第7話 ナジュールの森
こんにちは
今日は忙しくて1話しか投稿できないかもしれません。
初めての戦闘シーンは自分の頭で思い浮かべた映像をきちんと描写できたか心配ですがぜひ最後まで読んでください
「おいそこの駆け出し冒険者。その依頼おめえみたいなほそっちい野郎じゃ無理だ。俺があっちでやり方を教えてやろうか?少ーし、勉強代をもらうがな 」
冒険者ギルドを出た途端に23,24くらいのめんどくさそうな男に声をかけられてしまった。人通りの少なそうな裏道を指していっているが、大方駆け出し冒険者からカツアゲでもしようという魂胆だろう。どうしようか。
《ミハマ、いつでも我は力をかせるぞ。こんな雑魚なら何も感じないくらいのMPでどうにでもできるぞ》
「大丈夫です。俺こう見えても強いんで」
「だからカプロミボアはおまえには無理だって言ってるだろ。中級冒険者の俺が特別に教えてやるって言ってんだ。断るどころか感謝しやがれ」
相棒!頼むぞ。『我が目に盟友の力を』そう強く願うと先程よりかはだいぶ少ないMPが体から消えるのを感じた。
《任せろ》
「…………」
「っな、んだコイツ急に。ッく、え!?足が動かない!?」
話しかけてきた男は俺たちが彼の視界から消えてなくなるまで微動だにしなかった。目だけでこんなことができるとはティポタめちゃくちゃ強いな。
《ミハマ、そう言ってくれると嬉しいがまだ我は全力を出せない。この世界で勝てないやつはたくさんいる過信しすぎるなよ》
それはそうだな。また気合を入れ直してカプロミボアを討伐しに行こう。
ナチュールの森はセイウスの街と同じくらい大きい森だった。これはたくさん魔物がいそうだ。ギルドの受付嬢の見せてくれた絵と情報によるとカプロミボアはイノシシのような魔物で突進は一般人が受けるとそこそこなダメージを受けるほどの強さがある。だが突進さえ避けてしまえばかんたんに倒すことが可能であり、人間を見つけたらすぐさま突進してくるため見つけるのも簡単で初心者向けの討伐依頼の対象になりやすいらしい。そんなことを考えているとティポタが
《来るぞ。好きな部位どこでもいいぞ!いつでも準備は万端だ》
俺たちの右側からカプロミボアが突進をして来るのが見えた。
「我が右手に盟友の力を」
途端に俺の腕が黒いオーラに包まれた。なぜかわからないがカプロミボアが立ち止まっているからイガウの実を食べてMPを回復させカプロミボアに近付いた。するといきなり正反対の方向に向かって走りだした。俺はカプロミボアを追いかけたがなかなかにカプロミボアが素早く追いつけない。
《ミハマ、我が合図をしたときに右手を振れ》
「ああ?わかった」
《いまだ! 》
ティポタの合図に合わせて右腕を横薙に振るとカプロミボアとその奥にあった数本の木が倒れていた。?何が起きたんだ?
《ミハマが右腕を振ったとき右腕にまとわせた黒いオーラが腕を延長し奥の木もろともカプロミボアを倒してしまったのだろう》
それはすごいな。だがここまで強いと簡単に街中じゃ使えないな。
《街の中なら先程の眼を使えばよいだろう》
なるほど。ところでこれで一応クエストはクリアだがまだ帰るには早いよな。
《そうであるな、ミハマよこの森にはメイリベアという魔物がいるだろう。いまミハマの腕に残っている我の力を使えばいいぐあいに戦闘の練習になるだろう》
そうだな。どこか体の一部にティポタの力を得ても戦い方がわかってないと負けやすいだろうし、そのメイリベアを倒しに行くか。
「おい、ティポタあれか? 」
《ああ、そうだ。今回は戦闘訓練だ。真正面から戦え。MPさえあれば我がどうなっても助けてやろう》
「それなら安心だ、行くぞメイリベア! 」
俺の声に気付いたのかゆったりとした足取りでこちらに向かってくる。
《ミハマ走って奴の裏をとれ》
俺が動き出すとメイリベアも動きのスピードが格段に上がった。後ろをとろうとしてもなかなか取れないどころか俺の作ったすきに強そうなパンチを放ってくる。多分あれを受けたらだいぶまずいな。メイリベアのパンチを避けながら考えていると
《ミハマの今の右腕で奴の急所を撃てば倒せるだろう。考えることは得意だろう?》
考えてもそれを実行できるほど強くはないんだよな。
《大丈夫だと言っておるだろう。我は盟友を死なせることなどしない》
まあティポタがそういうのならやってみよう。
まずメイリベアと向かい合って俺が後ろを取ろうとする。そうするとメイリベアは俺に向かってパンチを放ってくる。『いまだ』俺はとっさにかがんでメイリベアの懐に入ることに成功した。あとは本気でパンチを繰り出すだけだ。
「いけー」
右腕の強い衝撃とともにメイリベアが吹っ飛んでいき、数メートル先の大木にぶつかって止まったがピクリとも動かない
「倒した? 」
《ああミハマよくやったな。これで今日の昼飯もうまいものが食えるな。メイリベアは市場にはなかったが肉がほんのり甘くてうまいのだ》
「まさかティポタおまえ、メイリベアが食いたかっただけか!? 」
《いや、ま、まさかそんなことはないっぞ》
「声が震えているぞ」
《だが戦闘訓練にはなっただろう? 》
「まあ、いい訓練にはなったからしょうがない赦してやるよ。だがティポタメイリベアがまずかったら許さないからな」
《それなら心配ないな》
「じゃあとりあえずギルドにクエスト完了を伝えに行くか。ギルドの隣にあったレストランは材料持ち込み可ってなってたしな」
そんなことを話しながらナチュールの森を抜けようとすると俺たちはセイウスの街が何万といそうな軍に囲まれ襲撃されているのを発見した。