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ずっと隣で

僕が11歳の時妹が生まれた


周りの友達はお兄ちゃんや弟がいて、一緒に遊んで楽しそうだったから、一度お母さんに僕も弟が欲しいって言ったけど、悲しそうな顔で頭を撫でるだけだったし、これは言っちゃダメな事なんだって思った


兄弟が欲しかった事なんてすっかり忘れて

毎日、宿題と遊びで忙しかったある日、お母さんが具合が悪い日が続いた

僕はお母さんが酷い病気だと思って、洗濯物を畳んだり、ご飯のお片付けをしたり頑張った

お父さんもお母さんの代わりにご飯を作ったりお買い物したりした

病院には行ってるから大丈夫だよと、2人は言うけどお母さんは全然ご飯を食べなくて痩せちゃって僕は不安で、もう5年生なのにお母さんに抱きついて大きな声で泣いちゃった

そしたらお父さんが教えてくれた

「お母さんのお腹に赤ちゃんがいるんだよ。今は赤ちゃんが大きくなる為にお母さんの元気パワーを吸い取ってるんだ。だからお母さんは今は少し元気がないけど、赤ちゃんがもう少し大きくなったらお母さんも元気になるからね」

って!


僕はびっくりして涙も止まっちゃった!

「弟かな⁉︎僕弟がいい‼︎」

そう言ったけど、まだ赤ちゃんは小さいから分からないんだって言われた


それからしばらくしてお母さんはすっかり元気になっていたけど、僕はお手伝いは続けた

だってお兄ちゃんになるから!

そういうとお母さんはニコニコ嬉しそうだった


みるみるうちにお母さんのお腹が大きくなって、動くのも大変そうになった

男の子か女の子かは生まれるまでのお楽しみなんだって言われたけど、きっと弟だと思った僕はお誕生日プレゼントは野球のグローブ2つお願いした

弟が大きくなったら一緒にするんだ!


その日は突然来た

夜中にお父さんに起こされて、赤ちゃんが産まれそうだから病院に行くって

眠気が吹き飛んですぐに出発

お母さんは苦しそうだった


かけつけたおばあちゃんと一緒に病室の外で待つ

中に入ってもいいって言われたけど、お母さんが苦しそうで怖かったから


夜中だったのに朝になって、赤ちゃんは生まれた

女の子って聞いてすこしガッカリ

おばあちゃんと一緒に病室に入ると、お母さんが小さな肌色を抱えていた


赤ちゃんだった

小さな僕の妹

ガッカリなんて思った自分を殴ってやりたい

こんなに小さくて可愛い生き物見た事なかった


フニャフニャと泣いて小さく手足を動かして

彼女は産まれてきてくれた


小さな手で僕の手をギュッと握った

こんなに小さくて弱そうなのに、その力は強かった


僕の妹

すごく可愛い

キャッチボール一緒にしようね


僕が色々教えてあげる


ずっと隣で


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