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案件96.超新星は光り輝く

 なんと3級試験会場が悪堕者(シニステッド)に襲撃されてしまった!会場にいた異救者(イレギュリスト)たちは迎え撃つも、実技試験で闇異(ネガモーフ)の力を消耗し劣勢に立たされていた。


異救者(イレギュリスト)共をギタギタにしてやれぇ!!」

「闇の赴くままにぃ!!」


 矛貫隊(ほこぬきたい)の新人4人は力を使い果たして参戦できず、満身創痍の黒火手団(くろびてだん)も苦戦を強いられていた。


「貴様等に昇格を邪魔されてたまるか!!」

「ゲキアツに燃やしてやるぞぉ!!」

「二人とも!応援が来るまで耐えるんだ!!」


 しかし、チュドーンという音と共に爆撃が黒火手団(くろびてだん)を襲い、そのダメージで変異が解けてしまった。


「チクショウ・・・!」

「こんなところで・・・!」


 立ち上がるので精一杯の黒火手団(くろびてだん)の前に、十数人の悪堕者(シニステッド)が集まってきた。


(こいつら・・・全員シルバーランク・・・!)

「へっへっへ、黒火手団(くろびてだん)も年貢の納め時だなあ」

「身も心もズタズタにしてから、あの世に送ってやる!!」


 悪堕者(シニステッド)の内の数人が黒火手団(くろびてだん)にとどめを刺そうとしたその時、突然彼らの体内からボッと光が噴出した。


「「!?」」


 一同がその様子に驚いて間もなく、光が噴出した悪堕者(シニステッド)の身体がひび割れ、人の姿に戻ると同時に倒れてしまった。


「おい!どうした!?」

(今には・・・浄化の光・・・!?)

「ふーい、間に合ったみたいだな」


 そう言って悪堕者(シニステッド)たちの前に現れたのは、骸骨の顔に青と紫色のボディをもつ闇異(ネガモーフ)だった。


「ゲッ!こいつは超新星の一人、異次元異救者いじげんイレギュリスト:プルーヤだ!!」

「いや~どうもどうも」


 猫背のプルーヤは少し照れたのか、後頭部に手を当てた状態で頭をヘコヘコしていた。


「プルーヤ・・・タズネさんだ!」

(これがプルーヤの浄化攻撃・・・しかしいつの間に!?)


「ならば行けピラニア分身たち!異救者(イレギュリスト)たちを食い尽くせえ!!」


 その数1万を超えるであろう空飛ぶピラニアが、黒火手団(くろびてだん)だけでなく他の異救者(イレギュリスト)にも襲いかかった。


『ミルキーストリーム!!』


 それに対し天の川のように光り輝くエネルギーの集合体が、龍の如く激しく宙をうねり、ピラニアたちを一匹残らず飲み込んで浄化した。


「そんな・・・アタイのピラニア分身が・・・!」

「ムテキでステキ!マジステキラが、みんなを守ります!」


 次に現れたのは星乃(ほしの)ステキラ改め、無敵星異救者むてきぼしイレギュリスト:マジステキラだ。魔法少女のようなフリル多めのコスチュームを纏い、髪の毛から浄化の光が溢れていた。


「ゲキアツスゲエ・・・!」

救手(すくいて)ハグネードとは桁が違う!!)


「ぎゃあ!」

「ぐええ!」

「今度はだれだ!?」


 悪堕者(シニステッド)たちが同胞の断末魔が聞こえた方を向くと、新手の闇異(ネガモーフ)が静かに佇んでいた。その七色に輝くガラスのようなボディと、剣と盾を構えマントを纏う姿は、闇の化身というより勇者そのものだった。


「ぼくは照世(てらすよ)ミュカいや、勇者異救者ゆうしゃイレギュリスト:ザ・ブレイブ。これより勇者を遂行する―」


 次の瞬間、十数人いた悪堕者(シニステッド)があっと言う間に斬り伏せられ、突然の出来事に黒火手団(くろびてだん)は大きく驚いた。


「なにぃ!?」

「あの数のシルバーランクを一瞬で!?」


「あと一人」

「こっ、この化け物がぁあああ!!!」


 なんと最後の一人となった悪堕者(シニステッド)が、100倍近いサイズまで大きくなった。しかしザ・ブレイブは、巨大化した悪堕者(シニステッド)を気にも留めず周囲を見渡していた。


