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ハルク-HARUKU-  作者: 五嶋 月
3/8

【第2話】 『球速測定』

そんな驚いた自己紹介。

もう笹木以外の奴の名前なんて覚えていない。

それだけの衝撃があった。

そして俺は自己紹介が終わったあと、笹木に聞いてみた。


「おい、笹木。」


晴玖は笹木の右肩をトントンと叩きながら言った。


「どうした?」


笹木は何の話か全く分かっていないかのような顔をしていた。


「どうしたじゃねぇよ。お前江栄高校行くんじゃねぇの?」


「ああ。今更?

俺推薦決まってから全く勉強してなかったからさ。

その間に学力めっちゃ落ちたもんで、行けんくなった。」


笹木は何故か笑いながら話す。

俺はコイツともう一度エース争いをしなければならないのかと絶望でしかなかった。

ただでさえ実力のある投手が集まる高校なのに。


「お前、また同じってことかよ。」


「まあそうだね。エースナンバーは頂いたからね。」


笹木はこういうやつだ。

なんというか性格の悪いヤツ。

すぐ人を見下すし、せっかくのイケメンな顔が台無しだ。


そんな話をしているうちに、初練習前ミーティングが始まった。


「みんな、おはよう。」


『おはようございます!!!!』


飛山(とびやま)監督の挨拶に、約100人の声が轟く。


「はい、という訳で本日からは新たに新入生39人を加えてのスタートとなります。3年生17名、2年生40名1年生39名の計96名で春から戦っていきます。」


なぜこんなに3年生が少ないのかと言うと、今の2年生が入ってくる前に監督が変わったからだ。

それまでの一色(いっしき)監督が少数精鋭だったらしく今の3年生が一色監督がスカウトした最後の学年らしい。

ちなみに今は一色部長として紅風高校に貢献している。


「んで、早速だが、二、三年生は実践練習を、一年生は体力測定を行おうと思う。

野手は、遠投、50m走、スイングスピードを、投手は背筋力と、球速を測るから今すぐ一色部長の所に行って説明を受けてこい。んじゃ、早速別れて移動だ。解散!」


『おおー!』


そんな感じで俺たち一年生は体力測定をすることになった。まずはここでアピールをしなければならない。


━━━━━━━━━━━━━━━ブルペン


「名前を言え。」


一色部長が球速を測ってくださるようだ。

俺たちは順番に名前を言って投げ、記録していくらしい。


笹木とのキャッチボールを済ませた晴玖は一年生投手と共にブルペンで投げる準備をしていた。


「はい!松本一志(まつもといっし)です!」


[ズバーン]


「138km/h!」


[ズバーン]


「135km/h!」


[ズバーン]


「137km/h!」


「はい次!」


こんな感じで三球の中で1番速かったのがそのまま記録されて監督に伝えられるというシステムだ。



そして笹木と晴玖の二人がこの体力測定で波乱を呼ぶことになる……

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