5/13
第5話 刀と影弐
今回、美優は家の中で留守番してもらっている。
木々がざわめくということはなく、その森はとても静かだった。たまに小鳥のさえずりが聞こえてくる。
その時なにかがこちらに向かってくる気配がした。僕は警戒態勢をとる。前方100m先に何かの気配、、、急いでそちらに向かうと、鳥居が見えた。赤く染まっているはずのその塗装はほとんどが朽ち果て、なかの木材まで腐っていて今にも崩れ落ちそうだった。その鳥居にお辞儀をして進もうとする。お辞儀をして頭を持ち上げた時、
「ヒュン...!!」
危なかった、少しでも反応が遅れていたら頭が切り落とされていたかもしれない。
僕はすぐに距離をとった、と思った時だった。目の前に巨大な鎌を抱えた影が立っていた。
僕は手に入れた影ですぐに球を出す。一瞬で影がでかくなり日本刀に変化した。
僕は、臨戦態勢に入る。すぐに影が襲ってきた。応戦するも相手は強くかなり早く不利な状況であり、こっちが押されている。
声が聞こえた。
「あいつは理性がないようだ、俺と意識を交代しろ!!」
「わかった!」
すっと薄れていく気分の中またあの暗闇に落ちた。