表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩 屋上で俺が歌う

作者: WAIai
掲載日:2026/05/20

「ラララ」


屋上で俺が歌い始める。

すると、彼女が驚いたように聞いてくる。


「何の曲?」

「さあ?」

「さあって…」


彼女が戸惑っているので、俺は素直に言う。


「何でもいいから、口にすると、気持ちいいんだよね」

「そうなの?」


俺はうなずくと、手すりに腕を乗せる。

風が向かってきて、木の香りが流れてくる。


猫みたいに気持ち良さそうに目を細めると、彼女が手すりに触れてくる。


彼女は何を考えているか分からないが、また俺は歌い出す。


「ラララ」


彼女はうるさいとは言わず、遠くを眺めている。

ロングヘアーが流れ、まるで滝のような涼しさを覚える。


すると、当然、彼女の身体が倒れそうになる。


「危ない!!」


慌てて受け止めると、彼女が体勢を直し、言ってくる。


「ありがとう」 

「どういたしまして」


制服を叩いて大丈夫なのを確認すると、彼女が頬を赤らめる。


「あの、もういいから」

「あ、悪い」


離れると、彼女の表情が、残念がっているように見えるのは、俺だけか?


柔らかな身体、もう少し触れたかったなと手を見つめる。


2人の間に、沈黙が訪れる。


それは嫌なものではなく、どうしても必要な時だった。


俺は両手を伸ばし、太陽と目を合わせる。

彼女はそれをちらりと見、


「カラオケでも行く?」

「うーん、どうだろう?」


俺は気のない言葉を口にする。

このまま、自然を観客に歌っているほうが、気持ちがいい。


彼女もそれ以上は言わなかった。


「ラララ」


彼女の肩を抱き、歌い続ける。すると、彼女が俺の胸に頭を預けてきた。


俺は嬉しくなって、歌い続ける。

まるで吟遊詩人みたいだと、自分を例え、風に流していく。


あー、気持ちがいい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