた。

朝方ノブママが家まで届けに来たらしい。


流石に食べきれないと、雅やんに話したら『昼時行って一緒に食ってやる』とのことなので、お昼は男二人でむさ苦しいことになりそうだ。

茜は両親が張り切って色々準備してるそうなので、おそらく抜けて来られないだろうということだった。


そして残暑厳しい炎天下の中、体育祭が始まった。



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