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FILE1-分岐点

今回も少し説明話になってしまい申し訳ないです・・・・。

魔女と少し主人公「アマミヤ」のことが分かるお話となっています。

次回はバリバリ戦闘回にします!!

 「ふわぁぁぁぁぁ・・・・・・、ねむぃなぁ」


 大学にて、俺は朝早く大学生の本分である「講義」を受けていた。

まわりには同じように講義を受けている学生がちらほらいた。勤勉なこった。


 今日の講義は「魔女と人との歴史」という内容だった。

なぜこの講義を取ったのかは全く覚えてはいないが、単位が取れるからいいかと思い黒板の前でマイクを手に持ちながら教授が解説しているのを聞いた。


「今日の授業は『魔女と人との歴史』についてですが、念のため『魔女』というのがどのような存在なのか簡単におさらいをしようと思います」


「私や君たちが生まれる前から『魔女』は古くから存在しています。見た目や会話の仕方、食べる物は私たちと同じですが”彼女”らは我々と違う部分あります」


 教授が黒板にチョークで文字を書き始め、書き終わるとこちらに向き直ってまたマイクで解説を続けた。


「ーーーそれは『魔力』と『長い寿命』、『優れた知識』です」


「魔女は非常に優れた種族であり、魔力を使って火や水の魔法、空を自由自在に飛ぶ魔法など通常の人間にはできないことができます」

「通常、普通の人は魔法を使うほどの魔力は持っていない為、魔女唯一の能力だと言い伝えられました」


 魔法ね~小さい頃とかオリジナルの魔法とか考えたりして遊んだことあったっけなぁ、誰もが一度は通る道だと思うけど現実は虚しく自分は『普通の人』だと分かって泣きたくなっちゃうよね。

・・・・・・なんて心の中で昔のことを思い出していた。


「そして非常に長命な種族です、人でいう10代くらいの容姿をした魔女が実は300歳という話が普通にあるくらいです」

「さらに、他種族より優れた知識で彼女らは人々の生活を豊かにする発明や技術力発展に大きく貢献をする功績も残しています。学校の教科書とかで見たり聞いたことがある魔女もいたりするでしょう」


 俺も図書室で歴史を大きく動かした魔女の本を読んだことがある。良いことをして歴史に名を刻む魔女もいれば違う意味で”名を刻んだ”魔女もいると小さい頃の俺はその本で知った。


「魔女はそれくらい偉大な存在だということが皆さん分かったと思いますので、ここからは人との歴史について移ります」


「魔女と人はその昔、良好は関係を結んでおりお互い共存しながら暮らしていました」


「だが、その共存の裏には理解を超える能力を持つ魔女に不信感や恐怖心を持つ人も多くある時に同じ思想を持つ者が集まり魔女撲滅を掲げる反対運動が起こりました」


「最初は小さな乱闘事件でしたが、人が魔女を殺害してしまったことがきっかけで大規模な戦争へと発展『人』と『魔女』の戦争は両陣営に多大な犠牲を払う歴史的事件として世界の歴史に刻まれることとなりました”血塗られた歴史”として」


「その後、両陣営で会談の場が多数設けられ魔女と人は互いに遺恨はあるが平和の世の中を望んで長い期間をかけて関係の修復をしてきました」


「ですが、今のこの戦争なき今でも『魔女の力に不信感を抱く人』『人を嫌う魔女』という差別は無くなっておりません」


「差別意識は一朝一夕で無くなることではありませんが、皆さんには未知の力を恐れるのではなく”理解をする勇気”をもってほしいと思っております」


 確かに未だ魔女に対して恐怖心を拭えない人も存在する。自分の理解を超える力を持つ存在は排除したいという気持ちは生まれてしまうかもしれない。「理解」か・・・・・・。なんて考えているうちにチャイムがなり講義が終了した。俺は出席届を提出して講義室を後にした。


 講義が終わり、俺はお腹が減ったので学生食堂へと向かった。頼むメニューはいつも適当だが今日はなんかカレーの気分だったのでカレーを頼みいつもの窓際席(自分が勝手に決めてるだけ)についた。

 

 そう、見ての通り俺は大学で友達がいない・・・・・・。今は落ち着いているが昔はあることを理由に煙たがられることが多く、そのせいで品行方正と呼べる子供とはいえなかった。そんなこともあり他者との交流に難ありな俺は大学生活4年にして友達が一人もできなかった・・・・・・。


 まぁ、一人は慣れているが少し寂しい気持ちがないというとウソになってしまう。そんな気持ちを内に抑えこみながら静かに俺は昼食を済ました。


 俺は他に選択していた講義を全て受けた頃には夕方前だった、ちょっと講義を取り過ぎたか? なんて思いながら自宅へ戻る道を歩いていた。


 家から大学へは電車で数駅の距離で、大学の最寄り駅には大きな商業施設が入っているためこの時間は施設を利用する人や仕事や学校帰りの人といった様々な人であふれていた。

 

 そんな普段と変わらない道すがらと思ったがーーー「違和感はそこにあった」


「ん? なんだあれ?」


 ”大きなとんがり帽子”を被り、身長は175cmくらいはあるのではないか? 身長もさることながらスタイルも細身な感じだった。服装は全体的に黒を基調としたゴシック? ってやつなのか分からないがそれよりもあの”赤い髪”が一番目に留まった、そう「魔女」である。


””魔女がいること”に違和感を感じた訳ではなかったーーーそう「誰も”彼女”を見ていないのだ」


 あんなに目立つのにまわりの誰も見ないことなんてあるのだろうか? 俺はとりあえずその魔女がいる方向へと歩き始めた。


ーーーこれが人生の分岐点であることを俺はのちに知るだろう。




ここまで読んでいただきありがとうございます。

アマミヤが住む世界について、少しはお分かりいただけたでしょうか?


帰宅路で見かけた魔女、アマミヤの人生を変える分岐点はここです。

次回はバリバリの戦闘回にします。更新は6月9日(月)20時頃を予定しています!!

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