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ハルク-HARUKU-  作者: 五嶋 月
4/8

【第3話】 『怪物』

[ズバーン!]


「146km/h!」


[ズバーン!]


「145km/h!」


[ズバーン!]


「ひゃ、150km/h!?」


一色部長の驚いた声が響き、その表情は怪物を目の前にしたかのような顔であった。


それと同時に、俺たち一年生も全員目が点だ。


「こ、これが全国優勝のエースなのか…!?」


投手の一人がそう呟いた。


そう。この150km/hという大台に乗せたのは「明香ボーイズ」エースの笹木光太郎なのだ。

晴玖と同チームであることはお分かりであろう。


晴玖もものすごい顔をして、すぐに笹木の所に行った。


「お前いつの間にそんなに伸びたのか?」


晴玖は笹木の元へ着くや否やすぐにそう聞いた。


「冬トレすればこんくらい伸びるでしょ。」


相変わらず上から目線の男だ。

フッと笑いながら笹木はそう答えた。


ただ、晴玖も笹木に驚いている暇もなく、すぐに出番が回ってきた。


「長沼晴玖です。よろしくお願いします。」


そう一色部長に言い、ボールの縫い目に手をかけた。


[ズバーン!]


足を大きくあげ、左腕を大きく伸ばして、その腕を入れ替えるように右腕に思い切り振り抜いた。


「124km/h!」


「え?」


晴玖は思わずそう呟いてしまった。

が、そんな事言ってる暇もなく一色部長は早く次の球を投げるように晴玖に指示を出す。


[ズバーン!]


「123km/h!」


[ズバーン!]


「125km/h!」


「コイツって、明香の二番手何じゃねぇの?」


「思い切り投げた割には遅すぎやしねぇか?」


周りの投手達がクスクス笑いながらそう呟いていた。


「これで以上だな。」


一色部長がそう言って、球速測定は終わった。




☆新入生球速ランキング☆ ○は左投げ


一位 笹木(ささき) 光太郎(こうたろう) 150km/h


二位 山森(やまもり) 斗真(とうま) 141km/h ○


三位 宇治原(うじはら) 拓人(たくと) 139km/h


四位 松本(まつもと) 一志(いっし) 138km/h


五位 設楽(したら) (みつる) 132km/h ○


五位 三鬼(みき) 航生(こうせい) 132km/h


七位 宇田(うだ) 星光(ひかる) 130km/h


八位 影山(かげやま) 由伸(よしのぶ) 128km/h


九位 中村(なかむら) 広輔(こうすけ) 127km/h ○サイドスロー


十位 長沼(ながぬま) 晴玖(はるく) 125km/h



この様に、早速一位と最下位で大きく差をつけられてしまった二人。


更に二位の山森は中学時代、愛知No.1左腕として名を轟かせた逸材。三位の宇治原も大阪から来た選手で、明香ボーイズと全国ベスト4で戦ったチームのエースで笹木と投げ合った過去を持つ。


そんなエリートばかりが集まった紅風高校。

豊作と言われているこの年でエースをとなるのは誰だ!?


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