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FILE6-代償と感謝

こんにちは!!龍河デス。

今回から新章が始まりです。


最近、小説の書き方について書いてある参考書を購入しました。

人に「面白い」と思わせる物語を書くのってすごく難しいですね。


それではスタート!!

 俺は夢を見ていた、きっとつまらない日常に飽きてこんな”非日常”を体験したいなんて真相心理の中で思ってしまったのだろうか?


 夢の中の俺は、大きなとんがり帽子を被った赤髪が目を引く「魔女」に火魔法をくらって廃ビルを逃げまわって、最後は王子様みたいな幽霊魔女と協力して倒していたっけな。面白い”フィクション”だと思った。


 さて、そろそろ次の面接先探さないとな・・・。



ーーー「はっ!?」


 俺が目を開けた時、覚えのない天井が視界に入った。ここはどこだろうか? ベッドに横たわった状態でまわりを確認した。右を向くと窓があり太陽の光と生暖かい風が入って白いカーテンが揺れていた。左を向くとスライド式のドアがある、大きい銀色の取っ手が付いてるタイプだ。するとそのドアが横へスライドして誰か入ってきた。


「アマミヤさーん、着替えの時間でーす」


 上は紺色、下は白のスクラブってやつだったか?を着た女性が入ってきて俺と目があった。女性は驚いた顔をしていた。


「アマミヤさん!? 意識が戻ったんですね!! いっ、いま先生を呼んできますので!!」


 そう言うと急いで部屋を出ていった、口の中が乾燥していてうまく声が出せなかったので正直今は水が欲しかったなぁ・・・と思いその先生とやらを待った。


 その後、白衣をきた男の人がきて色々説明をしてくれた。


「精密検査をして脳には異常は見られませんでした。身体に打撲や切り傷はありましたが処置をしましたのでこれから少しずつ治っていきます、左肩が外れていたのでこちらも処置をして骨を元の位置に戻しています、しばらくは安静にしていてください。そして深刻なのが左腕のやけどでこちらに運ばれた時点で損傷レベルが『ⅲ度』に達していました。緊急手術をしてこちらも手を尽くしましたが残念ながら元通りというには・・・」


 俺はぐるぐるに包帯が巻かれている左腕を見た、あの”出来事”は夢ではなかったんだなと実感をしていた。


「そうですか、まぁ命があるだけ儲けもんですよね」


「はは、魔女に襲われて五体満足で帰ってきたんだから確かに君は儲けもんかもしれないね」


 そんな感じの話をしながら今後の検査や治療のことを話して先生は部屋から去っていった。俺は先ほどのスクラブを着た女性-看護師さんに身体を拭いてもらい着替えを手伝ってもらった。


 そういえば今はあの”出来事”からどのくらい経っているだろうか?


「すいません、俺ってどのくらい寝てたんですか?」


「えーっと、五日ですね」


「いっ、五日・・・」


 大分お寝坊さんってわけか、人ってこんな寝れるもんなんだな。


「アマミヤさんが寝ている間、ずっと「イヴちゃん」お見舞いに来ていましたよ、今日もそろそろ学校が終わる時間なんで来るかもしれませんね」


「 イヴ・・・、その子無事だったんですか!?どこもケガしていなかったですか!?」


 俺は看護師さんに食い下がるように問いただした。自分のことよりあの子がどうなったのか聞かずにはいられなかった。


「落ち着いてください!! まだ起きたばっかりなんで興奮しちゃダメですよ、逃げる際に転んであちこち擦り傷とかはできたらしいですが大丈夫です。ちゃんと生きてますよ」


 俺はイヴちゃんに大きなケガがないことを知り、心が軽くなった。本当に良かった。


「それが聞けて安心しました、すいません大きな声出してしまって・・・」


「いえいえ、ただまだ安静なんでなんかあったらナースコールで呼んでください」


「分かりました、ありがとうございます。」


 そういうと看護師さんも部屋から去っていった。さて入院生活なんて初めてだけど暇だなぁ・・・。リュックの中にあった本とか携帯端末とかあればよかったんだが、あれどうなったんだろうか?誰かに聞けば分かるかな。俺は少し疲れたので目を瞑った、イヴちゃんがくるまで少し休もう・・・・。




ーーー「んんん・・・、ふぁ?」


 俺は目を覚ました時、外は日が落ちており夕方になっていた。しまった!!少しと思っていたらこんな時間まで寝てしまうとは・・・。


「イヴちゃんとちゃんとお話出来なかったな」


ーーー「大分元気になったみたいだね、”少年”」


 俺は突然聞こえた声の方向を見た、すると大きなとんがり帽子を被った女性が足を組んでイスに座っていた。俺の心臓はドクドクと鼓動を加速させていった、頭の中にはあの魔女「テネフィラ」の姿がフラッシュバックして冷や汗が止まらなかった。


「なんだあんた、あの人攫い魔女テネフィラの敵討ちにでもしに来たか??」


 俺は恐怖を悟られないよう冷静な態度で質問をした。


「落ち着きたまえ ”少年”、私をあんな「黒魔女」と一緒にしないで欲しい」


「じゃあ、あんた一体・・・?」


「私は、”対魔女犯罪対策局 局長”『クロエ』だ、見ての通り”魔女だ”以後よろしくたのむよ」


 そう目の前の女性は立ち上がり帽子を脱ぐと、丁寧に挨拶をしてくれた。背は高くスラっとした佇まいに綺麗な長い黒髪、顔も整っており歯がギザギザしているのはそういう歯なんだろう。


