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第10話 至難の蘇生

おはようございます

今回で10話に到達しました。まだ物語は始まったばかりですがここまで読んでいただいているみなさまには感謝してもしきれません。ぜひ今後も読んでください!

あとこれからはできる限り午前6時と午後7時辺りに投稿できるように頑張ります。

 俺は壁が大きくえぐられた3人の立てこもっていた砦にたどり着いた。砦周りにも多くの兵が横たわっていたが砦の中にも多くの人影があった。大丈夫なのかウスカン?生きててくれよ。砦の内部の螺旋階段を登った先、そこにはウスカンとカイとラルとざっと10人程の国王軍の兵が入り乱れて倒れ込んでいた。ウスカンの体中は傷だらけだったが目につくのは肩に刺さっている長剣だろう。


「ウスカン! 」


《おい!ミハマ!そんな大声をだし……》


 ティポタが言い終わる前に周りの王国軍の兵が動き始めた。やばい。ティポタ頼む!


「『我が手に』」


《ちょっと待てミハマ!奴らをよく見ろ》


いわれて少し冷静になって目の前を見つめると、そこには怯えた様子でこっちを見るもの、悲鳴を上げるもの、腰を抜かすものたちがいた。どうなってるんだこれは?


《ミハマ、お主はウズイン様に気に入られたようだな。ウズイン様がミハマの口を使って話したときその言葉にとてつもない恐怖をのせていたのだ。それもウスカンたちには被害がかからないようにまでするなどという気配りがあのウズイン様にできたとは》


「っそうだ、ウスカン。大丈夫か?なんとかならないかティポタ? 」

「王子!カイ! 」

「わかっている!勇者様どいてください。『回復魔法 治癒』」


 気づいたときには起きていたラルが回復魔法を発動するとみるみるうちにウスカンさんの傷が回復していった。


「っは、ここはどこです? 」

「ウスカン!よかった、生きていて」

「「王子」」

「ミハマ、ラル、カイ! 」




「……ということがあったんです」


 俺がイグザと合ったところから神様の力を借りて今に至るというところまでを話すと


「ミハマ、本当に助かった。ありがとう。ミハマがいなかったら私達3人ともここで尽き果てるところでした。私がちょうど砦の中に侵入され、ラルとカイと分断され、あそこで倒れている父の側近で大剣使いのルクアに最期の一撃をいれられる寸前いやいれられた瞬間でした。イグザにもほんとに感謝しなくては」

「ほんとに良かった」


 ティポタのおかげだ。あのときやらないかと言ってくれてほんとにありがとう。


《そんなことを言われたら気恥ずかしいではないか。だが我だけの力ではないウズイン様、それにがあの場で即決できたお主がいたからこその結果だ》


 なかなかいいことをいってくれるな。


「ミハマ、とりあえずナチュールの森でイグザを起こしに行きましょう」

「おう! 」



「本当にミハマはすごいですね。こんなことができるなんて」

「神様とティポタのおかげだ。俺ひとりじゃこんなことできない」

「ティポタ?って誰ですか? 」

「ああ、0の悪魔の本当の名前ですよ」

「そうだったんですか。でも【0の悪魔】が強いスキルで良かったですね。この世界に召喚されたときミハマは相当取り乱してましたね」

「そうでしたね。俺の前の世界では異世界に転生する話が流行っていて、その中で主人公の職が数学者なんて話は見たことがなかったので……その時は俺が助けられていたしこれでおあいこですね」

「着きましたよ」


 ウスカンさんと話し込んでいた俺はラルに声をかけられるまでナチュールの森についたことに気づかなかった。ナチュールの森は昼頃にクエストをやりに来たときに比べまるで生気がなかった。不気味ではあったが今回の作戦の鍵となったイグザを起こすために俺たちはナチュールの森へと足を踏み込んだ。

 俺たちは20分ほど探したが見つかるのは横たわったカプロミボアとリープラビットだけであった。少しウスカンさんの顔に疲れが見え始めたとき俺たちは地面に横たわったイグザと頭に2本のちいさなツノの生えた疲れの滲む顔をした短髪の女性が立っているのを見た。


「魔族かっ!なぜこんなところに」


 ラルがそう発しながら斬りかかったのをその魔族は身に美しい青緑のオーラを纏い、その攻撃をいなしている。その動作は余裕を感じさせられた。


《ミハマ、そやつは中級以上の天使と契約している。戦うなら相当厄介だ! 》


 ティポタがここまで言うということは相当に強いはず、ほんとは戦いたくないがイグザを助けるためにもこの戦い必ず勝利しなければ。


「頼むぞティポタ!『我が右手に盟友の力を』」

「チッ契約者か。『私に天使の視野を』」


 俺の右腕に黒いオーラが纏われたのをみた彼女は体に更に強いオーラを重ね着するように纏った。


《ミハマ!気をつけろ。やつの使った術は空間認識能力が異常なまでに跳ね上がる。単発の攻撃では確実に防がれる、連続攻撃で相手の隙をつくほかあるまい》


「『援護魔法 身体強化』」

「『至鬼』」


 カイとラルの連続のスキル使用によりラルの動きのキレが目に見えて上がったが、彼女にとってその強化は気にするまでもない小さすぎる差異だった。これは今の俺の力が通用するかわからないが俺がやるしかないな。俺は待った。彼女に隙ができるのを。その時彼女はめげずに攻撃を続けるラルの方に攻撃を仕掛けた。この時を待っていた。


《はずすでないぞ! 》


 もちろんだ。俺のはなった闇のオーラを纏った渾身の右ストレートは避けられるはずはなかった、常人ならば。彼女は避けた、彼女は常人ではなかったのだ。彼女に避けられた俺の拳は狙いを彼女の先にいたラルに定めてしまった。

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