第3話 到着!ウガルス王国
本日2本目の投稿です。
初めてブックマークされて嬉しくて今日はあと1話出すかもしれません。
楽しんでいってください
「遅れましたが、私ウガルス王国第一王子ウスカンと申します。どうぞよろしくお願いします」
「えーとお、私は三浜彪斗といいます。よろしくお願いします」
「それでですね、ミハマ様は……」
「様付じゃなくていいですよ。三浜でいいですよ」
「それではミハマ、私もウスカンでいいですよ」
流石に王子様に呼び捨ては気が引けたのでさん付けにすることになった。そしてウスカンさんはその後俺たちが勇者召喚されるまでの話を詳しくしてくれた。
『最初は地理的な話でここは超大きな大陸でありこの大陸には少なくとも5つの国があり西側からウガルス王国、中央の北側にツユゲイジ王国、ツユゲイジ王国の南側にケンブ帝国その3つの国の交わるところにエデュケル自治区そしてこの4国の西に魔族領があるのだそうだ。少なくとも5つの国というのは魔族領の西にたどり着いたものがおらず国があるかわからないそうだ。
そして次は勇者召喚の話だ。勇者召喚は魔族を束ねる魔王に対する切り札となるような儀式なのだが、1つの国では出来ず、さらにここエデュケル自治区でないと行えない儀式なのだとか。そこで三国で150年に一度ここに使者を送って行いそして召喚した3人の勇者を三国で分け合うのだそう。だが魔族領と接していないウガルス王国はないがしろにされやすく戦力も比較的少ないと言っていた。つまり今回も俺という一番のハズレくじを引かされてしまったようだ』
要はこんな話だ。とそんな話を聞いてるうちに美しい白色の城とその周りにそびえ立つ6本の塔がだんだんと近づいてきた。と思ったら突然馬車が止まってしまった。
「ミハマ!一回降りてみてくれ」
「おお! 」
言われて降りてみるとつい声を上げてしまった。
「どうだミハマ。きれいだろう」
「ああ!この景色は最高だな」
「これからもしかしたらミハマに不快な思いをさせてしまうかもしれないがどうかこの国を見放さないでください」
「わかった」
その後俺たちの一団はお店のたくさん並ぶ大通りを通り城へ行くことになったが、大通りでは馬車が人を引いてしまわないか心配なぐらいの人が俺たちを歓迎してくれて勇者様バンザーイというコールが響いていた。
王子によると勇者召喚は150年に一度のものなので今日から3日を通してお祭りなんだそうだ。俺が屋台を遠目に見ながら美味しそうとか話しているとウスカンさんに城でもっと美味しいものが食べれますと言われて、よだれが止まらなくなってきた。
「開門」
重々しく空いた門からはさっきまで遠くから眺めていた城が大きく荘厳な姿で建っていた。その雰囲気に圧倒されながらも俺の想像上の10倍は豪華な客間へ招待された。
そこで出された茶菓子は日本では食べたことのない味のする丸い球状のもので最高に美味しかった。この世界建物が中世っぽいから衣食住にはあまり期待していなかったがこれは期待できそうだ。
「ウスカン第一王子、ミハマ様、こちらへ。国王陛下がお待ちです」
そう、俺はこれから問題の国王様に会うのだ。ウスカンさんがあれだけ言ってきたのだ、どれだけひどいのか。そんなことを考えているうちに王のいるという部屋の前に辿り着いた。
「ミハマ!気をつけてください。たとえどれだけ苛立っても表に出さないでください。勇者様を傷つけるようなことはしないと思いますが、父様ならあり得るかもしれませんから」
「おう」
どんな親なんだ。ここまで来るときになるな。
「お前がゴミスキル持ちの勇者か」
「お父様、言い過ぎです。0の……」
「ウスカン!せっかくわれが最後のチャンスに勇者召喚の儀に参加させてやったのに、こんな使えないのを連れて帰ってきおって!!セイウスにでもそいつを連れてひっそり帰れ。……おい、リツレン代替になりそうなやつを探しておけ!明日の夜までにだ」
「はっ」
おお!ここまでひどいとはな。ウスカンさんがかばってくれているがこれは無駄だな。その後俺たちは王様の護衛の剣士4人に囲まれ、そのまま馬車の止まっているところまで追い出されてしまった。
「ミハマ、話は馬車に乗ってからでも良いか?」
「いいですよ」
「すいません、急かしてしまって」
「どうしてあんなに急いでたんですか? 」
「ああ、私バレると暗殺者に狙われてしまうのですよ」
「なぜ!? 」
「まあ、護衛もろくにつけずに街にいる王族。格好の餌食じゃないですか」
「それなら護衛をつければいいんじゃ? 」
「それが私は貧乏人なものでして……セイウスにつけば分かりますよ」
「そう、そのセイウスってどんなところなんですか? 」
『ウガルス王国では王を決めるときに王子たちを国の小さな街の領主にして一番上手くやったものを王にするというならわしがあり、現在進行形でそれを行っているらしい。そしてセイウスはこの試練でウスカン王子に与えられた土地なのだという。簡単に言うとセイウスは畑畑畑という場所らしい、つまるところド田舎ってことだ。他の王子たちもそういうところを渡されたと思うかもしれない、だがそんなことはなかった。もう東京と茨城くらいの差のある土地を渡されたらしい』
そんな話をしているとどうやらセイウスに到着したようだった。