「よし、周りに人はいないな」

「踏み潰してやるううう!!!」


 ザ・ブレイブが剣を両手で持ち真上に掲げると、剣から浄化の光が噴出し巨大悪堕者(シニステッド)の身長を上回る光の剣となった。


『テラスヨ・ストラッシュ』


 ザ・ブレイブは巨大な光の剣を振り落とし、巨大悪堕者(シニステッド)を一刀両断にした。その圧倒的な実力を目の当たりにしたボンゴラは、ただ一言呟いた。


「強い・・・!」


 ザ・ブレイブは敵の全滅を確信すると、ミュカの姿に戻って黒火手団(くろびてだん)に手を差し伸べた。


「大丈夫?」

「あ・・・ありがとう・・・」


「・・・あれ?君たち、どっかで会ったっけ?」

「へ?」


 どうやらミュカは、黒火手団(くろびてだん)のことを覚えてないようだ。


激熱(げきあつ)カネリだ!さっき言ったろ!!」

「ごめん、ぼく人助け以外にはあんまり興味がないんだ」

(ブラック)に舐めてくれるな・・・!」

「それより怪我人がいないか確かめようよ・・・」


 ミュカに悪気はなく申し訳なさそうな顔をしているが、その態度が逆にアゼルとカネリの神経を逆撫でてしまい、ボンゴラが間に入って二人をなだめた―




 その後、悪堕者(シニステッド)の撃破に成功し重傷者はいなかったが、3級試験は中止になってしまった。しかし襲撃前に実技試験を終えた異救者(イレギュリスト)は、後日合否の結果が通知されることになった。


 そして黒火手団(くろびてだん)の3人のスマホにも、合否の結果を知らせるメッセージが届いた。


「いよっしゃあああああ!!3級試験ごうかぁあああく!!!」

「フッ、当然の結果だ」

「みんな合格できて本当によかった!」


「そういえば、ミュカくんたちも合格したみたいだね」

「SNSでトレンド入りしてたな」


「相手がチョーシンセイだろうと、救世主になるのはこのオレだ!!」

(そうだ、どれだけ実力の差があろうとも、この手で救世主になってみせる!)


「ヨォシ!全員合格を祝って、焼肉食いに行こうぜ!!」

「いいね、どこにする?」

「安いところにしろ、スコアが勿体ない」


 こうして黒火手団(くろびてだん)は全員無事3級に昇格し、さらに困難な人助けへと身を投じるのであった―




 同じ頃、とある国の人気がない路地裏で、悪堕者(シニステッド)のケラシルとラビライザが何かを待つように佇んでいた。


「エブリマジーのエース、マジステキラが3級試験に合格・・・。いい年して女児アニメの主人公かよ、マジ冷めるわ」


 ケラシルは不機嫌そうな顔で、スマホでSNSを見ていた。


「気になりますの?」

「別に、それより今回もダメらしいよ」


 二人が路地裏の奥に目をやると、酷く険しい顔に血管を浮かべたコズドがやって来た。


「また仇に逃げられたとか、マジ冷めるわ」

「いい加減手を貸して差し上げましょうか?」


 するとコズドが、鬼のような形相で二人を睨みつけた。


「オレが頼まない限り、オレの復讐に手を出すな!」

「困った復讐者ですわね、(わたくし)たちはチーム堕悪(だあく)トリオですのよ?」

「君の復讐に付き合わされる身のことも、考えてほしいんだけど」


「だったらすぐケリをつけてやるよ。オレの家族の仇、必ず全員恨みを込めて叩き割ってやる!!」


  


『スコア早見表』


手差(てざし)ボンゴラ(初級→3級)

43933点(+30)試験会場の負傷者手当及び瓦礫撤去のため


黒理(くろすじ)アゼル(初級→3級)

15582点(+30)同上


激熱(げきあつ)カネリ(初級→3級)

14796点(+30)同上


スコア100億点以上で救世主になれる!

次は20万点以上を目指し、2級試験に合格だ!


To be next case

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