第8話 影と裏
家に帰ると、美優が出迎えてくれた。僕の傷を見て急いで治療してくれた。その時、美優が怒った顔をした。どうしたんだろうか。その時インターホンが鳴った。
美優はインターホンに出るや牙をむき出しにした動物のように威嚇していた。玄関に向かうと幼馴染が立っていた。彼女の名前は、「寺伊 帝」帝がこちらに助けを求めるように視線を送ってくる。どうしたものかと考えて、美優の手を引いてそのままリビングに帝を通した。帝は僕の家に女性がいることに疑問をもっているようで「紹介してよ」、と言われた。
「彼女は影奈美優キャンプ場で知り合って家族の事情を聞いて最近いっしょに暮してる。」
「こっちは幼馴染の寺伊帝、俺の幼馴染ですぐそこのお寺の巫女をやってる。」
帝はお辞儀をしたが、なぜだろう?美優から殺意を感じる。
女性っていうのはよくわからない。
「でさ、帝はこんな時間に急にどうしたんだよ」
「...あのね、最近変な形の黒い影が見えるようになったの」
「それが、河喜の背中にも見えたから何か知ってるんじゃないかと思って...」
そういうことか
「悪いが俺は何も知らないだけど美優は知ってるはずだ。」
「美優頼めるか?」
美優はうなずいて話し始めた。
美優によると影と呼んでいるあいつらの総称は影妖鬼と呼ばれているらしい、だが影それぞれにも名前があるらしい。あいつらは負の感情が溜まっている人の影に擬態し、
その人の一番近い鬼となって自分たちが暮らしやすくて見つかりにくい影に潜んでいるらしい。
その中の二匹を捕まえたわけだが、
今この近くにいる影妖鬼の反応が5つある。反応としては3つが正解なはずなのに、どういうこと...