〜プロローグ〜
俺の名前は河合拓海。
この春晴れて高校生になった訳だが、
「おーい、拓ちゃーん」
俺の事をたくちゃんと呼ぶのは一人しかいない。
中学の時仲の良かったの西野千秋だ。
俺の側まで走ってきた千秋は言った。
「拓ちゃん、部活行くよ」
「は?」
部活?なんの事だ?俺は部活に入った覚えがないのだが...。
そんなことを思っていると千秋が俺の手を取って歩き出した。
「ほら、こっちこっち」
「待てよ千秋、俺は部活に入った覚えは微塵もないぞ。」
「いいから、来ればわかるって」
そう言うと千秋は俺を半ば強引にある教室の前まで引っ張って行った。
教室のドアの前にはお助け部と書かれた札が掛かっていた。
ドアを開けるとよく見知った4人が楽しそうに話していた。
「お、やっと来たか。遅いぞ千秋。」
「拓海君やっほー!」
「待ってたぜ拓海」
「千秋、河合連れてきてくれてありがと」
そうだ、俺たち6人は中学の時もお助け部を創って
活動していた。
まさか高校でもするとは思っていなかったが。
「みんな遅くなってごめん、拓海が全然見つからなくて」
「ようお前ら、元気そうだな。お助け部か、懐かしいな。」
お助け部が出来た経緯についてだが、中学に入って俺に最初に声を掛けてくれたのが千秋だった。千秋とはクラスで席が隣だったし話している内に仲良くなった。そんな千秋と幼なじみでとてもクールな今井春香や、元気で明るい中村悠、俺の幼なじみの北村和真と神田晃輝,中学の時はだいたいこの6人でいた。
ある日、和真と晃輝が6人で部活を作らないかと言ってきた。
俺たち6人で部活をするのにほかのメンバーもいいね、と言って賛成した。
そして立ち上げたのがお助け部だ。
お助け部は基本的に部活の助っ人や先生や生徒からの頼み事、あとはお悩み相談とかもやっていた。