ーーー「頼れる姉さん」という印象が俺の第一印象だった。


「対魔女犯罪対策局・・・、魔女犯罪を主に取り扱う治安組織の局長さんがお見舞いなんて、先ほどは知らなかったとはいえ無礼なことを言ってすいませんでした」


 俺は起こした身体でできる範囲の謝罪として頭を下げた。


「なぁに、気にしないでいい、頭を上げてくれ、私こそ怖がらせてしまってすまない」


 そういうとクロエは再度イスに座って話を続けた。


「起きたばかりですまない、君が目を覚ましたと病院から連絡があってすぐにでも直接会って話をしたいと思っていてね、聞いても大丈夫かい?」


「分かりました、どこから話そうかな・・・」


 俺は駅前通りであったことから意識を失うまでのことを素直に話した。あの「原初の魔女アリス」のことについては驚きすぎて「それは本当のことかい?」と何度も確認された。


「つまり君はその『アリス』って魔女と”契約”、魔法を行使してあの黒魔女を倒したと?」


「そうですね・・・、正直俺もあの時は生きるために必死だったんで整理ができていないんすよね」


「そうか・・・、にわかに信じ難いことだがあの現場を見たら説明もつくか、では『アリス』はどうしているんだい? 君の中にいるんだろう?」


「そういえばあの路地裏では話しかけてきたんですが、それ以降うんともすんとも」


 俺はお手上げのジェスチャーをして説明した。


「私も前例がないことだから判断に困っているよ、あはは」


 クロエが困った顔をしながら笑って答えた


「現状は身体にも異常は見られないとお医者様も言っていたし、とりあえず様子を見よう」


「分かりました、なにか変化があった時は相談してもいいですか?」


「もちろんとも、是非とも頼ってくれたまへ」


 優しい顔をして俺に返答をしてくれた、やはり頼れる姉さんポジションみたいな人だな。


「よし、”局長”としての仕事は一旦終わり!!」


 ”局長”としての仕事が終わりって、他に何かあるのだろうか?するとクロエが席を立ち「少し待っていてくれ」と言って離席した。数分後にドアが開いた時、見たことある人が勢いよく入ってきた。


「アマミヤさん!!!」


 俺の名前を呼んで入ってきた少女「イヴちゃん」だった。


「イヴちゃん!?」

 

 俺は驚いて、つい大きな声で呼んでしまった、良かった大きなケガはしていないようだ。


「ずっと意識が戻らなくて・・・もしかしてこのまま目が覚めないのではと思いました・・・」


「はは、なんとか生きていたよ、君が通報してくれたおかげだ、ありがとう」


 俺はイヴの手を掴んでお礼を言った、だがイヴちゃんは複雑そうな顔をしていた。


「私、本当はあの路地裏で人生が終わるんだなと思いまいした、ですがあなたが来てくれた」


ーーー『あなたのおかげでこうして今も生きています』


 イヴちゃんは俺の右手を両手で包み込むように掴んでお礼をいってくれた。人にお礼を言われるなんて生まれて初めてだ。ケガの功名ってやつだろうか。するとクロエと綺麗なスーツを来た男が部屋に入ってきた。


「お二人とも、お話は終わったかな?」


クロエの声が聞こえた時、イヴちゃんは、はっ!?とした顔をして掴んでいた手を放して少し後ろへと下がっていった。よく分からないがまぁいいか。


「ええ、あのクロエさんお隣の方は?」


 俺が質問をするとスーツの男が近づいてきた。


「君がアマミヤくんだね、初めまして、”治安局 局長”『アラン』と申します」


 スーツが良く似合う爽やかな男性だ、顔も整っていて歳も同じぐらいじゃないか?その年齢で局長とはスペックもきっと高いんだろうなぁと心の中で思った。


「今度は”治安局 局長”ですか、”対魔女犯罪対策局 局長様”とノクスの治安を守るトップが勢ぞろいだ」

「俺はただあのくそったれ魔女に一発入れただけの”ただの大学生”っすよ?」


「あはは、黒魔女に襲われて逆にKO取る人間なんて滅多にいないよ?」

「まぁでも、今日は”治安局長 局長”として来た訳じゃない」


 先ほどまで爽やかな笑顔を見せていたアランが真剣な顔をして俺を見ていた。そしてアランの横にクロエも同じく立っていた。


「どうしたんですか? お二人とも?」




「アマミヤくん、君には私達の『娘』を黒魔女から守ってもらったことに『親』として感謝をずっと伝えたかった」


ーーー『私達の娘の命を守ってくれてありがとう、この御恩は一生忘れない』


 クロエさん・アランさんにお礼の言葉と共に深くお辞儀をされた。

今日は感謝されることが多いな、そう病院のベッドで俺は思った。









 








 

いかがでしたでしょうか?

アマミヤが命をかけて助けた少女「イヴ」はノクスの治安を守る組織

「対魔女犯罪対策局」「治安局」局長の娘だった!?


これはこの作品を考えた際に書きたかった展開なので出せてよかったです。



次回は7月21日(月)15時に公開予定です。


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