第1話 死と影
あの日、僕は初めて自分が人間ではなくなったと気づいた。
それは、あの熱い昼とは別にとても涼しくなった夜のこと。
僕、影星河喜は、友達に誘われてキャンプに来ていた。
日が暮れて、友達とキャンプ飯を食べ、ハンモックでうとうとし始めた。
ヒューゥ...ボーン!!
爆発音とともに爆風があたりを襲った。
土埃のせいで目を開くことができない、体は焼けるように熱い。
服は焼け落ちたようだ。体の感覚もほとんどない。
開けにくい目をゆっくり開くとあたり一面は炎でおおわれていた。
バチバチと火花が散り木々が倒れている。
僕は、息ができずに力尽きてしまった。
目が覚めるとそこはあたり一面暗闇の世界が広がっていた。
地面には水が2㎝ほど溜まっている。でもなぜか濡れているという感覚がない。
振り返ると目の前に鎖でつながれた女性がこちらを見ている。
重そうな鎖を持ち上げてこちらを見た。
女性は端麗な容姿をしていた。その女性がとても小さな声で何かをつぶやいた。
「私と...契約してほしい...。」
まずは読んでいただきありがとうございます。感想やアドバイスをいただけるとありがたいです。次の話もできるだけ早く投稿できるようにがんばります。