表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢見る羊は何を知る  作者: 藤本レン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/1

夢見る羊は何を見る

<ウサギと亀は長い喧嘩の末にお互いに恋心を抱き合った>


「小学生の作文かね?こんなものだーれも読まないよ」


編集長直々に、そう言われてしまった。


「なんていうかね~君の物語は単純なんだよ。5ページも見ればオチが読めるかんじ?」


このアドバイスを聞くのも何回目だろうか。


「絵はまだいいんだけどねぇ。ストーリー磨いて出直してね」


横柄な態度で原稿を突き返される。


唇を軽く噛み、固い拳を必死に緩めようとする。


「ありがとうございました。もう一度出直してきます」


作り笑顔で一言お礼を伝え、席を立つ。


扉へ向かう間、ごにょごにょと何かを言っていたようだったが、知らないふりをして部屋を出る。


「今回、ちょっと自信あったんだけどな」


廊下に出ると涙が落ちそうになるも、必死に我慢した。


「~~♪」


イヤホンから伝わる音が、頭の中をグルグルと回る。


揺れる電車、家まで歩く道。


全ては、嫌なことを思い出さないために——




家に着くとため込んでいたものが溢れ出るようにソファーへ倒れる。


「はぁぁぁぁ……」


疲れと苛立ちから、机に置いてあるタブレットを手に取る。


開いたのはアニメサイト。


そこで、私の好きなほのぼのアニメを見る。


「今日は気分じゃない……」


そう言って今度は、アクション系を見始める。


「これも気分じゃない……」


結局タブレットを机に置き、深呼吸する。


「気にしない、気にしない!」


「さ!お風呂入ろーっと!」




次の日、いつも通り会社に出勤して業務をこなしていると隣の部屋から怒号が聞こえた。


同僚たちと隣の部屋を覗きに行ってみると、


「何でこうなるんだ!!!」


課長が激怒している。


その原因はすぐそばにあった。


まさかの椅子の背もたれが折れている。


始めて見た壊れ方に思わず、


「なにやったの…」


思わず声を出してしまった。


何やってんだと小声でささやく同僚たちは、すでに壁裏へ身を隠している。


自分のやらかしに気付いた時にはもう手遅れだった。


「おいお前!何見てんだ!」


課長からすれば、私一人がのぞき見している様に見えているだろう。


しっかりバレて、ほかの社員もいる中でありがた~いお話をしてもらった。


「罰として今から同じ椅子買ってこい。それで、今の件はチャラにしてやる。」


「ふぇ??」


「でっでも、私自分の車持ってないですし、お金だって——」


「車は社用車使えばいいし、レシート持って来れば経費で落としてやる!わかったらさっさと行け!」


そう言われ課長はデスクの上に社用車の鍵を叩きつけた。


すると課長はそのまま休憩へと入ってしまった。


「うそでしょ……。」


しょうがなく椅子を買いに、車のエンジンをかけるのだった。


主人公:望月 つばめ (26歳)


美術専門学校卒の社会人。専門学校時代も特に目立った活躍もなく、就職活動も大変だったようです。


いずれ、「自分じゃダメなのか」と思うようになり、友達に相談し始めると、事務職の仕事を進められるようになり、そのままそこへ就職します。


しかし、時が経つにつれ、やっぱり漫画家になりたいと思うようになり、現在は、仕事をしながら出版社へ持ち込んでいるという状況です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